「移民問題」と「移民庁問題」とは分けて考えないと

http://d.hatena.ne.jp/maachan1977/20080506/1210141263
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20080506/p2

移民問題を考えるときは常に「正論」と「現実」と分かれていて、どっちを選んでも新たな問題点がでてきて永遠に納得できる回答を得られない。

日本の場合には、

の二つに加えて、

  • 移民庁問題:若い奴隷を輸入して一定期間酷使したら本国に強制送還する,移民の名を借りた21世紀の奴隷貿易

の三つめも追加しないと.

日本のケースで考えると「正論」でいえば悪評高い外国人研修・技能実習制度を撤廃しつつ、一定以上のスキル・学歴のある付加価値の高い外国人労働者だけを受け入れて、あとはシャットアウト。

たとえば医者とか(高度な)技術者とかが,安価に日本の奴隷的労働に勤しんでくれるというなら,日本人としては反対する理由はない.*1

ただ現実にはそんな高付加価値な労働者は各国先進国で奪い合いしてて、できれば願い下げしたいようなあまり労働付加価値のない低スキルな方々ばかりどんどん不法にやってくる。でもそんな彼らの受け皿がまだまだ乏しいので、本当に未来の望めないような低賃金な仕事しかできず、子供もまともな教育を受ける機会を失い貧困が次の世代に連鎖していく。

そういう目的で設置するなら悪い話ではない.そしてそれは10年単位で,じっくり腰を据えて検討すべきもの.*2

だが今日本で議論されている『移民庁』は,そんな真っ当な移民政策のためのものではなかろう.百歩譲って最初の理念が真っ当なものだったとしても,経団連の横槍が入って奴隷貿易のための物になるのはほぼ確実.

*1:そういう人が問題になるほど大量に来るはずもないし.

*2:このあとの動きが見物だ.「3年以内にXX人の移民を確保することを数値目標とする」みたいな,ナンセンス極まりない目標を掲げても驚きはしない.