JASRAC排除措置命令、公取委が取り消しへ

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120203_509636.html
http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012020201001780.html
http://yro.slashdot.jp/story/12/02/04/1935248/

公取委が一度、違反を認定した事件で、全面無罪の判断を出すのは異例。JASRACが命令を不服として裁判の一審に当たる審判で争っていた。審決は裁判の判決に当たる。

http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012020201001780.html

あれだけ独禁法違反で真っ黒なのに,公取と一体どんな取引があったんだろう.

排除措置命令を取り消す理由は、「他の管理事業者の事業活動を排除する効果を有することを認める証拠はない」というもの。

逆に言えばJASRACが独占的立場を利用して(悪用して),他の管理事業者の事業活動を排除するような活動(いわゆる包括契約)をしていた」ということは認めたのかな.

「排除するような取引は行っていたし,排除する効果をも有していた.しかしその証拠を公取が公式には認めたなかった」というのは,「公取がもみ消した」というのと何が違うのか.

公正取引委員会独禁法違反にあたると指摘していたのは、JASRACが放送事業者との間で締結する包括契約の算定方法などが、他の著作権管理事業者の参入を阻害しているという点。「放送事業者が使用料の追加負担を避けるために、新規参入した管理事業者の管理楽曲の利用を回避した」という事実認定に基づくとしていた。

 この事実認定についてJASRACは、排除措置命令の妥当性をめぐる審判において、新規参入した事業者が放送の管理を開始した2006年10月1日以降、「実際には当該事業者の管理楽曲が繰り返し放送されていた事実があると指摘。その上で、この事実の裏付けとなる証拠を提出していた。

JASRAC以外が管理している楽曲が一曲でも放送されていたかどうか」なんて聞いてないはずなんだがな.

本来ならJASRACと他事業者との曲の比率が7:3になる時でも,「包括的契約」の追加負担をさけるがために,99:1になったりするのが問題なわけ.「他事業者の曲は,ただの一曲も放送していないという事実がある」とは最初から言ってないはず.これを見る限りJASRACの主張は完全に論点をすり替えてるんだが,なんで公取はそれを承諾したんだろう.またマスコミはその点について突っ込むような報道はしなかったの?

つまり、JASRACが管理業務を独占していたことで、放送局はJASRACに定額料金を支払っていれば「かけ放題」を維持できていたわけです。しかし、今ではJASRAC以外の事業者が管理する楽曲を流すと、追加で著作権料を支払わなければいけなくなった。

 放送局からしたら、ほとんどの曲はJASRACに登録されているので、追加料金を払ってまで新事業者の曲をかけようとは思わないでしょう。事実、放送局内部では「この曲はJASRAC管理じゃないのでかけないように」という通達が出回っていたりします。

 しかし、これでは公正な競争が行なわれず、いわばJASRACが放送局とグルになって、60年以上著作権管理業務を独占していたメリットをフルに利用しているとも言えますよね。これを元に公取は「JASRACが実質的に市場を支配している」と判断して、今回の立ち入り検査につながったのだと思います。

── 現在、JASRACのシェアはどのくらいですか?

津田 音楽著作権業務の取り扱い金額で見ると、99%以上がJASRACという状況です。

http://ascii.jp/elem/000/000/124/124864/

さらに、証人で出廷した放送局の関係者が、新規業者への使用料を追加負担と考えたことはなく、使用料を払うための部署も決めていたと証言した。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120203ddm041040178000c.html

そりゃ放送局は共犯だもの.共犯者に聞けば,JASRAC(と放送局)に都合の良い証言をするに決まってるじゃないですか.

普通に考えれば,共犯の証言は証拠として認められるわけないと思うんだが.なんでこんな人間の発言が証拠として認められたんだろう?

(訳5)「プロセッサごとのライセンス」は「マイクロソフト帝国裁かれる闇(下)」の「出荷台数ベースのライセンス」と同じものであり、83頁には、「その当時、フォービスは、マイクロソフトと出荷台数ベースでの契約を結んでいて、MS−DOS&ウインドウズのライセンス使用料として、出荷マシン1台あたり28ドルを支払っていた。しかし、『マイクロソフトは、本数ベースのライセンス使用料として、MS−DOSが23ドル50セント、ウインドウズが39ドル95セントという価格を提示してきました。』・・・」と記載されている。例えば、プロセッサとして「ペンティアム」を使用したパソコンの全出荷台数に1台当たりの使用料を掛けてMicrosoftに支払う金額を決めるもので、MicrosoftのOSが使用されていてもいなくても、全出荷台数×単価であり、異常な支払い方法である。これでは、他のOSを使用するだけ損であるから、OEM(パソコンメーカー)は全出荷台数にMicrosoftのOSをプレインストールすることになり、自然とMicrosoftのOSの独占状態がもたらされることになる。さすがに、「プロセッサごとのライセンス(出荷台数ベースのライセンス)」はこのファイナルジャッジメントの IV.C.で禁止された。

http://www.venus.dti.ne.jp/~inoue-m/at_doj_ms950821.htm#%EF%BC%88%E8%A8%B3%EF%BC%95%EF%BC%89