理系の待遇が悪いのは、意外と単純な理由なのかも知れない

これは少々驚くべき記述だと思う。アメリカに比べて人口が半分の日本が、工学部の新卒者数はアメリカに勝っていた事になる。この本では「工学者数の物量でアメリカを上回った」と結論付けている*1訳だが、待遇面から考えるとどうだろう。供給が多い訳だから、市場は買い手が優勢となる。待遇が悪いのもこれで結論づけられる気がする。
http://d.hatena.ne.jp/bn2islander/20060822/1156253914

アホか.

  • 供給が多いからと言って,需要が一定であるとは限らない.*2
  • 理系を出ても文系就職する例も多い.
  • (特にSIで)理系を出ていても,営業や管理職にならないと給与が上がらない.だから理系であり理系として就職していても,理系の仕事を続けられるのは少数派.
  • 実際に現場では人が足りていない.それでも待遇を良くしようという話は皆無.
  • たとえ供給過剰でも,本来下がるのは「平均給与」や失業率.トップレベルの技術者が供給不足になるのは変わらず,彼らの待遇が悪い理由にはならない.

*1:技術者は量以上に質が重要なんだがね.

*2:ところで弁護士などはアメリカの方が人口比でずっと多い上に,報酬も破格だと聞いている.少なくとも日本の弁護士以上だろう.それこそMSの特許裁判などを担当すれば一生遊べるくらいの財産が手に入るそうな.