「グーグル:東大で「青田買い」 AI技術流出に日本危機感」

http://mainichi.jp/select/news/20150402k0000m020147000c.html
メモ.

「優秀な学生を紹介してほしい」

 米IT大手グーグルの役員ら約40人が東京大学本郷キャンパスを訪ね、人工知能(AI)を研究する大学院生らのリクルートを始めたのは数年前のことだ。学生たちに提示した条件は年収約15万ドル(約1800万円)で、日本のサラリーマンの平均年収の4倍以上。豊富な資金力で研究に不可欠なスーパーコンピューターへの投資も惜しまず、世界最先端の研究者たちと切磋琢磨(せっさたくま)できる環境もある。松尾豊・工学系研究科准教授は「優秀な学生から引っ張られていく。国内産業の将来を考えると日本にとどまってほしいが、行くなとは言えない」と話す。

それの何が問題か分からない.

この不景気な中で雇用が増えるんだもの.いい話じゃない.

 グーグルは、2013年にはカナダ、14年には英国のAI企業を買収するなどの動きも活発化させている。その狙いについてグーグルは「よりよい社会、世界の実現を目指す」などとしているが、経済産業省幹部は「ものづくりでも覇権を握ろうとしているのではないか」と警戒する。

 AIは近い将来、ものづくりのさまざまな分野で心臓部になるとされる。自動運転の分野では、車載カメラやセンサーなどが検知した歩行者や信号、道路、建物などの車外情報を運転者に代わって判断し、自動のブレーキやハンドル操作につなげる。誤作動なく車を動かすにはAIの性能が大きく左右する。今後、市場が急拡大するロボットでも操作の中核を担う。

 実際、グーグルは自動車分野に触手を伸ばし始めた。12年春には、トヨタ自動車に自動運転技術の共同開発を打診。世界のITと自動車の巨人同士が手を結ぶかに見えたが、「トヨタが目指すのはあくまでドライバーのサポート。無人運転を目指すグーグルとは自動車への思想が違った」(トヨタ幹部)ことから提携交渉は頓挫。これを受け、グーグルは米国トヨタの自動運転開発のメンバーを複数引き抜いた。

 グーグルだけではない。自動運転への参入がうわさされる米アップルは最近、日産自動車の北米開発チームの現職マネジャーを引き抜いた。独自動車大手は、東工大の長谷川修准教授が設立したAIベンチャー「SOINN(ソイン)」が開発した、自動運転の実用化ソフトを取り込む計画だ。

自動運転市場は30年に約20兆円、ロボット市場は35年までに国内だけでも10兆円に成長すると見込まれる。それだけに、経産省幹部は「AIを握られれば、強みのあった業界の勢力図も一変し、日本が『下請け工業国』となりかねない」と、人材と技術の流出への危機感を募らせている。

危機感なんてあるのかな.

もし本気なら待遇改善するでしょ.やらないってことはその気がない,本気で引き留める気がない,自社にその人が欲しいと思ってないってこと.悲しいけどそれが現実.



それに日本企業は重鎮連中がハッキリ言ってたじゃないか.技術力は必要ないと.

学生からは、「コミュニケーション力が必要というのは他の業界も一緒であって、IT業界に固有のものとして、例えば、プログラミングの知識を求めていないのか」という質問も出た。それに対しては、浜口氏、岡本氏ともに、「プログラミングの技術はあった方がいいと思うが、なくても構わない」という回答。もう少し書くと、「プログラミングは入社後にトレーニングすれば問題ない。SIerの業務の中では、いろいろな役割の人が連携して仕事をしている。みんながプログラムを書いている訳ではないので、入社後のトレーニングで適正がないと分かれば、プログラミングをあまり必要としない仕事をやってもらうこともできる」というような回答だった。

僕は、この話を「とりあえず会話ができそうな人をたくさん採用するので、そいつらを鍛えてみて、使えるやつだけ残していくよ」というような意味合いに取ったのだけど、本当のところはどうなのだろう。

ITを専攻している学生達からは、「就職時にITスキルが問われないのだとしたら、大学でやっていることには何の意味があるのか」という質問が出ていたのだけど、明確な回答はなかったと思う。その人たちは、ちょっとショックを受けていたような気がする。

http://d.hatena.ne.jp/itoyosuke/20071101/1193932945

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20071102/p1

http://b.hatena.ne.jp/entry/mainichi.jp/select/news/20150402k0000m020147000c.html

  • id:ahmok 優秀なエンジニアがいればいっぱい儲かるんだったら、いっぱいお金あげるのが市場原理って奴で、優秀なエンジニア使っても儲けられない経営者とか退場していいし、儲けをせしめちゃう技術者にナマポする経営者とかー
  • id:houjiT >危機感を募らせている 理由がはっきりと出てくるのにただ「やべぇ」と思うだけ。何が起ころうが給料を上げてなるものかという強い意思を感じる
  • id:hokuto-hei 危機感を感じたのなら金出せよ。
  • id:IthacaChasma 危機感だけ持ってても事態は何も変わらなくて、優秀なエンジニアに高給を出すことが必要って話。日本の企業ってこういう「特別扱い」が苦手だよね。
  • id:blueboy 技術者に金を払うか、世界競争に負けるか、どっちかを選べと言われたら、後者を選ぶのが日本企業。家電業界を見ればわかる。トヨタGoogle の、日産は Apple の、下請けになればいい。/ 参考記事: http://j.mp/1GikXLV
  • id:kmzw そりゃ〜税金つぎ込んだ先端技術を吸収した実が安値で並んでたら買いに来るのは当然でしょ。単に日本企業に先端技術を評価する文化と仕組みと能力が無いだけなんじゃ・・・。
  • id:yoshihiroueda 今まで待遇が悪くても日本企業に就職していたというのが間違っていたと考えた方が良い
  • id:k_oniisan そりゃ、野球やサッカーのトッププレイヤーが米や欧に行くのと同じだね。嫌なら魅力ある労働市場を構築しないと。
  • id:oskimura G型大学ってこういうことでしょ?
  • id:bullet7 報酬の問題より才能を活かせる企業が日本には少ないのが問題でしょ
  • id:uunfo 日本の企業も匹敵する待遇を用意すればいいだけなんじゃないですかね…
  • id:hylom 給料高いし肌に合わなかったとしても元Googleという肩書きは転職の損にはならないしそりゃGoogle行きますよ
  • id:naka-06_18 良いこと。黒船的発想になっちゃうけど、これで技術者の (最低限 AI関連の) 日本人国内給与があがると良いね。
  • id:theatrical Googleに文句言うんじゃなくて、Googleに比肩できるような待遇を目指すべきだし、そういう支援を国がすべき。そもそも、一個人に対して「国の為にとどまってほしい」みたいなナショナリズムが気持ち悪い。
  • id:yusakuhamajima 地方と同じ構造ですね。戻ってきたくなるような場所を作っておけばいいと思う。

「東大合格者7割、入学辞退 日本最難関「滑り止め」に」

http://www.47news.jp/CN/201503/CN2015032801001115.html
ついでにメモ

主に外国人留学生を対象に、受験も授業も英語で行う東京大教養学部英語コース(PEAK)への合格者の入学辞退率が年々高まり、2014年度合格者(同年10月入学)の7割近くが東大を蹴って外国の有力大に進学したことが28日分かった。文部科学省が日本の主要大学の国際化を急ぐ中、最難関大が「滑り止め」にされる現実は、優秀な留学生獲得を目指す世界の大学間競争の厳しさを示しており、関係者は危機感を募らせている。

 英語で行われている授業の選択肢が限られ、奨学金制度も欧米の有力大と比べると手薄なことが原因とみる声が学内にはある。東大は奨学金制度の拡充などを急いでいる。

同じ英語で講義をやるなら,日本に来るメリットが無いということか.

辺境社会研究室「Googleが東大院生を15万ドルで「青田買い」することについて」

http://youkoseki.tumblr.com/post/115454585310/google-15
ついでにメモ.