開発プロセスの功罪

『上流行程?神話の信奉者』とか、『UMLモデリングで大系づけられた標準開発手法』を唱える人たちに、実際のプロジェクトを任せてみて、『生産性がXX%上がり,コストがXX%下がる』かどうかを実験してみるのはどうでしょう?

既に一度それに近いことを経験し,痛い目を見てます.結果は悲惨なものでした.*1

これなら、『開発プロセスは役に立たない』ことが証明されるんじゃないでしょうか。

例えば次のような言い訳をしたらどうでしょう?
「私は良いモデリングをしたのだけれど,下流行程で問題が発生しました.実装を担当する開発者の技術力が低く,オブジェクト指向技術に不慣れだったことが原因です.」
「(前回失敗したのは)きちんとしたUMLモデリングができていないからです.つまりUMLモデリングが悪いわけではなく,その時の担当者がたまたま悪かっただけです.私はベテランですから大丈夫.今回は大船に乗ったつもりでいてください.」

こう言われたら,それを信用する経営者もいるでしょうね.実際には複数の要因が絡み合うこともあって,設計ミスとプロジェクトの失敗の因果関係を理解するのは簡単ではありません.それができるのはコードレベルの詳細さで実装や設計を把握できる人くらいに限られるんです.

*1:問題の一つは,システムの規模や複雑さ,参加する技術者の能力等々によって,最適な設計も様々に変わること.極めて単純で小規模なシステムを作るくらいならUMLモデリングでもなんとかなるでしょう.しかし,本当に良い設計が必要とされる大規模且つ複雑なシステムを開発する際には,UMLモデリングはまるで役に立ちません.