「日本メーカーが米国に完敗した真因」

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20061012/250596/
団塊世代の爺さんの懐古趣味.
これはひどい」と言わせたいのかな.

いわば、日本はITの利活用という「応用技術」に追いやられたのです。それが「ソリューション・サービス・ビジネス」です。

それをいうならメインフレームの巨人「ビッグブルー」ことIBMだって同じだぞ.日本に限った話ではない.今やIBMメインフレームの会社ではなく,ソリューション専業と言っても良いくらいだ.

それにCPUを支配しているのはIntelなわけだが,4004を作ったチームの一人は嶋正利だよね.彼がintelに引き抜かれるのを座視していたのはどこの誰だ.

日本IT産業は、60〜70年代に生きていた敵がい心や誇り、挑戦する心を取り戻さねばなりません。そう考えるIT業界人は少なくないと思うのです。

うーん...
若手にとっての敵は外国ではなく,旧世代の技術しか理解出来ない癖に会社を支配している,『経営患部』だと思うけど.そんな人の元では,誇りや技術力なんてものは持てば持つほど生きていくのが辛くなるだけですよ.

ここでの比喩が「太陽系」でした。IBMは太陽で、富士通や日立などのPCMはその周りを回る惑星、という例えです。

皮肉ですかね.
太陽と言えばSUN.メインフレームの優,IBMと言えど今はSUNの周りを回っていると?*1

IBM技術者は「プロセッサはOSで最適化されるため、OSを開発しないと良いプロセッサは作れない。この逆も真」と経験から話します。

なんで嶋正利氏の言葉を引用しないかな.
彼が4004を作れたのも,彼がソフトウエア技術に精通していたからだそうだ.良いハードを作るにはソフトウエアを知らねばならない.良いOSを作るにはアプリを知らねばならない.ごく当然のことです.

一部とはいえ、IBMが開発したOSのコードを取り込んだことによって、「技術者が考えることを放棄した」(元IBM技術者)とは言えます。

勝手に技術者のせいにするなよ.これはその企業の知財戦略,経営戦略の話.

リスク云々ならソースコードを見たり,マニュアルを読んだりするだけでもリスクを負ってしまう.本気で訴訟のリスクを回避しようとすると,クリーンルームを設置して企業レベルで対応しなければならない.

1980年、米国著作権法が改正され、著作権でOSのコードが保護されることになったのです。

その段階からクリーンルームで新たにOSを開発するという選択肢もあったはずです.では何故それをしなかったのか?それをするための技術力が既に失われていたのかな?

本来は「技術者が考えることをやめた」、すなわち「ソフトの創造放棄」についてもっと論じるべきでした。

「創造的なソフトウエア開発」を放棄したのは技術者ではなく,経営者では?

「プログラミングのような『下流工程』は誰にでもできる簡単な作業」という立場をとり続け,現場に技術者がいなくなれば創造的なソフトウエア開発が不可能になるのは当然でしょ.

過去のしがらみから解き放たれた若い世代がリーダーシップを発揮し創造的な仕事に挑戦する体制を作るーー。これこそが経営者が責任をもって行うことではないでしょうか。

いいや.

古い世代の経営者がまずすべきことは,経営の実権を有能な若手に譲り渡すことだ.新しい酒を古い革袋に入れても,新しい酒を無駄にするだけ.

*1:もちろん,実際の状況はもっと複雑だ.