通勤電車での不愉快な経験は誰のせい?

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きっと不況でサラリーマンの懐が苦しくて、皆、気が立っているのだろう。弱者・貧困者の苦しみはこの比ではあるまい。

この中には,「自分は強者で,弱者や貧困者などとは無縁だ」という奢りが感じられる.そのくせ,

私の考えでは、すべての元凶は、小泉政権が真っ当な「景気対策」をしないからである。

と景気に関してまるで他人事のように捉えている.
たしかに政府の景気対策によって景気を左右することもあるが,経済の主役は政府ではなく,一般の国民である.政府がどう動こうと,できることなどたかが知れてる.それに現在の問題は構造的な物が大きく,いわゆる『景気対策』のような小手先の対応ではこれには対処できない.

政府は「教育が悪い」「親が悪い」「外国人犯罪者が悪い」として、自分の責任を他に転嫁し、大マスコミもそれをそのまま垂れ流しにしている。これでは世の中がおかしくなって当然だ。

この部分はまるまる次に置き換えられる.

『国民は「政府が悪い」「バブルが悪い」「外国政府が悪い」として、自分の責任を他に転嫁し、大マスコミもそれをそのまま垂れ流しにしている。これでは世の中がおかしくなって当然だ。』
実際に東京に来て思うことは,東京の店舗は商売が下手だということだ.ものを売って金を稼ごうと言う意欲や創意工夫がまるで感じられない.これではおかしくなって当然だ.むしろよく今まで倒産しなかったものだと関心する.

自殺に追い込まれた人々の気持」が分かる人に上に立ってもらいたいが、それは現状では「夢のまた夢」だろう。。。

私は自殺に追い込まれた人々の気持ちが痛いほど理解できる人だが,それだけに自分の責任を他に転嫁する,こういう他力本願な人間には怒りさえ覚える.

国民の心が荒んでいるのはありうることだ.だからと言って過去を美化し,もう二度と蘇ることはない(或いは元から存在しなかった)「古き良き時代」を懐かしみ,政府に対する愚痴を不満のはけ口としていても何も変わらない.むしろそういう人には経済の舞台からさっさと降りてもらいたいくらいだ.後に続く人の邪魔になる.*1

*1:実は若手としてみれば,これが現在の閉塞感を作り出している最大の要因だったりする.努力して成果を出した者が報われるのが成果主義のはずなのに,実際には何も成果を出していない年功序列の権化の老人が,そこに上司として存在する.しかも彼ら自身には成果主義は適用されず,されてもごく限定的で,たとえ大失敗して大赤字を出しても責任を問われることも,その地位を追われることもない.どれだけ赤字を出しても自分の地位は安泰だと思っている老人が行う名ばかりの『成果主義』に,一体何が期待できようか?