厚労省、今夏にもサリドマイド使用登録義務化へ
- 作者: Rock Brynner,Trent Stephens,トレントステフェン,本間徳子,ロックブリンナー
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2001/12/14
- メディア: 単行本
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深刻な薬害を引き起こした鎮静・催眠剤「サリドマイド」をがんなどの治療目的で医師が個人輸入するケースが急増している問題で、厚生労働省は11日、輸入するすべての医師に対し、今夏にも運営を始める「サリドマイド使用登録システム」(SMUD)に患者情報を登録することを義務づける方針を固めた。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060612AT1G1100H11062006.html
この記事だけを見ると,まるでサリドマイドを個人輸入する医者を非難しているようにも取れる.
たしかにサリドマイドは深刻な副作用で知られているが*1,最近では他にも効果があることが分かってきて再評価されているそうだ.薬と毒とは本質的に同じものであり,強力な薬ほど副作用が大きいことも多い.深刻な副作用のある風邪薬などは使いたいとは思わないが,例えば癌で生きるか死ぬかの瀬戸際なら副作用があるから抗ガン剤を使いたくないとは言わないだろう.
一方、癌組織への毛細血管の成長を阻害し、結果癌への治療効果があることがわかってきた。
その他サリドマイドはさまざまな疾患に効果があるとされている。以下それを列挙する。
そういう状況であれば,患者としては国が重い腰を上げて再認可するまで待ってられない.ただ何もせずに患者が苦しむのを黙って見ている政府より,並行輸入してでも治療を進める医師の方がよほど良心的な気がする.
もとの記事も、たとえば次のように書くと受ける印象が変わってくるのではないだろうか.
「かつて鎮静・催眠剤として大量に使用され深刻な薬害を引き起こした「サリドマイド」だが,近年は癌治療,ハンセン病の症状改善,糖尿病網膜症の予防薬などとして再評価されている.しかし日本では政府による再認可がまだのため,治療目的で使用する医師が平行輸入するケースが急増している.」
追記:
多発性骨髄腫の患者さんの中で妊娠可能な女性の割合ってどれぐらいなのだろうか?
多発性骨髄腫は、男性に多く発生する高齢者の病気です。年齢別に発生頻度を比較検討すると65〜70歳にピークがあり、40歳以下では非常に少なく、全多発性骨髄腫症例の2%以下を占めるにすぎません。
なるほど.まあ,それがお役所仕事という奴ですよ.