「運転手たちが明かす「EVタクシーはツライよ」」

http://wpb.shueisha.co.jp/2013/02/17/17127/
http://dotheadline.doorblog.jp/archives/23628830.html

「あきまへん。さっぱりですわ。売り上げも普通のタクシーの半分以下。とてもじゃないけど、EVタクシーは商売になりません」

なんと、鳴り物入りでデビューしたのに、わずか2年でEVタクシーの評価はガタ落ちしていたのだ。その運転手が続ける。

「とにかく電池の劣化が激しい。新車時は1回の充電で100km以上走行できたのに、2年後の今はわずか50kmほど。そのため長距離の客は断らざるを得ない。これでは売り上げが上がりません」

電池劣化とともに、急速充電にかかる時間も増えた。電池容量半分の充電で約15分から約40分と、倍以上になってしまったとか。

「しかも、頼りの急速充電スタンド大阪市内に8ヵ所しかない。そこまでの所要時間を足すと、充電に1時間以上もかかってしまう。充電は一日に6、7回は必要なので、それだけで計7時間近い時間がロスとなる。やってられませんよ」(運転手)

その車内を見渡すと、運転席周辺に使い捨てカイロがゴロゴロ。

ヒーターを入れると、電力が消費され、ただでさえ短い走行距離が一気に20kmも短くなってしまうんです。だから、ガマン。使い捨てカイロで暖をとっているんです。車内に毛布を持ち込んでいる運転手もいますよ」(運転手)

電気自動車は走行距離に制限があるので,導入されるのは決まった経路を計画的に巡回する近距離の配達業務専門の小型トラックくらいだと思ってた.事前に走る経路や発車時刻の予定が分からず,航続距離に制限のないタクシーには不向きだろう.*1

せめて充電はタクシー待ちのその場で,発車する直前までできるようにしてないとね.*2

http://b.hatena.ne.jp/entry/wpb.shueisha.co.jp/2013/02/17/17127/

  • id:geopolitics ケータイと同じでバッテリーは3年で交換だろうね。タクシーは酷使しそうだからもっと短くなるだろう。問題はスタンドが無いこと。誰がこの政策を決めたんだろう。まさか社会実験も民営化?

たしかに.

まさかと思って調べてみたら,橋下徹元弁護士/元大阪府知事の置き土産じゃね?*3

1台につき府から100万円、国から78万円の補助金が出るため、タクシー会社は1台のEVタクシーを割安価格の200万円で導入できました」(大阪府・新エネルギー産業課)

http://wpb.shueisha.co.jp/2013/02/17/17127/

当日は、たくさんの報道陣の方々が集まりました。

橋下 徹 大阪府知事はEVタクシーに乗って会場に到着されました! 

橋下知事は、「EVタクシー事業は知事としての産業政策の中心の1つであり、環境都市大阪の中核である」「EV事業でタクシーを利用するのが一番のPRとなる」「(大阪府EVタクシーの)日産リーフは乗り心地最高。一人でも多くの府民の皆さまに乗っていただきたい。」などと挨拶されました。

http://blog.evot.jp/index.php/archives/950

橋下知事肝いりでEVタクシーが大阪に導入され今朝のテレビニュースにもなっています。

気になるのはタクシードライバーへの取材でバッテリーへの発言。
急速充電でも30分はかかるから・・・

あれ?

普通のEVカーを導入してしまったのでしょうか。
なんとも無茶なことをされますね。

http://news1clip.blogspot.jp/2011/02/ev.html

http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2011/_STORY/110215-04-j.html

  • Wikipediaを見ると府知事の任期が2008年2月6日 - 2011年10月31日.
  • EVタクシー出発式が2011年2月22日.

橋下府知事の意志が反映されてないわけがない.


これも橋下政権下における負の遺産の一つのようだ.

  • id:takeishi 本当かなあ/あと急速充電しか使わない運用はどうかと。充電時間がもったいないとなるとマジでタクシー向きでは無いという結論になるが。

タクシーの性質からすると稼ぎ時帰宅ラッシュ時などの限られた時間帯にガンガン稼がなければならないので,おそらく急速充電しまくりでしょう.まさにそういう理由でタクシー向きではないのでは.

これが配達用だと「配達は何時間おきで一日何回.各の走行距離は何km」という計画が立てられるから,タクシーに比べると随分と楽になりそう.

ホテルの送迎用なんかもいけるかな.通常どのくらいの頻度で動くか分かるし,駅までの距離の往復くらいしか使わないから距離も読めるし,しかも通常はかなり短い.スムースな加速と静音性もそういう用途なら喜ばれる.電池切れで最悪駄目な場合は他の車を使うか*4,ごめんなさいすればいいだけ.

ハイブリッドは加速/減速時が中心で,巡航時にはバッテリーを使わないから比較的マシなのでは.一方の電気自動車は常時バッテリーに負担が来るから.*5その分だけ寿命が違う.またバッテリーが小さいので,仮に交換するにしてもEVカーのより安いみたい.*6

それにハイブリッドはバッテリーがへたっても,ガソリンさえあれば動けなくなることはないよね.単に燃費が悪くなるだけで.

  • id:komachiyo福島原発の事故もあり新エネルギーの期待はますます高まっている。このEVタクシーの人気もさらに高騰しているはず」に違和感。むしろ電気だけに頼らないほうがいいとオール電化の人気も下がってんじゃん。
  • id:sakuragaoka99 そもそも原発の存廃との兼ね合いはどうなの?補助金出してEV進めて、どんどん火力発電してたら、何をやってるか分からないような。
  • id:naoya2k EV暖房用の灯油ストーブを作るべきだしそれを内蔵したほうがいいんじゃないかと2年前から冗談で言ってるんだが。
  • id:lifeandbicycles 大阪の場合は通常のタクシーとは乗り場が別の場所ってのが大問題だと思うけど。
  • id:Hiro0138 電気自動車は『平均』で1充電300km走れないと使い物にならないだろうなと予想していたが間違いでは無かった感じだな
  • id:hayakawa_j うちの社有車リーフも市内限定だなw タクシーとして使うのはそもそも。。。

なるほどね.京都でも使ってるらしいけど,観光都市として京都市内の観光地限定で使う分にはそこそこ実用的なのかもしれない.

  • id:Tesh 電気自動車が発明されたのは1830年代。構造が遥かに複雑な内燃機関が主流になったのには相応の技術的理由があって、それをガソリン車が嫌いだ、と感情で無理に変えようとするとこうなる/他分野でも類例が見られる。

*1:しかもタクシーの場合は長距離ほど実入りがいいよね?長距離は使えないタクシーって一体...

*2:だからタクシー乗り場をリニューアルして充電スタンドを併設し,タクシー待ちのルールも変更する必要がある.

*3:またこいつか…….思いつきだけで発言するからなあ.

*4:まさか送迎用が1台限りってことはあるまい.送迎用以外の車だってあるだろうし.

*5:バッテリーのもちを良くするために,満充電をさけ80%くらいで止めるアルゴリズムくらい入ってるんじゃないだろうか.航続距離が問題にならないからできる芸当でもある.

*6:150万円 vs 20万くらい?