「ニッケル・アンド・ダイムド」米国低所得者の生活実態
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/bookreview/09/index.html
見かけ倒しの記事.
キーウェストのウエートレスが受け取る賃金は、時給2ドル43セント(ドル117円として284円)だ。1日8時間労働なので、日給は19ドル44セント(2274円)、月に22日働けば月収は427ドル68セント(約5万円)となる。これらに客からのチップが加わる。著者はシーズンオフになるとチップが1日20ドルを切ると記述しているので、少なくとも正規の収入を超える額のチップ収入があるのだろうが、
給料に関してはやたら細かい数字を羅列している割には,一番重要なチップ収入が抜けてるのは片手落ち.*1
- 最近では限りなく20%に近づいている模様。
- 特にウェーターは、時給2ドルなんていう涙金で働かされてることも多く、チップに生活がかかってるので適当にすると恨まれます。
多分チップが主なのでは.支払いの20%がチップなら,チップが一時間で2ドルに満たないということは流石にあるまい.ランチタイム*2ならもっとだ.閑古鳥が鳴いている店だったらチップ収入も少なくなるが,そんな店だと生活できないのでウェーターはさっさと他の店に行ってしまうだろう.
「貧しくない人々にとって、貧困が激しい苦痛であるというのは、なかなか理解しにくいことだ。辛口コーンチップスやホットドッグだけのランチでは、勤務時間が終わる前に失神しそうになる。住む『家』も乗用車かヴァンだ。病気や怪我は、歯を食いしばって耐え、『負けずに頑張らなくては』ならない。病気欠勤しても手当も健康保険もなく、一日分の給料がもらえないということは、即、翌日の食料がないことを意味するからだ」
それは十分想像できる.経験もないわけじゃない.果たして作者は経験したのだろうか?
「改革なくして成長なし」の改革は、「痛みを伴う改革」だった。同じ痛みを全ての人に分かち合うなら、低収入層を含む社会的弱者がより大きな痛みを感じることになる。
より正確を期すなら「同じ痛みを全ての人に均等に分かち合うなら」と書くべき.実際にはこの仮定が正しくないので,結論も間違い.
歴史は二つの可能性を指し示している。
論理が飛躍しすぎ.あくまで可能性に過ぎない上に,日本のおかれた状況や国民性なども完璧に無視して導いた結論など無意味.
国民の負担をじわじわと増加させていった小泉前首相は、なぜ政権末期まであれほどの支持率を維持できたのだろうか。
要するに「なんか知らないけど改革を進める小泉政権が悪者だ.」という結論を,強引に導くためだけの文章らしい.