「労働時間規制の除外、IT技術者も対象 厚労省検討 」

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO81991820W5A110C1EE8000/

厚生労働省は時間ではなく成果に賃金を払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」の対象にシステムエンジニアなどIT技術者や投資銀行員を加える検討に入った。これまで議論してきた株式ディーラーなどから対象を拡大する。メリハリのきいた柔軟な働き方を広げ、国際的にみて低い労働生産性を引き上げる。

年収1千万以上のみを対象とするというなら,まあアリかな.*1

ただし,そうすると日本のIT技術者の99.9%以上が対象外になりそうだが.


他に明確なJob Descriptionを定めることとか,出社時間/退社時間を企業側が取得しないこととかも重要.そうしないと表向きは勤務時間はチェックしないと言っておきながら「残業時間が少なすぎるから頑張ってない」と文句を言われるようになるのが目に見えてる.Job Descriptionさえない現状では,対象者はさらに少なくなるだろう.

あと日本企業では「プログラミングについては,その性質上,裁量性の高い業務ではないので,専門業務型裁量労働制の対象業務に含まれないと解される。」という判例もあるそうなので*2プログラマやテスターなども,上記で言う(狭義の)「IT技術者」には含まれないだろう.

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.nikkei.com/article/DGXLZO81991820W5A110C1EE8000/

  • id:theatrical 生産性が低いのは残業代が出るからではなく、生産性を適切に評価し、それに見合った報酬を与えられていないから。そういう適切な評価システムが無いまま、残業代をなくすなんて労働者がくいつぶされるだけ
  • id:sawarabi0130 下請中小SIerのSEは職務の範囲が明確じゃないし、年収1075万円以上どころかその1/3から多くて1/2くらいだ。
  • id:B-108 深夜までこうこうと電気がついているのにも関わらず、だれもベンツやBMWに乗っていないところを見ると、この話題に関係のないPG、SEがほとんどなんじゃないか?年収1075万円以上云々以前に。
  • id:cisumon SEは成果報酬じゃない。新しくしたサイトの売り上げが倍になって会社全体の売り上げが数十パーセント増えたのに、給料は18万円で1年経ったら辞めさせられたからな。
  • id:t_yamo 年収1000万超えているSEはそもそも労働基準法上の管理監督者である可能性が高いので実質何も変わらないような。そして全体の労働生産性を形作るのはそれを下回る収入の人たちに依る気がするので利点も特に無いような。
  • id:sin20xx 1075万円以上の報酬が支払われるITエンジニアというのは、既に執行役員クラスじゃないのかと…。年収制限をきっちりつけるならいいけど、年収制限が特定職種のみ除外されるような事はあってはならない。
  • id:Ashburton 「1075万円以上とする年収基準や、対象の職種を省令で示す」実はここが一番大事なところ。年収基準も対象職種も厚労省が省令を出せば変更できちゃう。
  • id:IkaMaru このザマでまだ1000万円の壁が死守されると思ってる人はどこの異世界の日本に住んでるのだ
  • id:Lhankor_Mhy どうせその年収制限は政令とか省令とかで定められてて、国会を通さずに内閣だけで引き下げができるんだろ?
  • id:madamada さぁ次は500万以上だ
  • id:tikani_nemuru_M 何度も書いてるけど、派遣労働だって導入当時はプロフェッショナル限定だったんだよ。今どうなっているかみなさま御存知の通り。いったん導入されたら、将来的に労働時間規制はなくなると覚悟するべき。

経団連には前科があるし,全然笑えない.

「年収は1001万円です.」
「ただし,そこから『社宅』(と称した築ン十年,4畳半一間,風呂トイレ共同の集合住宅)の家賃が600万円天引きされます.」
「遅刻した場合は罰金10万円です.」
みたいなブラック企業が出てくるだけかもしれない.

  • id:arajin 「医師や通常の営業職は顧客や患者の都合に合わせて働くことが多い。厚労省はいずれも労働時間の規制が必要と見て、新しい制度の対象としない。」IT技術者もこれに該当するだろ。

してないよ.

もししてれば,1日48時間労働なんて起こるはずがない.

*1:もちろん違反した経営者は厳罰に処すのが大前提でな!

*2:http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20111201/p1