無能な経営者論

http://d.hatena.ne.jp/essa/20070128/p1
http://www.misao.gr.jp/~koshian/?20070128S6

無能な経営者が生まれるのは避けられない.問題なのは,経営者がその椅子に安住し,無能な経営者が淘汰されないこと.

労働者は怒り団結すべきだけど、怒るのは、経営者が強欲であることに対して怒るのではなくて、経営者が無能であることに怒るべきだ。

この点については同意.

だから、労働者は無能な経営者の元を去るべき。

これも半分同意.
しかし,既に有能な経営者が一人も残っていなかったら,一体どうすればいい?

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50751617.html

有能な経営者とは、誰の事か?
有能な労働者を雇用したり、ましてや労働者を有能にする人々のことではない。
たとえ有能でない労働者を雇用しても、利益を上げる人々のことである。

これは違うだろ.Human-Resource Management*1も経営者の仕事の一つ.

有能な人材を採用する戦略,不要な人材をレイオフする戦略,従業員満足度を高める戦略,適材適所.全て経営のうちです.もちろんoverqualified*2な人間を必要以上に雇う必要はないが,「学歴不問,未経験者可」だけで利益が上げられるほど現実は甘くはない.*3

同じ仕事を、熟練労働者でなくてもこなせるようなシステムを作る人々のことである。月給50万円の人の仕事を、月給15万円のパートタイマーや月給5万円のオフショア労働者、そして月給を要求しないロボットに移管する人々のことである。

これは半分以上は技術者や現場レベルでの仕事ですね.経営者にできるのは「なんでもできる便利なロボットを作れ」とほざくことだけ.

*1:読んだとおりの意味,「人材活用」.

*2:こちらは日本語に相当する概念はなく,無理に日本語に訳せ「過剰技能(者)」にでもなろうか.「資格や技能などがその職務に求められるものよりも過剰なこと」を表す.たとえば倉庫の荷物運びやレジ打ちに,電子工学の専門家や敏腕弁護士はoverqualifiedなわけだ.

*3:しかし,たしかにこういう考え方をする経営者もいるのだろうな.そういう経営者ではいかにして給与を削減するか,残業手当をカットするかという方法でしか考えることができない.こういう人が「ホワイトカラーエグゼンプションを年収400万円台から適用する」などという考えに染まるのかな.