十で神童,十五で才子,二十歳過ぎればただの人

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ここでいう「頭のよさ」とはちょっと偏ったものさし、学業を成し遂げるような、テストでいい点をとるような、論文がかけるような「知力・思考力」のことを意味します。

要するに,いわゆる小学校レベルの「お利口さん」ってことかな?

それをもって「頭のいい人」と一般化するのはやめてほしいものだ.

1) 頭のいい人は正解がない問題に弱い
学業は問題に正解がなければ「問題がおかしい」わけですが、

えーっと,それは中学生レベルまでのお話ですね.

大学に入ると「答のない問題」に取り組むことが求められます.
大学院に入ると「何が問題なのか」を探すことから取り組みます.
それができない人は,どんなに知識があっても二流です.


高校の数学くらいでも「答のない問題」こそ滅多に有りませんが*1,自力で答の求め方を得られない限りかなり非効率になります.中学くらいまでは成績トップを走っていた「神童」が,高校,大学と進むに連れて,どんどん才子を経て普通の人(或いは「落ちこぼれ」)になるパターンの一つがコレでしょう.*2

2) 頭のいい人は決断ができない

馬鹿は失うものがないからね.そりゃあ決断だけは早いでしょう.
ただ早いだけで,当たって砕けることも多いのだけど.

頭のいい人は臆病になりがちである

これは否定できない.恐れるものがあり,失うものがある.しかも日本では難問に挑む挑戦者に厳しい社会だ.挑戦することを恐れる臆病者になるのは,日本社会で生きていく処世術なのです.

4)頭のいい人は「わからない人」の気持ちがわからない
5)頭のいい人はいざというときに徒党を組めない
9)頭のいい人は逆境に弱い
10)頭のいい人は意思力や感情力が練習によって強化されることを知らない

これはにわかには信じがたいな.たとえある人が得意分野では第一人者であったとしても,それ以外の分野では素人同然などというのは普通のことだ.何度も逆境に揉まれて,それを乗り越えて一人前になる.強い意志がなければ逆境を乗り越えられないし,必要が有れば他人の力を借りることもある.

8) 頭のいい人は悪人に騙されて逃げられない

それは結局は頭が悪いんですよ.*3

*1:正確に言うとないわけではないけれど,解くことは求められない.

*2:こういう人が「落ちこぼれ」になったとはいえ,本来の特技がなくなったわけではない.答のある問題を解く分には平均以上に有能なのだから,それを活かす仕事に就けばいいだけのことだ.

*3:「君子危うきに近寄らず」というのは昔から言われていることだ.