The Elements of Java Style

Javaスタイルブック (IT Architects’ Archiveシリーズ)

Javaスタイルブック (IT Architects’ Archiveシリーズ)

  • 作者: スコット・W・アンブラー,アラン・バーミューレン,グレゴリー・バンガードナー,エルドン・メッツ,トレバー・ミスフェルト,ジム・シュー,パトリック・トンプソン,滝沢徹,牧野祐子
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2009/01/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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The Elements of Java- Style (SIGS Reference Library)

The Elements of Java- Style (SIGS Reference Library)


の和訳で原書は良書.斜め読みした感じでは日本語版も大差なし.ただし原書が出てから随分たっているので今更感は強い.
コーディング規約マニア,コーディング規約に拘りがある人,仕事柄コーディング規約を作らなければならない人は必携.それ以外の普通のJava開発者にとっては知ってて当たり前の常識集.いまさらこれを読んで目から鱗がボロボロ落ちる人はちょっとヤバイかも.*1基本の再確認としては持っていても良いかもしれないけれど,これを読んだから何かが変わるとは思わないほうがいい.ちなみに原文の英語も簡単平易なので,英語で読むのもさほど苦にならない.


注意点としては,既に使用が推奨されない"double checked locking idiom"が勧められていて,しかもそれに対する訳注もなにもないことかな.原書は古い本だからしかたないけど,和訳で何もフォローがないのはいただけない.他にも内容的に若干古くさい部分はあるとは思う。


なおコーディング規約についてだが,レベルが低い組織や開発者にはコーディング規約の過大評価する人が多いけれど,それは明らかに誤りだ.コーディング規約はあっても害がないレベルに押さえる分には構わないが,過剰なコーディング規約は品質と生産性を(時に劇的に)下げてしまう.これは既に疲弊した開発現場には最後の一撃にもなりかねない.

ついでにメモ

*1:しかし所詮はコーディング規約に毛が生えた程度なので,『綺麗な』コードがかけている開発者にとっては,さほど重要ではない.ただし綺麗なコードがかける開発者の多くは勉強熱心な開発者だから,ほとんどの場合はこの程度の内容はどこかで既に目にしているだろう.なお『綺麗な』というのは,あくまでプログラミング的な意味であることは言うまでもない.