22人の編集長が展望する2006年

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060104/226852/

2005年秋には、東京大学情報工学関連の学部が定員割れになるという“事件”も起きています。定員120人に対し2006年4月から授業を受けるのは、わずかに84人。ITに対する学生の関心が急低下していることを象徴する出来事です。事実、経産省が主催する情報処理技術者試験の受験者数も年々、減っています。IT技術者は3K職種」と言われる実態を、いつまでも放置しておくわけにはいきません。

新年そうそうこれですか.でもこれは変わらないだろうね.IT業界の問題の本質は,日本企業に巣くう官僚主義や日本的経営手法にまで辿り着く.現状の経営を変えない限りは何も変わらない.*1

反面教師*2と見られるのが2005年末、建設業界で明らかになったは耐震強度偽造問題。あまりにもずさんでひどい事件であり、制度に問題があることが露呈しましたが、「露呈しただけまし」とも言えます。設計審査機関が存在せず、一級建築士のような存在もいないIT分野では*3、表面化すること自体が起きないからです。

ここまではまあいい.

まずはきちんとした契約書やSLAを結ぶことが第一歩になるでしょう。

なんで,そこでこうなるかな?発想がまるで逆ですね.それは官僚主義そのもので,それでは問題は何も解決しない.
それに,偽造問題でも契約書はあったわけですよね.でも問題は発生した.しかも会社自体が(計画)倒産すれば損失は一切補償されないし,たとえされたとしても現在住んでいる方々が不利益を被ることには変わりない.契約書は被害が発生した後に損害賠償を請求したりするには役立つが,トラブルを未然に防ぐ力にはなりません.

トラブルを未然に防ぐのは技術力です.しかし日本ではその技術力自体が次々と失われている.それでトラブルが増えないと思う方がどうかしている.いかに管理職の肩書きを立派にしても,どれだけ契約書の枚数を増やしたとしても,無い袖は振れないのです.

団塊の世代が大量に退職する「2007年問題」を横においたとしても、

順番が前後するけど,正直言ってこれはどうでもいい.団塊の世代の中で,今でも新技術に対応できる現役ベテラン技術者がどれだけいることか*4.むしろ技術の進歩から取り残され,旧世代の技術に固執して現場を混乱させている恐れも強い*5.そういう旧世代の過去の遺物なら,さっさと引退していなくなった方がナンボかマシです.

*1:経営を変えるには経営者自体が変わらなければならない.それには経営者の首をすげ替えるのが一番の近道だ.できれば新経営者は社内の思想に染まってない,外部の第三者であることが好ましい.それをやったのが日産やIBMで,できなかったのがその他大勢ということだな.

*2:これって「反面教師」なのかな?むしろ「五十歩百歩」「瓜二つ」「同じ穴の狢」などの方が適切な気がするぞ.

*3:一級建築士のような存在がいないわけではない.資格としては存在していないだけ.

*4:これは望み薄だと思う.理由は簡単で,愚かなことに日本企業では一定以上の年齢になると,有無を言わさず管理職に昇進するという悪弊があったから.それを断れば出世コースから外れて一生日陰者扱い.そして,たとえ昔はどれだけ優秀な人材であったとしても,現場から引き離されて書類整理と会議で人生を無駄遣いすれば無能な管理職に仲間入りするのも時間の問題だ.

*5:モデリング」の世界なんてその最たるものだ.