2007年問題だけではない,深刻なシステムの引き継ぎ問題

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20060112/227154/

というか,システムの引き継ぎというのは,本来は開発者の日常業務の一つなんですね.だからこそ優れた開発者なら保守性が高く,引き継ぎしやすいシステムを構築する.システムの出来ぐあいで,引き継ぎコストは2〜3桁は変わってくるだろう.

この観点からいくと,2007年問題とは「イケイケドンドン」で作ってきた「引き継げないシステム」を,一体誰に押し付けるか/貧乏くじを誰が引くかという問題に過ぎない.ある日突然浮上して来るものではなく,作った時からあったのだ.そのことが技術の分からない管理職には理解できず,ただ問題を先送りにしてきたツケがたまりにたまっただけ.


そう,それはまるで鉄筋を減らしてコストダウンしたマンションのようなものだ.品質を見ない管理職は「コスト削減できた」と喜んでいるが,所詮は手抜き工事で作られた欠陥品にすぎない.それによる損失はいかほどのものだろうか.その損失は企業の存続さえも危うくする.

しかしこの巨大な損失はある日,突然発生するのではなく,最初から不良債権として存在していたのだ*1.今まではただその事実から目を背け,先送りして問題を悪化させてきただけ.それに対する対策は,損失を計上して一からやり直す他ないだろう.