日本ではUIに金を使っていないか?
http://michys.com/blog/2006/10/ui.html
けれども、最近のMacintoshは安いしWindowsとの互換も取りやすいから選択肢として検討してもいいと思うんですが、なぜかMacintoshはアメリカや北米や欧州では売り上げを伸ばしているのに、日本でだけは売れてないようです。なんでなんでしょうね。
Macの場合は,「使い易い」「けれどWinとの互換性がない」のトレードオフがあるので,単純に「使い易いから採用」とは行かないのですよ.
それから、WEGAのKDL-L40HVSを買って思ったのが、そのUIの素晴らしさです。
KDL-L40HVSというのは見つからなかった.
もしKDL-L40HVXなら,そのリモコンはRM-J1100と呼ばれるものらしい.
http://www4.plala.or.jp/soundcity/net/sub/rm/rm-j1100.htm
実物を触って確認したことがあるが,操作性は最悪で,努力は認めるがアイデア倒れだと思ったものだ.なにしろ折り畳みの内側にあるボタンが平坦でストロークが無いも同然で,チャンネル,再生,早送りのような基本的なボタンさえも満足に使えない.一番よく使われるであろう機能が使いにくいということは,そのリモコンは使いにくいということだ.
また折り畳み機構を入れれば,僅かではあるが構造上複雑になる.コストも増えるし,故障も発生しやすくなるだろう.リモコンなんて落としたり踏んづけたり,時にはコーヒーをこぼしたりと,けっこう乱暴に扱われるものだから,折り畳み機構のように故障の原因となるものは可能な限り入れない方がいいのだろう.*1
XMBがこれほど使いやすいとは思いませんでした。
実物のXMBは使ってないけど体験ページを見る限りは,見た目は派手だけど鬱陶しいだけだな.
http://www.sony.jp/products/Consumer/QUALIA/jp/products/006/index5.html
http://www.sony.jp/products/Consumer/wega/xmb/index.html
XMBの何が問題かというと,全ての作業をシーケンシャルにしか選択できない点.この手の階層化されたメニューというものは,機能が増えれば増えるほど操作しにくくなるものだ.
XMBというのはPSX用に開発されたインターフェースなのではないか.とするとコントローラの「十字キー & ○×△□キー」で操作することに特化しているため,専用リモコンが利用できる大型TVやDVDレコーダーなどに適しているわけではなさそうだ.
私ならこのUIとリモコンのためだけにプラス5万〜10万くらいなら覚悟できる、と使ってみて思いました。
それを「購入する前」に覚悟できましたか?そうでなければ商品の付加価値として,金額に上乗せできません.*2
また、機能のネーミングが意味不明で何をどう操作したら何が起こるのかわからないなんて「開発者を呼べ!」と言いたくなります。
そういうことはあるかもしれない.*3ネーミングなんていくら拘っても客から金が取れるわけではないので,一番手を抜かれる部分だろう.
上記のXMBなんてその最たるものですね.一瞬,XMLかBML関係の技術かと思っちゃいました.
そもそも私もUIの素晴らしさをきちんと分かってるかというとアヤシイです。買うときは、やっぱりスペックや外観デザインに惑わされます。また、UIについては学んだわけではなく、フィーリングや受け売り(きちんと理解しているかどうか謎)が多いです
UI系の定番書籍と言えば,だいたいこんなものかな?
誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
- 作者: ドナルド・A.ノーマン,D.A.ノーマン,野島久雄
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 1990/02/01
- メディア: 単行本
- 購入: 37人 クリック: 945回
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ヒューメイン・インタフェース―人に優しいシステムへの新たな指針
- 作者: ジェフラスキン,Jef Raskin,村上雅章
- 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
- 発売日: 2001/09
- メディア: 単行本
- 購入: 11人 クリック: 550回
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見栄えは本質ではないが、さりとて不要というわけでもない。直感的な操作を基本とするGUIでは、その直感を的確に補佐する見栄えのデザインが非常に重要な意味を持つ。Appleはそこを能く理解している。
http://d.hatena.ne.jp/DocSeri/20061027/1161928001
で,専門家的には「直感的な操作というのは存在しない」というのが,ほぼ定説になっている.またMacのUI自体も,技術が進歩すると共に時代遅れになりつつある.あるのは「慣れ」だけ.
Dvorak配列は初めて知ったのですが、ステキそうですね〜。
そんなことないよ.習熟してもQWERTYより1〜2割効率化するのがやっと.圧倒的な普及率を前にしては無意味な差です.
仕事では文字ばかり打っていたし、腱鞘炎の一歩手前までいった経験があるので会社が許すなら使ってみたいです。
だったらかの有名なキネシスでも使えばいい*4.或いはMSナチュラルキーボードという手もある*5.なにも絶滅したDvorak配列に拘る必要はない.
http://www.kinesis-ergo.com/
http://www.kinesis-ergo.com/essential.htm
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http://d.hatena.ne.jp/rintaromasuda/20061027/1161904467
むしろ日本は、工業デザイン側からの考えがベースにある国だと思っています。例えば自動販売機とか、駐車場の支払いの機械だとか、切符の販売機だとか、僕はアメリカしか比較対象を知らないが、決定的な質の違いがある。
カーナビや携帯電話なんかもそうかな.とにかく異様なまでに高機能になっている.*6
http://www.chikawatanabe.com/blog/2006/09/post_2.html
自販機を見ると、20ドル札OKとなっていたので、
「へぇ、さすが、首都は便利だねー」
と20ドル札を入れたら、20ドル分の券が出てきた。がーん・・・・・。
(中略)
「いや、それ、20ドルの券が出てきてラッキーだよ。じゃなかったら、お釣りは全部25セントコインで出てきたはず」
ATMっていうのはお金を数えてくれるもの!と信じて疑わず、Deposit ボタンを押した後、入金口(?)にそのまま「バラバラバラー」とお金をまきいれてしまいました(泣)。「あれ?何か変」と思ったときにはすでに遅し。封筒に入れるなんて。。。そんな時代錯誤なATMなんて。。。そんなの知りませんでした・・・。
ちなみに日本のATM、来日する友だちに日本名物として紹介してますよ。普通喜ばれますね。「これは話題のネタになる」といって。
日本人がUIに金を使ってないというわけではなさそうだ.むしろ過剰なまでにUIに拘っていて,それゆえに高コスト体質になっている.
*1:このあたりの事情は携帯電話でも同様なのだが,携帯電話の場合はそのままポケットに入れたりするし,折り畳みなしのものは同時に薄型でもあることが多いので,折り畳み無しにした方が帰って耐久性に問題が出るのかもしれない.
*2:私だったらマイナス5千円でも欲しいとは思わない.マイナス1万〜3万なら値段の安さに吊られて買うかもしれないけれど.
*3:特にMS用語は,業界で標準的に使われている単語を別の単語で強引に言い換えているだけの場合が多いので,専門知識があればあるほど混乱させられる.
*4:非常に有名なエルゴノミクスキーボード.ただし高価なため利用者は少ない.一応QWERTY配列ベースだが,その特異な形状ゆえに訓練なしに使いこなすのは難しいようだ.
*5:あまり詳しくはないが,「MS製品にしてはなかなかの出来」「エルゴノミクスキーボードとしては格安」なんだそうだ.日本でも比較的入手しやすいのもメリットの一つ.
*6:使いにくい理由の一つが,「機能が多すぎるから」というのがなんとも.