Kindleと英語について,ちょいメモ

大したことじゃ無いしKindleユーザーなら既に当たり前に知ってることだと思うけど,毎回同じこと書くのがメンドイし,新HD 10が発表されてちょうどいい機会なので独立した項目にまとめておく.

Kindle Paperwhiteには英英,英和,和英などの無料辞書がおまけで付いてきて,単語を長押しすれば,その訳がポップアップして表示される.*1

ただし固定レイアウトの(つまりスキャン画像の)書籍の場合はこの機能は利用できない.洋書のペーパーバックや技術書の場合は固定レイアウトは滅多にないが,購入時は注意が必要だ.逆に日本の技術書の場合はいまだ半分くらいが固定レイアウトだが,日本人が技術書で辞書を引く必要性は少ないので,その点については大きな問題ではないだろう.*2
固定レイアウトの書籍の見分ける方法だが,最近のKindle書籍では固定レイアウトの物はそう書いてあることが多い.

たとえばこの書籍の場合,

※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
 購入前にお使いの端末で無料サンプルをお試しください。

のような但し書きがある.またサイズが400ページで「90,490 KB」と大きめなのも特徴だ.


の場合では,倍以上の840 ページで「18,063 KB」だ.*3

上記書籍が削除されてたので追記.

この例だと「528ページ」で「13257 KB」だ.



この他に「プリント・レプリカ」というのもあるそうだ.PDFみたいなものと思って良い.*4

Kindleプリント・レプリカ本は、紙の本と同じレイアウトや表示を実現しています。また、ページを拡大してもくっきりとした美しい文字を表示することができます。教科書や専門書などの本に適しています。Kindle本と同じ機能も提供しています:

  • メモとハイライトの追加
  • ページの拡大
  • ページのサムネイル表示

注: 文字列の検索、辞書の参照などの機能は使用できません。

ということだが,検索や辞書の参照ができない,大画面のデバイス必用なのにKindle for PCで使えないなど,技術書としては致命的だと思う.通常の固定レイアウトと同様に,ほぼ使い物にならないと思っておいていい.

プログラマのための論理パズル 難題を突破する論理思考トレーニング

プログラマのための論理パズル 難題を突破する論理思考トレーニング

Pro Spring (English Edition)

Pro Spring (English Edition)

とりあえずこの本以外では見たこと無いので,かなり珍しいものだと思う.Apressはまともな本が多いんだけどなあ.なんでコレだけ.
新装版 リファクタリング 既存のコードを安全に改善する

新装版 リファクタリング 既存のコードを安全に改善する

リファクタリング」もプリント・レプリカになってる.


次の場合だと,

3版は376ページの固定レイアウトで159,122KB.4版は424ページで一応リフロー版だけど,それでも78,276 KB.まだまだデカいな.巨大な画像を含んでるからだろうか.


さらに特殊な例としては

ゲームエンジン・アーキテクチャ 第2版

ゲームエンジン・アーキテクチャ 第2版

※これまで固定レイアウト版として配信していましたが、リフロー版にアップデートしました。

のような場合がある.


いずれにせよ念のためサンプルをダウンロードして確認するのも忘れない方がいいだろう.サンプルをダウンロードして,

  • ハイライトができる.
  • 目次がハイパーリンクになっている.
  • (ページ全体ではなく)文字の拡大縮小ができる.
  • 単語を選択すると,ポップアップ辞書が表示される.

のいずれかが実行できれば通常の書籍だ.固定レイアウトではいずれもできない.

逆に,

  • ピンチアウト/ピンチインでページ全体が拡大/縮小される.
  • 拡大状態で画面を上下左右にドラッグすると,ページ全体が上下左右に移動する.

のが固定レイアウト書籍の特徴だ.


日本人が利用する主な辞書はこんなところだろう.

  • プログレッシブ英和中辞典
  • プログレッシブ和英中辞典第3版
  • Merriam Webster's Advanced Learner's English Dictionary
  • The New Oxford American Dictionary
  • Oxford Dictionary of English
  • 大辞泉 (Daijisen Japanese Dictionary)

他にもドイツ語,スペイン語,ロシア語,中国語など様々な言語の辞書が,同様に利用できるようだ.使える辞書はKindleの種類や,同じPaperwhiteでも世代によって異なることがある.上記辞書は第二世代でも利用できるものなので,今から購入するユーザーならこれより多くなることはあっても少なくなることは内だろう.


プリインストールされてるのは,このうち「The New Oxford American Dictionary」と「Oxford Dictionary of English」の二つだけだと思う.他は以下のような手順でダウンロードしてから利用する.

  1. 単語の長押しから出るメニューを通じてダウンロードさせる.
  2. Amazon.co.jpKindleストアを開き,右上のメニューより「コンテンツと端末の管理」 → 表示の「辞書及びユーザーガイド」を選択.辞書一覧が表示されるので,必要な辞書をチェックボックスで選択し,「配信」ボタンを押下→端末を選択して「配信」を押下.

細部は変更されるかもしれないが,大枠はそんな感じのはず.



参考までに上記Kindleで使える(英語)辞書の紙版の商品リンクを上げておく.版が変わってるかもしれないが,だいたいこれであってるはず.

プログレッシブ英和中辞典[第4版]並装

プログレッシブ英和中辞典[第4版]並装

小学館プログレッシブ和英中辞典

小学館プログレッシブ和英中辞典

Merriam-Webster's Advanced Learner's English Dictionary

Merriam-Webster's Advanced Learner's English Dictionary

New Oxford American Dictionary

New Oxford American Dictionary

Oxford Dictionary of English

Oxford Dictionary of English

大辞泉

大辞泉

他にもこんな辞書が利用できるようだ(抜粋)

  • Oxford English - Spanish Dictionary
  • Oxford German - English Dictionary
  • Dicionário Priberam de Inglês-Português
  • 现代汉语词典 (Xian Dai Han Yu Ci Dian)
  • Real Academia Española el Diccionario de la lengua española


他に有料の英英辞典だとこれが有名.

ただし癖が強いので,初心者にはお勧めしにくい.初心者なら上記「Merriam Webster's Advanced Learner's English Dictionary」の方がいいだろう.


技術書を読むには画面サイズの大きいFire HD 10(又はHD 8インチ)も良いと思うが,上記英語辞書への対応がPaperwhiteより弱いかもしれない.
Fire HD 10 タブレット 32GB、ブラック(第5世代)
Fire HD 8 タブレット 16GB、ブラック
新型は改善されてる可能性もあるが,いずれにせよ購入するまでは不明.ヒトバシラーの報告待ち.

容量についてはmicroSDで追加できるのだが,書籍についてはmicroSDへの保存は不可能らしい.以前と違って容量を食う動画などをmicroSD側に追い出せるので昔よりはマシになるけど,可能なら32GBモデルを選びたい所だ.とくに固定レイアウト書籍やマンガを中心に使う人だと32GBを強く推奨.


追記:(一部?)可能になったらしい.要確認ということで.

Fire HD 10 タブレット 64GB、シルバー(第5世代)
64GBモデルは発売終了?たしかにマイクロSDに保存できるのなら必要性は低いけどな.そっちの方が安いだろうし.金に糸目を付けない金持ちならiPad Pro でもなんでも好きなのを買えば良い.

さらに追記:2017年 Kindle Fire HD10の新モデルが発表された.
http://japanese.engadget.com/2017/09/19/fire-hd-10-1-4980-hd/

Fire HD 10 タブレット (10インチHDディスプレイ) 64GB

Fire HD 10 タブレット (10インチHDディスプレイ) 64GB


なお固定レイアウト書籍の場合だとPaperwhiteではほとんど閲覧不可能な場合もあって,この場合はFire HD 10の方が断然良い.それでも数々の不便が避けられないので,固定レイアウトだと電子書籍にするメリットなどほとんど消し飛んでしまうのだが.

PC WatchAppleiPad Pro」で電子書籍を試す」

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ebook/20151120_731505.html
ついでにメモ.

またもう1つ、本製品の購入を考える上で避けては通れない問題が「価格」である。もっとも安価な32GBのWi-Fiモデルですら94,800円という価格は「電子書籍のためだけ」や「Webを見るためだけ」など、個人ユーザーが1つの目的を満たすためだけに購入する品としては、いささか値が張りすぎる。品質的には文句のつけようがないとは言え、実際にこの製品の購入に至るか否かは、別売りのペンやキーボードの活用を始めとして、モトを取るための用途をいくつ見出せるかが肝となりそうだ。

いくら画面大きくて高性能とはいえ、Fire HD 10 の約3倍の価格はちょっとね.お金持ちなら悩まず買っちゃうのかもしれないけど.

*1:Paperwhiteも既に第三世代に入ってるが,(固定レイアウトではない)技術書を読む分には大差ない.容量も4GBで問題ない.しかしUIが改善されてたり,ファームウエアアップデートのサポート期間が異なったりするだろうから,どちらかと言えば新しい世代の方が良いんだろう.普通はAmazonから直接購入するので最新型以外は有りえないけど.
逆に固定レイアウト書籍の場合は,自分だったら後述するようにFire HDにする.

*2:それ以外の容量や操作性,パフォーマンスの点については大きなデメリットがある.自分は技術書を固定レイアウトの電子書籍で購入するのは可能な限り避けている.それなら紙版の方がまだマシだ.

*3:本の大きさ,ページ数,図の数,文字数などによっても容量は変わるので一概に「何十MB以上なら固定レイアウト」という基準が示せるわけではないが,例えばこのような分厚い技術書などでで30〜50MB以上,小さい文庫本などでは10MB以上くらいに考えておけば,当たらずといえども遠からずだろう.

*4:というか,内部的にはPDFリーダが起動してないか?