若者は海外脱出すべきか
http://d.hatena.ne.jp/elm200/20100109/1263042636
15歳の君たちに告ぐ、海外へ脱出せよ
ここはかなり賛成かな.特にIT技術者なら,日本に未来はないから.20年前ならともかく,もはや手遅れ.*1
「就活」という世にもくだらない非生産的な活動にエネルギーを注がなければならないからだ。
「日本の就活」はたしかに無駄だと思う.というのもそれが時間を浪費するくせに,人間的な成長に繋がらないから.もっというなら,それは「競争」ではなく,人事部主催の単なる「くじ引き」なんだよね.競争なら少なくとも最も良い結果を出した人が選ばれるのに,「くじ引き」だからそうならないことの方が多い.籤を引くだけなのに,日本企業はなんであんなに時間と金を使うのか理解しかねる.
- 激しい競争を潜り抜けて、大企業に就職できても、それは約束の地などではない。
- 日本の大企業は中高年によって支配されていて、若者の意見は黙殺される。
これは完全に同意.IT業界が腐る理由の一つだね.一部の例外を除き,時代遅れな人ほど強い発言権を持つ構造になっている.
それでも、中高年の社員が賢ければいいかもしれない。実際のところ、彼らは論理的思考力を欠いている。考えてみてほしい。彼らは、日本の経済がまだ繁栄していたころに就職した人たちだ。当時の大学はレジャーランドだった。真面目に勉強するやつは「堅物」と敬遠され、下手をすると変人扱い。先輩のやり方を模倣するだけで、自分の頭で物事など一度も考えたことがない連中だ。
うーん,半分賛成だが半分反対.
論理的思考力を欠いている人が多いのは事実.多くの日本人は,そういう訓練をしていないから.しかし,それは今の若い人でも変わるまい.
「先輩のやり方を模倣するだけで、自分の頭で物事など一度も考えたことがない連中」が多いのも事実.以下同文.
そして堅物云々.以下同文
これらはいつの時代でもいるだろうし,少数派.それは問題の本質ではない.
それと「繁栄していた頃」といわず,素直に「バブル期」と言おうよ.
歳を取り、腹に贅肉がついて、見た目は立派になったが、中身は空っぽである。こんな連中についていっても、未来などない。
日本企業が終わってるのは事実だけど,そういう「最近の年寄り論」みたいな単純なものではないと思うね.年功序列賃金(神話)や終身雇用(神話)や新卒偏重に代表される,「日本的経営」という戦後数十年続いた一時的な現象が破綻しているにも関わらず,バブル以降20年以上も手をこまねいて問題を先送りにしてきたのが最大の要因だろう.
それ以降については賛成しかねるな.「日本人は,もっともっと外国に出て行くべきだ」という点についてだけは大賛成だけど.*2
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- 海外で勉強して働こう :http://www.chikawatanabe.com/blog/2009/04/future_of_japan.html
- 海外での仕事に必要な英語のレベル:http://www.chikawatanabe.com/blog/2010/01/english.html
- 日本人エンジニアは海外を目指すべきか: http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20060802/p1
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lost generationの作家たちが,アメリカよりもヨーロッパの方がまだ住み易いと思って帰国しなかったのは,一般アメリカ人がまるで戦争がなかったように普通に暮らしていたことに対して強い疎外感を覚えたことと,母国の精神文化の未熟さに絶望を感じたからである. http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20091110/p1
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あと若い人限定だがワーキングホリデーというのもある.やったことないから,偉そうなことは何も言えないけど.
大学在学中に休学して,一年くらい海外を回ってみるという方法もあるかもしれない.
コメント
センター一週間前にこのエントリーはないわ…
海外に出て行く上で大学で専門教育を受けておくのは重要らしいよ.大学から留学するのでないならば,専門知識や技術を持ってないと,単なる難民と変わらないから.だから海外脱出を真剣に考えるなら,大学受験はやっておいて損はない.(と思う,たぶん.)
- http://blog.practical-scheme.net/shiro/20100223-working-in-us
- http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20100224/1266992162
eses 2010/01/10 13:12 日本に来て3年になった外国人です。
この記事を読んですごく痛感してます。
日本は私の国よりは色んな人にチャンスを与えてくれた国でした。それで出来るだけ長くこの国で働きたかったです。
1年に過ぎた時点からはこの記事で書いているようなところに気づいて、今はアメリカなどに行く準備をはじめました。もちろんアメリカもそういう問題はあると思いますが、私が自分の状況をわかってる上で選ぶことと、自分が知らないうちに当たり前にように生きていくのは違うと思います。
日本はいろいろ良い国ですが、何でもテンプレートやマニュアルを作ってその通りにしようとする志向があると感じてます。皆がその通りにやってくれると喜ぶ人、儲かる人があるかも知れないですね。知らないふりをしながら幸せそうに生きていけるかも知れませんが、一度くらいは広い世界に目を向けるのも良い刺激になると思います。
(これはあくまでも個人的な意見で何か失礼な言葉がありましたらすみませんでした。)
http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/elm200/20100109/1263042636
少なくとも日本に関しては,そんなことは全くない.
日本における「成果主義」とは,若者の給与削減の口実です.
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バブル崩壊後の90年代に給与削減テクニックとして「成果主義」が注目を集め,そのために導入され,故にそのほとんどが失敗した.*3
http://rionaoki.net/2010/01/2682
トラックバックは送ったのだが,既に削除済みか.池田信夫メソッド.
まず、自信をもって海外移住を勧めるわりには1の前提の吟味はお粗末なことが多い。大抵自分はある外国に住んでいるが日本はここがダメだみたいな話になる。これでは主張自体が正しくとも説得力がない。
では改めて問うが,「日本はここがスバラシイ」という根拠は何か?
「日本はここがダメ」に対する反論は「それには説得力がない.」「俺は納得しない.」というのではダメだから.*4まして,
湯之上 「なぜ、あなたは、私の言ったことがすべて間違っていると思うのですか?」
元社長 「日本半導体の技術力は、実際に高いからだ」
湯之上 「なぜ、そのように判断できるのですか? どんな証拠があるのですか?」
元社長 「おれの直感だ」
湯之上 「あなたがそのように直感で感じるには、何かの根拠があるはずです。どのような根拠があって、そのような直感を持たれたのですか?」
元社長 「日本の技術は本当に強いからだ」
湯之上 「・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2229?page=2
の社長みたいなものは論外ですよ.あなたの議論はこの社長と同レベル.
本人が変えようとして変えられなかったというのでもなければ共感は期待できない。
別にあなたの共感など期待してないもの.滅びたければ勝手に一人で滅んで下さい.
過去変化しなかったから将来も無理だというのは自分の投資判断の根拠としては十分だが、相手を説得するには不足だろう。
日本が変化しなかった理由は様々あるが,そのほとんどが年功序列,新卒偏重,前例主義などの組織的構造的問題.*5 成果主義の失敗も根は同じ.それに対してなにかしようとするならば,日本の組織構造の中に入ってはダメだ.組織を変えるには社長にならなければならないが,若者はすべからく底辺の平社員になって扱き使われて,課長にさえならないまま一生を終わる.*6
今は若い人の海外流出こそが,日本を変える大きな力になるだろう.どんなに日本がおかしくなって技術力が低下して国際競争力を失い,財政赤字が増え続けて少子高齢化が続いて年金も医療も破綻して,それでも若者は酷使されてお国のために滅私奉公して死ぬ道を選び続けると,経営者や労働組合や日本政府が思っている限り日本は変わらないのだ.
もしこの様な強制労働現象が欧米地域のどこかの国で起こったらエンジニアはどうするか。確実に他の国に移住するだろうってことだ。
日本という国は日本語という防壁のおかげでグローバリゼーションから身を守られている部分もあるが、日本語のみという障壁のおかげで、無理強いさせられていることも沢山あるのだなあ、と。
http://remote.seesaa.net/article/62499486.html
去年だか一昨年だか、東大の情報系の修士新卒がごっそり(googleに)持ってかれましたな。
http://slashdot.jp/comments.pl?sid=477674&cid=1686819
# 誰だか忘れたけど「ここはGoogleの予備校じゃない」と怒ってた教授がいたような
- id:fromdusktildawn 英語圏に脱出できないorしたくない人間が反感を覚える理由:(1)お前らだけ逃げて、逃げられないオレたちは死ねってか!(2)優秀な奴らが出て行ったら、金稼ぐ奴が日本にいなくなって残されたオレたちが貧しくなる!
- id:elm200 この記事は日本を覆っている「何もやらないのが吉」という風潮を助長してしまうのでは。日本の大企業がこの先あてにならない、という前提が納得できないのかな?日本企業で働いてみるとダメさがよくわかるんだけど。
- id:KoshianX 日本への絶望度合いが違うだけかと。絶望的である証拠を見せろというのは悪魔の証明に近いものがあると思うけどな。楽観できる証拠があるなら俺も欲しいが、無いからウワワーンなわけで
http://b.hatena.ne.jp/entry/rionaoki.net/2010/01/2682
- id:Terara_kirara ただ、ブラック企業の跋扈とか成長戦略が殆ど見えなくて成長可能性も殆どないっていうのは厳しい。というか、現に優秀(海外に通用する)な日本人がどんどん流出しているような気がするんだが?
- id:sybianoid ふと思ったが海外脱出アドバイス組の人達って、有能な移民が日本に来ることには賛成なのかな。元気よく入ったり出てったり(入れたり出したり!)するのがいいと思うんだよね。
私は原則賛成ですね.現実的には来てくれないと思うけど.
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20080524/p2
http://d.hatena.ne.jp/kinokomushi/20100112
これから10年間に必ず起こるべき(起こらさなればならない)と思うことは、キャリア・パスの多様化だ。敷かれた”レール”というもの自体が存在しなくなり、日本社会の悪弊である新卒採用はなくなる。
しかし、キャリア・パスが自由化されることは、一人ひとりの日本人の潜在的な行動圏・文化圏はどんどん大きくなってゆくことを意味する。そこで誰もが100%ぶつかる壁がある。英語だ。学術研究の世界では、英語が世界共通語という認識は当然になっているけれども、どんな仕事・勉強をするにしろ、英語の重要性はますます大きくなっていくと思う。
同意.
いま、10年前の自分、高校一年生のころに自分へ、将来のアドバイスをするとしたらどんな言葉をかけるのだろうか?
+ 大学受験なんてただの始まりだぞ!
+ 英語は実践して身につけろよ!
+ 経済に興味をもって新聞読んどけよ!
+ 知識を体系化するためにノートつけろよ!
1と2は完全に同意.生涯学習ができない/英語が分からない技術者なんて今後ますます役立たずになる.
「経済〜」はこの人がそっち分野の人だからだろうね.ノートは...紙である必要は無くても,あった方がいいのかな.
*1:追記: http://slashdot.jp/it/comments.pl?sid=509112&cid=1832050
*2:と同じくらい,移民についても前向きで検討すべきなんだけどね.「日本的経営」という鎖国政策がある限り無理な話.
*3:2000年代に入って成果主義に代わって注目を集めたテクニックが「過労死促進法」とか「労働者定額使い放題プラン」とまで酷評されたホワイトカラーエグゼンプション. http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20061214/p1
*4:「私には良く分からん。わかるように説明してくれたまえ.」というのも,無知な上司がよく使うテクニックだな.
*5:http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20081220/p1
*6:これこそが年功序列の本質だから. http://blog.goo.ne.jp/jyoshige/e/7ab88459bc3723ecae96dc059943089d