システム開発失敗で50億円の損失、東京ガス

http://www.atmarkit.co.jp/news/200602/03/tokyo.html

50億の損失よりは,「動かないコンピュータ」プロジェクトを潔く中止した方が良い場合は多い.だけど実際にはそういう経営判断ができる経営陣って少ないんだよね.*1

しかし、運用テストで顧客データの呼び出しに現行システムと比べて40秒以上長くかかることが判明。当初に完成予定だった2004年10月を過ぎても完成せず、開発コストも2倍の60億円に膨らんだ。東京ガスはシステム完成のめどが立たず、顧客向け施策が変化したことなどから、プロジェクトの中止を決めた。

予想されるが回避できるとは限らないタイプのトラブルだな.
一体どんなソフトを使って何を作っていたのかにもよるけど,単に「アレも欲しい,こんな機能も付けろ.こんなこともできたらいいな.」と夢を騙って,実現不可能な仕様書を作ったというパターンじゃないかな.機能を増やせば増やすほど開発に手間がかかるし,パフォーマンスを出すのも難しくなる.設計とは本来はそういう問題も考慮して行うものなのだが,何故か「実装技術を知らなくても設計できる」というトンデモ設計理論が幅を利かせているのは困った風潮だ.

http://slashdot.jp/articles/06/02/01/153219.shtml

そもそもどうもこの業界、設計をないがしろにするらしく、SIやSEと名の付くどう見てもソフトウェア作成の素人の人が設計の中心になるようで、設計フェーズで半年1年もかけて何書いとんじゃ、というようなものが平気で製造部隊にまわってきます。設計の段階で、テストコード書いたりしないので、パフォーマンステストとか全く検証してくれません。

ウォーターフォールならこうなるのは当たり前なんだけどね.それでも何故かウォーターフォール神話は永遠に不滅です.
http://www007.upp.so-net.ne.jp/kengai/fowler/newMethodology_j.html
http://labs.cybozu.co.jp/blog/akky/archives/2006/01/2006_1.html

*1:経営患部と揶揄される所以である.