「タブレットで教材DLできず 県立高34校」

どういう構成だったのかイマイチ明らかでないが,

佐賀県教委が今春の県立高校1年生から導入したタブレット端末で、全36校のうち34校で一部の教材ソフトがダウンロード(DL)できない不具合が発生している。技術的なトラブルのため学校単独での解決は難しく、県教育情報課が「想定外」としてソフトメーカーに調整を要請、不具合解消に乗り出している。

それは不具合じゃなくて「仕様」では.

想定外なのはそんなことも予測できない「教育情報課」のお前らの頭だ.まがりなりにも「教育情報課」なんてご大層な肩書きがあるのに,おつむのできが中学生以下ってのはどうなの.

  • 大容量コンテンツを一斉にダウンロードすればそれにどのくらい時間がかかるか,輻輳やらタイムアウトが起こらないかというのは真っ先に考慮すべき点.
  • 事前にダウンロードするかプリインストールしておくかはともかくとして,それはいの一番に決めることだよね?なんで今頃右往左往してんの?
  • 「ソフトメーカーに調整を依頼」って,調整する所を間違えてないか?普通の対策は1,事前にダウンロードしておく.2,回線を太くする/サーバーを強化する.のどちらかじゃないの?
  • 仮に速度的な問題がなかったとしても,ネットワークにトラブルが発生したらその日の授業はできなくなるんでしょ?一斉ダウンロードは非常にリスキー


ボトルネックが回線なのかサーバーなのかWi-Fiなのかはしらんけど,そういうトラブルは起こりえる物で,予想された事態.なんの対策も練らずに「想定外」とか言っちゃったりするのは,かなり恥ずかしい.*1

 県教育情報課によると、予定通りダウンロードが完了したのは、唐津工と鳥栖商の2校だけ。他の34校が採用している別の教材メーカー大手2社のソフトで、問題が発生した。親機となる教諭の端末を介して各生徒が自分の端末にダウンロードする手順だが、ソフトの容量が大き過ぎて授業時間中に処理が終わらなかったり、エラーとなって処理が中断されたりするという。

 武雄高は、国語、世界史、数学、物理など12本の教材ソフトを端末にダウンロードする予定だった。音声や動画ファイルが含まれる容量の大きいソフトなどは、50分の授業時間内に完了せず、そのまま待ち続けても最終的にエラーになったという。

 2社は主要科目を扱っており、学校によってはソフトを複数採用している。武雄高の場合、教材ソフト12本のうち、ダウンロード完了率は「3分の1程度」(同校)という。現在は、インターネットを使った調べ物学習や電子辞書的に使うなど限定的な利用にとどまっている。

 「生徒負担(1人5万円)で導入したため、予定通りに使われていないことは、保護者の方に申し訳ない。ただ、技術的なトラブルのため、学校で解決するのは難しい」と同校。佐賀市の致遠館も「授業時間をダウンロードだけに充てることはできない」とし、各校とも県教育情報課の対応待ちだ。

 同課は容量の大きいソフトを分割するなど、回線の負担を軽減することで対応するとし、「教材が予定通り配布されていないことは、反省している。18日から具体的に対応できるようになる」としている。

すさまじく頭悪すぎ.地方公務員なんてこの程度なんだろうか...



あと記者も記者だよね.こういう記事なら,コンテンツの容量と各回線速度くらいは明記すべきだと思う.なんでそこの所にツッコミ入れなかったのかな?記者の頭も,こいつらお馬鹿公務員と同レベルなの?

佐賀県ICT利活用教育の現場報告「デジタル教科書・デジタル教材のインストールが始まりました」

http://blogs.yahoo.co.jp/sagaict/64257557.html

  • 学校には深夜に県からメール
  • 当然、管理職がそれに気づくのは「朝から昼頃」
  • 現場の教員に連絡が回るのは夕方
  • 県が一方的に決めた実施開始時間までは40時間しか猶予がない
  • 急遽時間割変更を行う羽目になって現場混乱
  • インストールは授業時間内に、県・業者の作成した実施手順に従って、授業担当教師と生徒が自ら行う
  • 方法は、校内LANにあるvbsファイルを、教師の学習者用パソコンのSKYMENUで実行して、生徒のパソコンにインストール(またはフォルダを作ってファイルをコピー)するというもの
  • 実際にやってみると2〜3割の生徒は原因不明のエラーが出るなどしてインストールできず
  • 何度かインストール作業を試みるとインストールできるものもあるし、何度やってもダメなパソコンもある
  • トラブル対応に追われて、授業が終わると教師はグッタリ
  • ICT支援員と相談してインストール未完了の生徒への対応は続く
  • 県も業者もドタバタで、今回インストールされるのは授業で使用する教材の7〜8割程度にとどまる

来年度は業者がインストールを済ませた状態で、新入生に販売してください。(教師がインストール作業を行わなければなならないというのは、違うと思うのですが・・・。教科書会社との契約条件を見せてほしい)

ああ,これはヒドイ....

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.yomiuri.co.jp/it/20140502-OYT1T50111.html

  • id:sisya 授業がはじまってから生徒全員で本屋に出かけて教科書を買ったらどうなるか。それと同じでしょう。想像力が足りていない。
  • id:kaitoster 『生徒40人がダウンロードを完了するまでに8時間以上かかるケースもあるという』←「今から授業を始める。指定の教科書を近所の書店で買ってきなさい」と教師が突然言い出すのと同じレベルじゃないのこれ・・・。
  • id:kuracom これって授業始まってからテキスト印刷するくらいおかしな話ではある。あらかじめDLさせにゃ。
  • id:nanoha3 運用が場当たりすぎ。IT分かる人はいってない(もしくは発言権がない)のが明確。
  • id:kz78 つうか教科書くらいプリインストールして渡すなり、有線接続で母艦からコピーするなりやりようがあるだろうと思うのだが、DRMの関係でサーバからのDL以外不可とかそういうことだろうか
  • id:shaoran000 教材プリインストールしてないのか。
  • id: hungchang 「生徒が授業中に教科書会社のサーバーからダウンロードしようとしたが、授業時間(50分)内に終了しない事態が続いている」なぜプリインストールしていない。不具合以前の問題じゃないか。
  • id:mikawa_1964 必要なデータ(電子教材)がプリインストールされていなかったことに驚いている。新入生がそれぞれ、例えば家電量販店でタブレットを購入したんだろうか。学校や教委経由の一括購入だったらちょっとなぁ。
  • id:rgfx CPUやワークエリア、ストレージはスケールするけども、*あらゆるバンド幅はスケールしない(とても高くつく)前提で考えろ*ってことですよ。…で、クラウドがなんだって?
  • id:ardarim タブレットの不具合じゃねーよ。利用シーンを考慮しなかったシステムの設計ミスだろうが。アホか。
  • id:shimokiyo 仕事の進め方として典型的な失敗例だから、この大人たちのやらかした失敗の流れを生徒に説明してどうすべきだったかをディベートさせたらいい勉強になると思う。
  • id:gleam タブレット端末ってUSBメモリで配布とか、そういうことがしにくくて大量配布がめんどくさいよね…Windowsはそういうことに限ってはこなれてる気がする。

これはハード次第じゃないかな.SDカードくらいは使える端末もある.Wi-Fiの方が便利だから使ったことはないけど,インターフェースを絞り込んでるKindleでさえも「コンテンツをPCにダウンロードしてからUSBケーブル経由でインストール」はできたはず.*2ファームウエアアップデートでなら何度もやってる.


関係者は,その辺の運用も考慮して必要なハードを選定したはずと思いたい...

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2673484.article.html

  • id:m_uchino 想定外って便利な言葉だなぁ。
  • id:hidamari1993 そんな事よりマジで買わせたのかこれ。買えなかったり、かなり無理して買った人絶対いるだろ。
  • id:nowa_s 「この教材、数十kgあるけど、1階の用具置場から3階の教室まで各自で運んでね。今すぐ」とかはどんな段取り悪い教師でもやらないだろうに、目に見えないものってやっぱ想像しにくいのかな
  • id:souki_e データが4GBと考えて無線LAN54Mbpsで落とすと仮定すると10分近くかかるわけで…それを40人近くでするとか考えたらぞっとする(´・ω・`)一度試していたら防げた気がするなー、これ。

http://www.fmworld.net/biz/fmv/support/fmvmanual/arrows/q584h.html

  • id:totoronoki IEEE1394を搭載していたら良かったのにな。「はーい、じゃあ隣の人とケーブルをつないでデイジーチェーンにしてください」みたいな。そして誰かが途中で抜くという……。

http://b.hatena.ne.jp/entry/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140502-00050111-yom-sci

  • id:agathon インパール作戦で「牛に荷駄を運ばせてつぶして食料にもする」とか机上の空論の作戦を立案した大本営の秀才さんたちのことを思い出した。
  • id:koubemise 納品時点で業者に入れさせとけよ。教員って本当に頭が悪い連中ばかり。
  • id:emmie714 それ、タブレットの問題じゃないし。サーバーと回線の帯域保証もセットだったんですかね、そんなわけないですね、はい。
  • id:kamayan1980 済んだ話だから「最初から分かってたこと」になるのであって、最初は分からんて。ところで、佐賀が学問で話題になるのって明治維新以来じゃなかろうか。

いんや,これは常識レベル.仕事でやってるんだから,「知らなかった」では済まされない.責任者はクビだな.

http://b.hatena.ne.jp/entry/blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1795613.html

  • id:MarriageTheorem 例によって「やらないよりはまし」的なコメントがあるけど、それは事前に十分予測可能だった問題を放置する免罪符にはならない/最低限の問題検討もせず「やりたいからやってみた」は革新ではなくただの迷惑行為

激しく同意.

ひょっとしてpdfリーダーとか電子書籍リーダーとかファームウエアアップデートとかもバンバンダウンロードして,そのせいもあってさらに遅くなってたりする可能性もあるかも.*3


...ところで仮にもWindowsなら,初回アクセス時にはWindows Updateを走らせないとダメだよね?

  • id:ruisou 教育するべきは生徒ではなく教師だったという話。
  • id:houyhnhm どう考えても回線のせいです本当にありがとうございました。GBクラスをダウンロードするとそりゃ時間かかるよ。ちなみに、金かけたテストしないとこの不具合はテストで見付かりません。経験で分かるけどさー。
  • id:strawberryhunter 生徒6800人、教材1GBと仮定すると50分間に6.64TBの転送が必要。即ち業者側は理論値で2.27GB/sのディスクと回線が必要。中継する教師のPCは生徒40人で13.65MB/sの性能が必要。理論値でさえ、これは結構ハードルが高いと思う。
  • id:aquarla 中学校のサイト運用してて、授業で生徒が一斉にアクセスしたら高負荷でサイトがダウンして、クレームの電話かかってきた経験ある…
  • id:teebeetee これ納入業者のデモとかリハーサルの時には、ちょっと喋ってる間にDL終わって安心してたのかなあ。どうしたらこんなことになるのか想像つかない。数枚の資料ですら会議始まってからDLなんてしないのに。
  • id:SyncHack 愚者は経験から学ぶしか無い。歴史が浅いなら尚更。DRM絡みで毎回サーバー接続を強要してるようだと不味い仕様のような気はする。授業を始める時間は一斉なのでDoS攻撃に近いかもなw
  • id:dokatta 東京でやらかしたらマスコミが大騒ぎして今頃教育委員会と業者が土下座会見を開いてただろう。田舎でよかったよかった
  • id:amanomurakumo 「36校中34校で発生」。残りの2校がなぜセーフだったかも報じてほしい。
  • id:kohgethu 世間知らずの先生様方に、インターネットの仕組みを理解出来るとも思えないよなぁ、と、女の人だらけだった以前の職場でのネット接続のごたごたを思い出しながら思う。
  • id:ynakajima 「はい、では今から授業をはじめます。まずは教科書を本屋で買ってきてくださ?い。」
  • id:yamigome 疎い高校側もダメなんだけど、こういうのは受注したSIerが責任を持つべき。つーかモノだけ売って何もしてなかった感が。

たぶんそういう契約になってないと思う.もし入ってたら不具合云々なんて報道にはならないから.

  • id:rindenlab 原因はちゃんと伝わってるのかな? タブレット本体の性能のせいになってたりしないよね…

ははははははは.まさかねー.orz

後日談

不正コピー対策で遅れ

 佐賀県教委が鳴り物入りで県立高校の授業に導入したタブレット端末だったが、電子教材を取り込めないトラブルが相次ぎ、授業の準備作業が予定より1か月も遅れた。

 原因を探ると、電子教材における著作権の問題が浮かび上がった。

 県教委によると、教材データの取り込みは当初、DVDやSDカード、USBなどを生徒一人一人に配る予定だった。福田孝義・副教育長は「記憶媒体は簡単に持ち運びができ、端末の容量が重くなることもない。使い勝手が良いと判断した」と振り返る。

 ところが、それに「待った」がかかったのは昨年11月。電子教材を扱う業者側が「記憶媒体に取り込んだ教材は不正にコピーしやすく、著作権が侵害される恐れがある」と指摘し、記憶媒体を使うには「不正コピーを防ぐ技術を記憶媒体に施すこと」との条件を出してきた。このため、県教委では、不正コピーを防ぐ技術を研究したが、時間的な問題もあり、今年2月になって断念。結局、業者側のサーバーからデータを端末に直接ダウンロードする手法に切り替えた。各学校に伝えられたのは、入学式を間近に控えた3月下旬だったという。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20140608-OYT8T50021.html

ここで見直しもせずにデスマーチに突入しちゃったのは悪手だったと思う.

そもそも,そんな基本的な問題が,そんな直線になるまで決まってないってどういうことなの.

 その結果、県立高校36校のうち34校で、電子教材が端末に取り込めないトラブルが発生。全ての電子教材の取り込みが終わったのは5月23日で、当初の予定より1か月余り遅れた。

 「準備不足と言われても仕方がない状況だった。タブレット端末を使う生徒は来年度は1、2年生、再来年度は1〜3年生と年々増えていく。同じ過ちを繰り返さないためにも、できるだけ早く、著作権の課題をクリアしたい」。来年度以降の見通しを問われた県教委の幹部は厳しい表情で語った。

 今回のトラブルを教訓に、来年度以降の電子教材の活用に向け、県教委は6月から、記憶媒体の活用検討を本格化させる。業者側との協議も始め、同時に、不正コピーを防止する技術の研究にも再度、着手する。

 また、県教委は、主要5教科(国語、英語、数学、理科、社会)を含む計10教科それぞれに、指導力が高く、情報通信機器に精通した教員5人で構成する電子教材の制作チームを設置。自前の電子教材を制作することで、著作権の問題の解決に一定の道筋を付けたい考えだが、少なくとも3年はかかる見通しだ。

 教材業者らでつくる一般社団法人「教科書協会」(東京)の担当者は「電子教材に関連する著作権の取り扱いを巡っては、法律や制度で明確に定められた規定はなく、教科書業者も手探りなのが現状。解決には時間がかかる」との見方を示している

http://yro.slashdot.jp/story/14/06/10/042223/

*1:例えばこんな警察患部.「IPアドレスが判明すれば、捜査は半分終わったようなものだと思っていた。想定外の事態ですよ。」 http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1735003.html

*2:たとえばPaperwhiteだと,充電兼用のマイクロUSB端子しかない.他にインターフェースと呼べる物はタッチパネルと電源ボタンのみ.

*3:Kindle Fire HDでも,購入後に最初に動くのはファームウエア・アップデートだった.