「大学は象牙の塔か就職予備校か」

http://d.hatena.ne.jp/software_design/20070911#1189478034
メモ

未踏ソフトウェア創造事業ハッカーの一本釣りをやってみたはいいけれども,小さく収まって職人的に好き勝手な働き方をするか,Googleに就職してしまうかで,大きな雇用を産むベンチャー企業は国内で育たなかったですからね

日本でベンチャー企業を起こすリスクが大きすぎるんですよ.リスクに比べれば得られる対価も微々たる物.しかもそれを政府が公認してるというのだから質が悪い.

そもそも未踏で発掘するのは技術者.ベンチャー企業を興すのは経営者.二つを混同してはいけない.

やれMBAだ,MOTだといいますが,リーダーと称してコードを読めないスーツ野郎を育てることには反対ですよ.

全く同意.
これは経営者の仕事であって,技術者の仕事ではない.もし技術者がそちらの道へ進むとすれば,それは技術者を辞めて経営者になるだけで,技術者不足に拍車がかかる.

小難しい話をする割に満足行くスレッドセーフなコード1つ書けない学生ではなくて,

この部分の指摘は大ハズレだと思うね.
この部分ほど,アカデミックな発想が求められる部分はあまりないよ.試しに動かして試行錯誤するだけではだめで,理論的に攻めていくのが最も効果的だ.そもそもスレッドセーフなコードを書ける人など滅多にいないだろ.

Ruby on RailsでもPHPでもいいけど,顧客の要望を聞き取っている間にリアルタイムでサイトのプロトタイピングできるようなハッカーを育てるべきです.

これができないのは技術的な問題ではなくて,マネジメント的な問題だと思うけどね.ウォーターフォールべったりの管理屋さんが多すぎる.
http://d.hatena.ne.jp/masayang/20070911/1189545327

結局のところ日本に魅力的な職場がないから海外に逃げてしまうのだし,優秀な人材が逃げてしまうから必要なところに優秀な人材が行き渡らない.

現実問題として,今度の東大の情報工学科の卒業生は3/4がGoogleIBMに就職すると聞いています.彼らは日本に居続けるかもしれないけれども,日本企業には愛想を尽かしているのです.日本経団連が新卒採用時の賃金水準に差を付けろという提言をしていますが,それでは不十分で,優秀な人間には,それに応じた報酬だけでなく,魅力的な仕事と機会が与えられるべきでしょう.それを日本企業が与えられないならば逃げ出されても仕方ないし,人材不足だ何だといっても負け組の泣き言です

やっぱりGoogle強しか.IBMGoogleの比を知りたいものだな.

むしろ,楽天ライブドアのようなベンチャー企業ばかり出てきて,技術志向のベンチャー企業がなかなか育たない理由を真剣に考える必要があります.

1,経営者やマネージャーが技術のことをわかってない.
2,経営者やマネージャーが技術のことを軽視している.
3,経営者に先を見通した経営戦略がない.
4,ベンチャーキャピタルがないに等しい.そしておそらく彼らも技術のことを分かってない.
5,マスコミも政府も法律もベンチャーではなく,古い大企業より.
などなど.

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梅田 自分では手を動かさなくても、駄目なものは駄目と言って、きちんと方向を示して全体を動かしていくタイプの人はいますね。
日本の現場主義はこういうタイプを嫌う傾向にあります。

茂木 そういう人がいないことが、何度にもわたる日本のIT敗戦の原因ではないかと思うんです。
http://remote.seesaa.net/article/55260863.html