奴隷貿易にしないためには

http://d.hatena.ne.jp/gothedistance/20080519/1211192660
http://slashdot.jp/developers/08/05/21/0243202.shtml

  1. 既存の人事システムの刷新:年功序列と終身雇用の廃止,正社員への過度な優遇制度の廃止,etc
  2. 技術者の待遇改善 & 外国人差別の解消
  3. 外国人労働者の受け入れ,移民の推進*1

の順番だろうね.

Nonetheless, labor experts warn Japan may be doing too little, too late. They say the country has already gained a negative reputation as discriminating against foreign employees, with weak job guarantees and glass ceilings. Experts say Indian and other engineers will often opt for more open markets like the United States.

http://www.nytimes.com/2008/05/17/business/worldbusiness/17engineers.html

実際にも「私の上司は最近中途採用で入った外国人です」みたいな話は聞いたことがないんだが.*2そんな外国人差別外国人差別とも思われていない日本企業に,優秀な外国人技術者が来てくれると考える方がどうかしている.

  • それはそうだろう。Skilledエンジニアの多くは、安月給で働いてくれないし、日本語できないし、空気読めないし、残業しないし、すぐ辞めるし*3。そんな要求を受け入れられる我慢強いエンジニアは日本人以外ありえない。*4
  • そうは言っても、外国から人材を受け入れたいなら、そもそもそれに見合うものを提供できないと、誰も来ないと思われる。忍耐強い日本人エンジニアすら引き止められない状況でどれくらい外国人エンジニアを呼べるだろうか。
http://remote.seesaa.net/article/97442731.html

資本鎖国を求める日本経団連でさえ人材鎖国には危機感をもち、外国人材の受け入れを提言しているが、厚労省は動かない。それは彼らの天下り先である労働団体(組織労働者)の既得権を侵害するからだ。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/10190e3f2f75d1e34365df52db1a3a0e

そう単純化しすぎるのはいかがなものか.

根本的な問題は日本の民間企業が有する人事制度の欠陥であって,厚生労働省だけの問題ではない.たとえ厚生労働省を解体したとしても,日本企業の体質を変えないままで外国人労働者受け入れを解放すれば,今まで以上の悲劇が生み出されるだけだろう.*5 *6


それにしても「人材鎖国」という表現は,意外に的を射ていると思う.

  1. 海外から人を入ってこさせない.
  2. 海外に人材を逃がさない.*7

特に後者の意味において当たってる.

もし日本に「移民庁」を設置するならば,ぜひ後者の業務を中心にして欲しいな.そうすれば,日本に不満を持つ若者が海外に移民できるようになるから.

*1:移民庁の設立含む.

*2:「上司が自分より年下の女性です」でさえも,すごく珍しい.逆に外国人がクビになったという話は聞いたことがあったりして.

*3:「行間を読んでくれないし」「矛盾した仕様書を,仕様書通りに実装してくれないし」も加えてもいいかも。日本人でなければ,これはきっと冗談に違いないと思うだろう.

*4:日本人でも無理な気が.

*5:こういう批判的な意見のトラックバックは,氏のブログには反映されないことが多いんだよなあ.さて今回はどうだろう?

*6:それはさておき,このコメント欄に書き込んでるTom氏って,「絵に描いたように無能な上流工程屋」という感じだね.さもなくばいわゆる「工作員」か.こういう人がネタでなく実在するから,この業界は大変なんだよなと.

*7:http://remote.seesaa.net/article/62499486.html