SONY「ルールを変えよう」

http://www.sony.co.jp/SonyInfo/Jobs/newgrads/concept/
http://news020.blog13.fc2.com/blog-entry-2050.html
http://alfalfalfa.com/archives/5052990.html
http://gigazine.net/news/20120106-sony-jobs-newgrads/
メモ.

技術空洞 Lost Technical Capabilities (光文社ペーパーバックス)

技術空洞 Lost Technical Capabilities (光文社ペーパーバックス)

■”学歴不問”は大ウソ!

ソニーは以前から「学歴不問」を謳っている.しかしこれはとんでもないハッタリである.もし,この話がウソと思うなら高卒者でも大学中退者でも受けてみれば分かる.まず本社採用されることは無いだろう.採用されても非正社員か,または子会社か孫会社に回されるのがオチである.


(中略)

この,ソニーの学歴不問がハッタリであることを証明する事件が過去に幾つか起きている.取材を通じて得たエピソードから,その極端な例として,ひとりのエンジニアの採用をいったん決定したものの,入社前日になって学歴を理由に採用が取り消されたという事件を紹介しよう.

これはソニーのある部署が新規ベンチャーとして始める事業要員を社外から募集した時のことだった.面接も終わり,しかも明日から加入する部署でメンバーと会って挨拶も済んだ日の晩,突如人事から電話が来て採用が取り消されたのである.

突然の採用取り消しに当人が大混乱を来したことは言うまでも無い.それもそのはず,そのエンジニアは別の会社で働いていたが,ソニーの募集に合格して入社が決まったことで,元の会社を既に退社していたからである.人事は相手のその状況を知っているにもかかわらず,その人をいきなり,しかも入社前日に採用取り消し処分とした.

その理由は取り消された本人にも伏されていたそうであるが,関係者への取材によれば「学歴がソニーの基準を満たさなかった」ということだった.具体的に言うと,その人は大学を中退していたのだが,採用を担当した人事がその部分を見落としていて,それに気づいたのが入社前日だったと言うことである.

当然,本人にはまさに青天の霹靂で,「なぜ急に不採用になったのですか?」「私が何か問題でも起こしたのですか?」と,職場に何度も何度も電話があったらしい.しかし職場のマネージャーからは「絶対に(採用取り消しの)理由を言ってはならない」と部員に命令が下りており,誰もその真相を本人に告げなかったという.

採用を取り消されたエンジニアは,既に退社している元の会社に戻ることもできず,仕方なく別の会社を探したそうである.


なんで画像にするかな.めんどくさ.

ルールを変えよう.


本質を求めてやまない,強烈な目的意識.
その結果,人と違う物ができる.それが,新しい価値を生む.
ソニーは,そうやって新しい商品を世の中に送り出してきた.


「倫理」や「慣習」,「ルール」という言葉で自分を納得させるのはラクだ.
世の中のあたりまえを疑い,ルールを覆すのはとてもパワーがいる.
だが,本質がその先にあるなら,困難を乗り越えて進めばいい.


ソニーは,人材採用にも,本質的なあり方を求めていきます.
就職活動において,一人ひとりが輝く個性を発揮し,自分らしさを素直に表現して欲しい.
個人の持ち味や価値観を大切にして欲しい.
多様な人材がいるからこそ,イノベーションが生まれると考えます.


それぞれの個性を大切にするため,日本特有の“シューカツ”というルールを変えます.

http://www.sony.co.jp/SonyInfo/Jobs/newgrads/concept/

職業選択の自由
人生選択も自由.


学生というラベルが無ければ,“シューカツ”のレールに乗れない.
”シューカツ”を続けるために,就職留年や,大学院に進学する.
職業を選択する自由を得ようとすると,人生の選択肢が狭くなる.


これでは,本末転倒では無いでしょうか?
学生時代に精一杯勉強し,楽しみ,人生の進むべき道について自分の頭で考える.
学校を卒業してから,「海外の大学に留学する」,「起業する」,
「海外の企業でインターンシップを経験する」,「家業を手伝う」,「世界を旅する」.
人生の選択肢は,無限にあります.


ソニーは,様々な選択肢を歩んだ人たちと出会いたいと考えています.
新卒採用においては,在学中の学生及び卒業後3年以内の方を対象とします.
就業経験の有無は問いません.卒業後の武者修行,歓迎します.

http://www.sony.co.jp/SonyInfo/Jobs/newgrads/concept/contents1.html

選考方法も多様に

ちまたに溢れる就職マニュアル本や”シューカツ”口座.
自分のキャラクターを設定し,面接をパスするためのテクニック.
みんなが同じ”シューカツ”の対策をすれば,誰もが似たような主張をするようになる.


日常の中で何を考え,どこに注目し,何をしたいと考え,何をしたか.
ソニーは,一人ひとりの普段の考え方を理解したいと思っています.
だから,面接では,従来から個々人の話をジックリお聞きしてきました.
ただ,それぞれの個性は,形式通りの面接だけでは分からないこともあります.


ソニーの今回の新卒採用では,複数のエントリーコースを用意します.
ワークショップ,企画提案,プログラミング手法のディスカッションなど,
応募者自身が選考方法を選べるようにします.


意見も得意分野もバラバラでいい.むしろバラバラがいい.
様々な個性がぶつかり合った時,大きな力になる.
人々の生活にインパクトを与える商品やサービスは,多様性があるから生まれるのです.

http://www.sony.co.jp/SonyInfo/Jobs/newgrads/concept/contents2.html

”シューカツ”≠スーツ.


面接にはスーツを着ていく.
メディアでは,常識的な“シューカツ”の服装とは何か,が取り上げられる.
面接で自由な服装をと呼びかけると,「これは罠だ」と呟かれる時代.


いまの均質な“シューカツ”.スーツはその象徴だと思うのです.
だから,ソニーは,採用イベントや面接に参加する際,自由な服装を呼びかけています.
応募者には,普段のままの自分の考えをリラックスして表現して欲しい.


お互いに,”シューカツ”の固定観念を打ち破りませんか.


どんな服装で参加していただいても大丈夫です.
大事なのは,中身.
自らの思いを素直に伝えられる,普段通りの服装で来てください.
スーツで参加するのが「最も自分らしい」という人は,スーツを着ても構いません.
“シューカツ”=スーツ.そんなルールはなくてもいい.

http://www.sony.co.jp/SonyInfo/Jobs/newgrads/concept/contents3.html

いっしょに,
これからのソニーを作ろう


面接や応募書類で大学名を聞かず,人物本位の採用を目指した”学歴不問採用”.
従来の履歴書を廃し,個人の経験や考え方を問うエントリーシートの導入.
入社時期を選ぶことのできるフレックスキャリアスタート精度.


かつてソニーが世の中に問いかけてきたことは,
応募者とソニーが対等の立場で理解し合おうという試みでした.
選ぶ・選ばれるという関係がある以上,「対等でありたい」というのは,
理想論かもしれません.


しかし,ソニーの想いはシンプルです.
応募者とソニー,お互いが理解し合い,双方が納得した上で入社してほしい.
そして,ソニーのことが好きな人に来て欲しい.


ソニーは,これからの会社です.
いっしょに,新しいソニーを作りませんか.

http://www.sony.co.jp/SonyInfo/Jobs/newgrads/concept/contents4.html


ムシャクシャしてやった.公開はしても,後悔なんぞしてやるもんか.自分のブログへのコピペ,メールでの転送などは,お好きなように.

  • 言ってることは基本的に賛成だけど,口先だけじゃ意味ないよな.行動や実績が伴ってないと.新卒限定という時点で「まだまだこれからだなー」という感じ.
  • 紙の履歴書と4月1日入社,及び(全社レベルでの)入社式の廃止と,通年採用とSkype面接*1の導入も検討すべき.
  • 「面接や応募書類で大学名を聞かず,人物本位の採用を目指した」までは半ば賛成なのだが,「”学歴不問採用”.」というのもやっぱりおかしい.*2「どこの大学を出たか」はさておき,「大学で何を専攻したか」はとても重要だろうに.だから修士論文や博士論文を読んで,その内容について質疑応答するくらいはやってもいいはず.*3


http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20070926/p3
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20100816/p1

*1:要するに電話による長距離面接.遠隔地に住んでると交通費もバカにならんから.

*2:「学歴不問・未経験者歓迎」はブラック企業の合言葉.

*3:なんでやらないか(というか「できないか」)というと,人事部の人間には論文を読んでも理解するだけの知識や知能がないから.人事部主導の採用というものの限界がここにある.人事部が面接する限り,優秀な人材を採ることは諦めた方が良い.