非お奨め本
http://d.hatena.ne.jp/heppokoprogram/20060502#1146568716
でも、この本はC言語しかやったことのない人が、C++言語に移行しようとして読む場合には、お勧めできる。他のC++の本を読んで、Better Cなコードしか書けなくなってしまうぐらいなら、この本をまず読んだ方がいい。憂鬱なプログラマのためのオブジェクト指向開発講座 (DDJ Selection)
- 作者: Tucker
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 1998/05/31
- メディア: 大型本
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こういうことは言いたくはないが,はっきり言ってこの本だけは『絶対に』お薦めしない.なぜか「2ちゃんねる」において絶賛されていたらしいのだが,この本のどこが評価されていたのか全くの謎だ.
特にOOP初心者がこの本を読むと完全に間違った認識を刷り込まれてしまい,その後の学習にも支障が出るなど,悪影響が非常に大きい.これは金と時間の無駄使いにしかならない屑本なので,間違って買ってしまった場合はさっさと廃棄処分にするのが得策だ.廃棄処分にしても失った金は戻ってこないが,少なくともそれ以上時間を無駄にしなくてすむ.
初心者が読むのなら多分こっちの方が無難.
C++ Coding Standards―101のルール、ガイドライン、ベストプラクティス (C++ in‐depth series)
- 作者: ハーブサッター,アンドレイアレキサンドレスク,浜田光之,Herb Sutter,Andrei Alexandrescu,浜田真理
- 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
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あとはこれかな.
Effective C++ 原著第3版 (ADDISON-WESLEY PROFESSIONAL COMPUTING SERIES)
- 作者: スコット・メイヤーズ,小林健一郎
- 出版社/メーカー: ピアソン・エデュケーション
- 発売日: 2006/04/29
- メディア: 大型本
- 購入: 29人 クリック: 411回
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まだ買ったばかりで目を通してもいないから,内容に関してはコメントできないが,2版は名著ということで定評があっただけに無駄では無かろう.
入門書リスト:http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20060224#p2
参考:http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20050909#p1
巷のC++の入門書は、大抵「クラスとは」とか「継承とは」みたいな入り方ばかりしている。それはまあいいんだけれど、C言語とC++言語の間には、そもそも根本的な発想の違いがあって、(以下略)
初心者が「オブジェクト指向とは何か?」から入るのは,簡単なようで実は間違った方法だと思う.
たとえば素人が救命手当を学ぶ時,はたして心臓や肺の構造,肋骨の本数や形,血液中のヘモグロビン量やそれが保持している酸素量,脳死の判定法,人工呼吸器や電気ショックの使い方などから学ぶだろうか?普通は人工呼吸と心臓マッサージの手順を丸暗記するだけだろう*1.いきなり基本的な医学知識を全て理解しようとしても理解できるわけがない.
小学生が円の面積を求める時,微積分や実数論,イプシロン-デルタ論法*2を学ぶだろうか?円周率を求める公式を導き出し,スーパーコンピューターのベクトルプロセッサに最適化されたプログラムを作成して円周率を求めるだろうか*3?するわけがない.素直に円の公式と円周率≒3.1415などと丸暗記するだけだ.
「オブジェクト指向とは何か?」というのは一番基本的な質問なだけに,実は明確に答えるのは意外に難しいのだ.またたとえ明確に答えたとしても,初心者にはその答が理解できない.理解するための知識が不足しているためだ.*4
GoF
しかし、とにかく和訳がひどい・・・。説明も分かりやすいとはいえないので、設計していて本当に困った経験のある人じゃないと、この本の内容の素晴らしさは分からない。
- 作者: エリックガンマ,ラルフジョンソン,リチャードヘルム,ジョンブリシディース,Erich Gamma,Ralph Johnson,Richard Helm,John Vlissides,本位田真一,吉田和樹
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 1999/10
- メディア: 単行本
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これは初心者にもお勧めするが,絶対に理解できない本の一つ.
和訳はこなれていはいないとはいえ,特に問題なかったように思う.あくまで内容が難しいだけで訳が間違っているわけではない.少なくとも文章自体はスラスラと読めた.難しかったのはデザインパターン自体を理解することの方で,これについては一つ一つ実践し,その中で理解していく他ないだろう.