“プロ以下が半数”のIT業界,暗い話題と明るい話題
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060201/228347/
この調査では,スキル,年収,将来の希望職種などいくつかの切り口でデータを収集・分析している。
一体どうやってスキルを測定したのであろう?
はっきり言って,計測結果がほとんどデタラメなのは確実だ.スキルを定量的で正確に測る技術など,未だかつて誰も実現したものはいない.資格や学歴や経験年数なら測れるが,残念なことにスキルとの相関関係は極めて低い.それが現実だ.
まず平田氏は年収と年齢の関係を示したデータを取り上げつつ,「若手でもスキル・レベルが高ければ高い年収が得られている,という結果に注目してほしい」とコメントする。「『スキルを磨けば年収が高くなる』というデータは,若手ITエンジニアにとって明るい材料だ」
というわけで,この結論も極めて胡散臭いものとなる.
だいたいそんな簡単にスキルや成果が評価できるなら,世の中に成果主義で失敗する会社など出ずに済んだだろう.
そもそも,もしそれが正しいのであれば,スキルが低いのに年功序列だけで出世した老人を,綺麗さっぱり排除する仕組みが存在しなければならないはずだ.だがそれを実践している企業がどれほどあろう.
さらに年収とスキルの関係についても言及した。コンサル,プロマネ,マーケティング職については,スキルが高いほど年収も高くなる,という傾向が顕著に出た。
これについては更に胡散臭い.実際に,胡散臭い自称コンサルや自称プロマネなどいくらでもいるだろう.マーケティングに至っては単なる「営業」であってマーケティングと呼べた代物じゃないし,デスマーチを生み出す主要な要因の一つでもある.
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