無い袖は振れない

http://www.asahi.com/national/update/1005/SEB200710040014.html

生活保護の申請を容易には受け付けない「水際作戦」が批判された北九州市で、3回も福祉事務所を訪れながら申請書すら渡されず、自殺寸前まで追い込まれた女性(47)がいた。

google:北九州市 破綻で検索してみると,案の定こんなのが出てくる.

北九州市経営基本計画について
しかしながら、今後を展望すると、平成18年度も地方交付税が大幅に削減され、市財政に大きな打撃を与えています。また、福祉・医療経費の増加や市債の償還が平成21年度にピークとなることから、このまま何の対策も講じなければ、最悪の場合北九州市も「財政破綻」に陥ってしまう可能性があります。 それでも右肩あがりの時代であれば、税収の増加等により難局を乗り越えることができたと思いますが、今後は自主財源の伸びが期待できないため、最悪の事態に備えて未然に対策を講じなければなりません。

このため、財政的に一番厳しい平成21年度を乗り切るための4年間を「集中改革期間」と位置づけ、中期的な経営改善の方針を定める「北九州市経営基本計画」を策定しました。

経営改善策としては、1.事務・事業の一層の見直し、2.人件費の削減、3.投資の重点化・抑制が柱となります。

夕張市みたいに財政破綻で有名になった都市もある.マスコミは事実から目を背けたがるが,みんな貧乏が悪いのよ.*1 *2 「お金が無くなったから弱者をスケープゴートにしましょう」というのは,バブル崩壊時の銀行の「貸し剥がし」と同じ図式だな.


ところで大阪は大丈夫?
http://d.hatena.ne.jp/masayang/20070916/1189934825
http://www.osaka-minkoku.info/osaka/osaka.htm

保育所で2年間生活、5歳と4歳の姉妹保護

北九州市が経営破綻寸前の地方自治体で,生活保護を受けたくても受けられない人が多数いるとすると,この話も違って見えてくる.

市によると、姉妹は2005年春に入園。約半年後、母親との連絡が途絶え、2人は園で生活するようになった。母親は常に留守で、父親の行方もわからず、保育料は滞納されていた。市は18日、匿名の通報に基づいて立ち入り調査し、姉妹を保護した。

市に対し、母親は「経済的な理由で迎えに行けなかった」、父親は「仕事を見つけてから行こうと思った」などと説明したという。
(中略)
佐藤園長は21日、同市役所で記者会見し、「報告すると子どもは(公的)施設に預けられると思い、かわいそうだと思った」などと述べた。
http://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2007/09/9222_9ee9.html

一方、離婚したという20代の父親は園を2度訪ねてきた。同年秋ごろの2度目の訪問の際には、姉妹の寝顔を見て涙を流していたが、その後は連絡がなかった。
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/K2007092100124.html

リンク先の魚拓.

佐藤良子園長(65)は「施設にはやりたくないという思いと、涙を流す父親を見て、迎えに来てくれるという確信があった」と説明。(中略)
市が姉妹の両親を見つけて事情を聴いたところ、母親は「借金で昼も夜も働いて体を壊し、父親に引き取りを依頼した。子どもたちに申し訳ない」、父親は「働いて迎えに行けるようになればと思っていた」と話したという。

「仕事を見つけてから」ということは,おそらく父親は失業中なわけだ.子供なんて育てられるわけないじゃないか.本来なら生活保護の対象となるべきなのだが...

*1:北九州市の職員削減くらいはやってもいいかも知れないが,たぶん焼け石に水だろうね.

*2:そもそも生活保護地方自治体レベルの事業ってのは,どうなのよ.その地方が不景気になれば生活保護を求める人も増えるし,同時に自治体の経営破綻のリスクも高まる.