PC遠隔操作ウイルス事件の容疑者逮捕(その8)

いまさらだけどメモ.

警察が起訴したということ以外は,相変わらずニュースらしいニュースが無い.

「捜査が進展せず,決定的証拠がなにも無いので,警察は苦し紛れの起訴に及んだ」と言う所では.

「【PC遠隔操作事件】報じられない捜査の問題」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130327-00024083/

誤認逮捕の4事件では、警察はいずれもIPアドレスから脅迫メールの発信元となったパソコンを特定し、任意提出を求めたり、差し押さえを行った。逮捕前に、その所有者に対して任意で事情を聞いている。結局、4人の否認供述は耳を傾けてもらえず、2人は虚偽の自白に追い込まれたのだが、少なくともいきなり逮捕したわけではなく、一応はパソコンの確認作業が先行している。

「本件で、片山さんに一定の嫌疑があったとして、何故、同じように、片山さんの自宅からパソコンを押収し、その解析結果に基づいて、片山さんを任意で取調べなかったのかということです

警察は、片山被告を尾行し、スマートフォンをショップで売った際には、すばやく回収。だが、本人には逮捕の日まで任意の事情聴取は行っておらず、自宅のパソコン類が押収されたのも逮捕当日だった。

「答えは、本件に関する報道が教えています。片山さんの逮捕の前から、マスコミには片山さんが本件の容疑者であることが広く知れ渡り、警察が、マスコミに知られないで、片山さんの自宅からパソコンを押収したり、任意で取り調べたりすることは不可能な状況が現出していたからです」

本件では、まさに目に余るような事前の情報漏れがあった。

片山被告が外を出歩いたり、猫カフェで猫を抱く様子は、逮捕と同時に多くのマスメディアが報じている。こんなにもゾロゾロつけ回していたにも関わらず、片山被告自身はまったく気付かなかったようだ。

NHKによる盗撮など各メディアの取材は日を追うごとに過激になり、最終的にはかなりバレバレの尾行をする記者もいたという。

「結果的には片山容疑者が驚くほど鈍感だったのが幸いした。逮捕前の数日間、警察は大胆すぎる一部の記者にかなりいら立っていた。おそらく警察からすれば、最後は片山容疑者との闘いではなく暴走するメディアとの闘いだったはず」(某新聞社社会部記者)〉

逮捕すべきは情報を漏らした警察官と,迷惑行為に及んだマスコミなのでは.

「遠隔操作事件「検察と被告人の全面対決に」 落合洋司弁護士は「起訴」をどう見たか」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130324-00000302-bengocom-soci

「遠隔操作事件 容疑者の男を起訴」

http://www.47news.jp/CN/201303/CN2013032101002024.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130322/k10013382181000.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130322/k10013371691000.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130322-OYT1T00190.htm
「勾留期現が迫ったので,証拠不十分で起訴しました」的に見える.

パソコン(PC)遠隔操作事件で、日本航空機爆破を予告したハイジャック防止法違反(運航阻害)などの疑いで再逮捕された会社員片山祐輔容疑者(30)について、東京地検が同法違反罪などで勾留期限の24日にも起訴する方針を固めたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。

 片山容疑者はこれまでの調べに「事件とは一切関係がない」と一貫して容疑を否認しているが、地検は押収した証拠などから立証は可能と判断したもようだ。

 地検は、愛知県の企業のPCを遠隔操作したとされる最初の逮捕容疑についても処分保留としていたが、起訴する方向で検討しているとみられる。

http://www.47news.jp/CN/201303/CN2013032101002024.html

警察は押収した証拠について,一切公開してないんだよね.

もし本当に決定的な証拠が発見されていれば,容疑者と弁護士にそれをつきつけて自白を迫った方が有利だろうに,なぜそれをしない?最も可能性が高いのは,そんな証拠なんて何も見つかってないからだ.

片山被告は当初、取り調べや雑談に応じていましたが、取り調べの録音録画を合同捜査本部などが行わないことを理由に、先月19日以降、1か月余りにわたって取り調べに応じていません。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130322/k10013382181000.html

誤:取り調べの録音録画を合同捜査本部などが行わないことを理由に、先月19日以降、1か月余りにわたって取り調べに応じていません。
正:取り調べの録音録画を合同捜査本部などが行なうことを条件に、取り調べに応じるとしている.しかし合同捜査本部はなぜか取調の記録をかたくなに拒否している.

合同捜査本部は,何か知られると困ること,後ろめたい事実があるから記録を拒否していると見るのが妥当だろう.

パソコン遠隔操作事件で、東京地検は、偽計業務妨害容疑などで再逮捕されたIT関連会社社員・片山祐輔容疑者(30)を、大阪市のホームページに殺人予告が書き込まれるなどした計3事件で22日にも起訴する方針を固めた。

 威力業務妨害ハイジャック防止法違反(運航阻害)などの罪を適用する。4人が誤認逮捕された一連の事件で初の起訴となる。

 片山容疑者は先月10日、昨年8月に愛知県内の会社のパソコンを遠隔操作してインターネット掲示板に殺人予告を書き込んだ疑いで逮捕され、今月3日には、同時期に大阪府の男性のパソコンを操作して市のホームページに同様の書き込みをした疑いなど2事件について再逮捕された。地検は愛知県の事件は処分保留としていた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130322-OYT1T00190.htm

「四人を誤認逮捕された一連の事件で初めての起訴」って,すごい書き方だなあ.ろくな捜査もせずに四人もの人間を誤認逮捕した事件を起こしたのは警察だろ?


「PC遠隔操作:類似の別ウイルス確認」

http://mainichi.jp/select/news/20130323k0000m040154000c.html

パソコン(PC)の遠隔操作事件で、片山祐輔容疑者(30)の勤務先のPCから、一連の事件で使われた遠隔操作ウイルス「iesys.exe」と類似する別のウイルスが見つかっていたことが、捜査関係者への取材で分かった。「iesys」と同様に「C#」というコンピューター言語で作られており、他人のPCを遠隔操作するための機能があった。東京地検は22日、一連の事件で初めて同容疑者を起訴。警視庁などの合同捜査本部は残る事件の捜査を進める。

 捜査関係者によると、類似の遠隔操作ウイルスは押収したPCの解析で確認された。合同捜査本部は、片山被告が試作段階のウイルスを削除し忘れていたとみている。

普通に考えればウイルス感染の被害者であって,それ以上の意味は無い.

勤務先で試作した物を勤務先のマシンでテストしていたとでも?

事件に使われたレンタル掲示板サイトに動作テストのためとみられる暗号化された複数の書き込みがあった。IPアドレスを調べたところ、発信元は勤務先や都内のネットカフェだったことが判明。カフェには当時、片山被告が来店しており、発信元のPCがある個室を利用していたことも確認された。【小泉大士、喜浦遊、松本惇】

またIPアドレスだし,「暗号化された書き込み」とやらも,その内容については希望的観測の域を出ない.