第二次就職氷河期の足音?

キノコ型人口ピラミッド

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200810280080.html
http://www.sanyo.oni.co.jp/l/news/2008/10/29/2008102915551363026.html
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200810310057.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081031-00000004-jct-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081028-00000038-san-l07
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081029-00000003-san-l04
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20081101ddlk34020352000c.html


http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/wakayama/081030/wky0810300301003-n1.htm
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20081013/p2


当然のように非正規雇用の首切りも並行して進められている.
http://www.asahi.com/business/topics/TKY200810310347.html
http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2008103100834
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20081103/1225680962


ついでにメモ.こういう評論家がバブルの頃には山ほどいたんだ.
http://news.ameba.jp/2007/10/7724.php

「卒業してからでも大卒の資格で何とかなるわ…と思ったら大間違いです。社会は受け入れてくれません。何故なら,新卒で就職出来ていない人は落ちこぼれであり、欠陥品だからです。 君がどのように言い訳をしようと、社会は欠陥品と見ます。いや、言い訳をする場さえ与えられません」
「もう一度言います新卒で就職する,しない,は天国と地獄の分かれ目と言っても過言ではありません。今、君は大学『新卒』として社会に歓迎されるたった1回のチャンスにあり、人生の安定した基盤を作ることができるかどうかの瀬戸際に立っています」

http://news.livedoor.com/article/detail/2778413/

残念だけど,これは今でも事実.

しかし、「経済情勢の激変」を理由に、一転して内定や求人の取り消しが相次ぐ事態になっている。急速に冷え込む「雇用」に大学や教育委員会は不安を隠せない。

結局は年功序列賃金の元で「安価な労働力」である新卒一辺倒な採用過程が問題なんだと思うよ.
この問題は1991年のバブル崩壊で既に指摘されていた.そして十五年以上たった今でも,企業は何は変わっていなかった.

「こんな事態は初めて。内定取り消しなんてしたら、翌年から誰もその会社には応募しなくなるのに」。流通科学大(神戸市西区)の平井京(けい)・キャリア開発課長は困惑を隠せない。同大学の4年生2人が、相次いで就職の内定取り消しを受けたからだ。

「戦後最大の好景気」末期の1991年には既にあった話だよ.テレビのニュースで流れていた.勉強不足だね.どうせそういう企業はむこう数年間は人を採るつもりがないから,「誰も応募しなくなる」ことはさしたる問題ではない.

当時は中途採用も今ほど活発ではなかったし,「第二新卒」という単語も無かった.就職はそりゃあ厳しかったと思うよ.そういう意味では今の若者の方がよほど恵まれてる.

  • 「景気が悪くて、マンションが売れない。社員の一部にも退職をお願いしている危機的な状況だ」と取り消しを告げられたという。
  • 別の男子学生は大阪市のコンピューターシステム会社から内定を取り消された。
  • 鳥取県鳥取工業高校では今月、求人票を出していた県内の中堅の製造業者に3年の生徒が応募したところ、「米国の景気低迷で先行きが不透明なため求人を控えたい」と断られた。
  • 「説明会でも景気の影響で採用は減ると言われた。不安なので、公務員試験の勉強もしています」。

第二次就職氷河期の到来かな.公務員が人気になるぞ.

でもその公務員も天下り禁止しないと,日本が保たないと思うけどね.そして天下り禁止すると,今度は公務員が保たなくなる.*1さて?


若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

これを契機に若い人には真剣に考えて貰いたい.

ちょっと景気が良くなった,悪くなったでまるでメモリのスポット価格のように乱高下する新卒採用に一喜一憂し,卒業年度に景気が悪かったという自分ではどうしようもない理由だけで人生のレールからはみ出して『欠陥品』扱いされる日本が,はたして労働者に優しい国と言えるのか.一度レールからはみ出せば再チャレンジすることもできず,本人の努力や能力や成果ではなく生まれた年度だけで決められてしまう仕組みは差別ではないのか.景気が悪いというだけでどれだけ優秀な人間でも『欠陥品』になったり,逆に景気がいいというだけでどれだけ無能な人間でも『幹部候補』扱いされるのは,社会の損失ではないのか.

今の終身雇用や年功序列賃金は,年々売上が増えていく高度経済成長時の社会情勢に合わせて作られたものだ.しかし1970年代頃までの「高度経済成長」など,若い世代にとっては遠い昔のものだろう.既に時代遅れになったそれらを維持し続ける意味などもはやないのだ.

ブクマコメ

http://b.hatena.ne.jp/entry/http%3A//www.asahi.com/kansai/news/OSK200810280080.html

  • 具体的にどの企業が、どれだけ内定を取り消したか知りたい。こういう真偽のほどが分からない「噂話」をニュースで流されても正確な判断ができない。
  • またかという印象だが、今はネットがある。有志で就職内定取り消し会社リストを作って公開してほしい。

この手のコメントは歓迎します.*2

  • 採用は計画的に!
  • 硬直化した新卒一括採用を止めるって話が本格化する事は無いんだよな…好景気の間何してたの?
  • 15年前と同じく『日本型雇用』の負の側面が。バブル後に新卒減らして社内の年齢区分が狂って組織が弱体化したのを忘れたちゃったのかね。
  • 自己責任(笑);企業の、被雇用者に対する姿勢がよく分かりますね。その人の能力を買ったのではなくて、単に頭数を集めてきたということですか。
  • 目先のことだけ考えて、後になって慌てて中途採用しまくる企業もでてきそうな予感がする。
  • 入社1年前の5月に内定みたいな今のシステムが変という話もある。
  • 大企業内でも年齢構成が歪なせいで現在進行形で苦労してるだろ?
  • ますます、結婚して子ども作る家族が減って少子化になって高齢化になってバランス悪くなりそうだな。

ちなみに「就職協定」があったころは,一応卒業年度の6月くらいからだったかな.一応.*3
http://slashdot.jp/article.pl?sid=08/10/25/0323236

欧州から来てた留学生は「うちの国では卒業前1ヶ月くらいから就職活動を開始して,卒業後数ヶ月してから就職が決まる」と言っていて,実際,日本人学生が就職活動中も真面目に研究やり続けてたし,逆に卒業式については「就職活動があるから」と式より前に帰国してしまったのが可哀想だった.

そこで気づいたんだけど,そもそも「日本中どこの会社でも4月1日に(大学を卒業して数日の)新人が一斉に入社している」という状況って明らかに異常だよね.…と言っても,日本のダメ人事連中に通年採用なんてやる技量があるわけないから,改善するのは無理だろうなぁ.

http://slashdot.jp/comments.pl?sid=424148&cid=1444299
  • 来年同じ会社の門を叩いたら「経験者と新卒しか採用しません」と言われるんですね、わかります
  • ぞっとする話だな、でももうこんな光景ではちっとも驚かなくなってしまっている、氷河期世代の俺がいる
  • ようこそ就職氷河期へ。我々就職氷河期第一期組はあなた方を心温かく受け入れます。大丈夫2003年卒の人よりあなた方はまだだいぶマシなのだ。
  • 内定取り消し、内定して就職した途端に倒産、とかなんぼでも見た、就職氷河期のまっただ中にいたので。
  • 彼らの一部も十年くらいしたら、努力が足りない、自業自得、自己責任がどうこうとか言われるようになるんだろうか。旧氷河期組としては絶対に言いたくない。
  • 氷河期世代からすると何言ってんの?だな。企業がいつどうなるか分かんないなんて当たり前。
  • 前例がなかった第一氷河期世代に比べれば、心理的な不安感は幾分軽減されているはず。経済的には同じく辛いけど。
  • 今後数年は日本企業は厳しいとみて外資含む海外企業への就職を考えるといいかもよ(^^; >学生諸君
  • 内定取り消し、って「合理的な理由」が会社側にあれば起こりうるのか。

「内定」ってのはそういうものだし,(第一次)就職氷河期には既にあった話.「合理的理由」というのは事実上は「経営者の都合ならなんでもあり」ってことかな.

  • 「内定者」は一番リストラしやすい人間なんだろうね。
  • 新卒はまだいいよ…
  • かろうじて職を得ていた氷河期世代が再度リストラとか倒産で路頭に迷う展開になったら…

うーん,新卒だけでなく派遣社員契約社員も似たようなレベルだと思うけど.通り魔事件を起こしたくなる気持ちも理解できるな.

  • 現状の制度化ではどうしたってこうなる(擁護してるわけでなくて)。解決法は、正社員の解雇をほぼ不可能にしている「整理解雇の四要件」を法改正でなんとかするしかないだろう。

前半は同意.後半は反対.
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20080603/p1

まずは降格人事の導入が先.「一度給料や職位があがったら下がらない」という制度のもとでは,先に上がったバブル組が絶対に有利で若者が割を食う.先に「降格人事」と「人事部」という聖域にメスを入れない限り,解雇規制の緩和又は撤廃は若者に悲劇を生むだけだろう.*4

http://d.hatena.ne.jp/idadi/20081030/1225378085

普通は10月1日に内定式があって,「あとは卒業だー」という時期だと思われるのだが.大学に行くと,いろいろな話が聞けます(書けないですけど

あ,やっぱりあるのか.*5

  1. バイト先に就職
  2. 大学院に逃亡

でも,現実的なのは,前者,か?

「悪くない」程度のバイト先ならおそらく1でしょうね.

とりあえず正社員として経験つんどけば,悪くなった場合でも数年後の転職というのが現実的になるから.バイトとしてのつき合いが長いのだったら企業側にも即戦力を期待して貰えるし,バイトの延長で仕事を続けるだけだからお互いに負担が少ない.どうせこのご時世だと定年まで同じ会社にいることなんて,双方共に期待してないし.

まあ時給換算でバイトの時より給料が下がることもあるんで,それを素直に受け入れられるかと言う問題もないわけではない.

*1:「ちなみに、多くの民間企業は、今まさにこの段階だろう。「なんであんなやつが上司なんだ」「何もしてないじゃないか」というセリフは、どこの企業でも若手〜中堅の口から耳にすることができる。」 http://www.doblog.com/weblog/myblog/17090/2615495#2615495

*2:あまりに多すぎると適当に間引くかもしれんけど.

*3:ただしマスゴミは除く.あそこの業界だけはその昔でも卒業の1年以上前だったし,それを他のマスコミが批判することもなかった.

*4:日雇い派遣の自由化」みたいなもの.

*5:でもやっぱり「俺たちの時に比べたら可愛いもんだよね」と思ってしまう氷河期世代