「ロストジェネレーション」って?
http://d.hatena.ne.jp/qushanxin/20070425
だいたい1970年代を生まれを指している「団塊ジュニア」世代は、最近「ロスト・ジェネレーション」などと呼ばれている。こういう物の言い方に現れるように、最近この世代がかなりネガティブに評価されるようになっている。
ほう,そいつは初耳だ.
大学受験でも就職戦線でも,最も厳しい試練をくぐり抜けてきた『ロストジェネレーション』としては聞き捨てならないな.
一体誰が言い始めた用語かと思いきや,
バブル崩壊後の就職氷河期「失われた10年」に社会に出た、25歳〜35歳(2007年現在:1970年代生まれ)の世代を指す言葉として、朝日新聞が定義した。[hatenaキーワード]
学生時代に上の世代が「不況」で苦しんでいるのを目の当たりにし、リストラで年功序列と終身雇用が破綻しつつあることが喧伝され、社会の変化に対応できない「会社人間」はほどんど批判・否定の対象であった。ところが、いざ就職戦線に出てみると「やりたいこと」はほとんど仕事にできないし、いざ就職してみるとマニュアル化された作業を機械的にこなすような仕事ばかり。しかも仕事量は膨大であり、給料も安い。本当に「やりたいこと」にドロップアウトした「ニート」「フリーター」などと呼ばれる人々に至っては、
かなりの事実誤認がある模様.
ここでいう「上の世代」は正にバブル世代.「戦後最大の好景気」を謳歌した世代で,内定を複数もらうのは当たり前,新卒時に『拘束旅行』でリゾートホテルに缶詰にされたりしたという世代だ.*2その後,バブルが崩壊し景気は最悪.新規雇用が大幅に減らされ,その世代は就職したくでもできなくなった.それがここでいう「ロストジェネレーション」.*3
んで,その頃に「新時代の労働スタイル」としてフリーターを紹介していたのが,朝日新聞その他のマスコミだったのだ.もちろん所詮は「日雇い労働者」に新しく貼られたレッテルに過ぎず,安定性も将来性はほとんどない.しかし当時はまだインターネットも普及しておらず,フリーターがどれほど将来性のないものであるかを,広く宣伝するのは難しかったのだ.*4
『ロストジェネレーション』も,別に「やりたいことをやるため」にフリーターになったわけではなく,新卒採用数の大幅削減のために少なからぬ人間がその道を選択するほかなかったのだ.その最大の原因はバブルであり,バブルを起こしたのはここで言う『ロストジェネレーション』ではなく,その上の世代だ.非難するならバブル世代こそを非難すべきですね.
こういう状況に置かれた「団塊ジュニア」世代に自殺者が増えているというのは、ある意味当然のことである。二十歳ぐらいまで正しいと思っていた(あるいは思わされてきた)ことが、今になって急激に否定されはじめているからである。
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急激に否定されて困ってるのはバブル世代やそれ以前の世代でしょ.「戦後最大の好景気」でウハウハ.「これからは財テクの時代」「土地は上がり続ける」の言葉に乗せられて住宅ローンを組んではみたものの,その後のバブル崩壊で給料のベースアップも停止.将来給料が上がることを前提に組んでいた住宅ローンも払えず,今更一家で2Kのアパート暮らしに戻ることもできず,そのままズルズルといくと最後には貯蓄も底を着いて………などというのがありがちなパターン.
「ロストジェネレーション」は大学進学でも就職戦線でも,最も厳しい冬の時代を経験しているので,そんな甘えは最初からありません.甘えがあるとすればバブル世代以前です.
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20060525/p2
追記:「3人娘の進学・成人・結婚が「名ばかり高収入」に追い討ち」
上記のバブル期の例があったので追記.
この人達は幸運にも高収入な人たちなのでこの程度の「不安」ですんでいるが,会社が倒産したり解雇された場合はとっくに中央線で人身事故コースかもしれない.
*2:「拘束旅行とは、内定を出した学生が他の銀行に逃げないように、数日間どこかの場所に缶詰にすることを目的としたもの。家に戻った頃には、銀行の「X デー」は終了しており、事実上、内定者は拘束旅行に参加した銀行に就職せざるをえない状況になっているという、世にも恐ろしい慣習です(ちなみに、東京採用の同期に聞いてみると、東京採用組では、泊りがけのよな露骨な拘束旅行はなかったようです。大阪ならではの、「悪習」だった可能性高し。大阪商人の考えること、おそるべし……」http://www.daijob.com/columns/takashi/article/590 http://www.daijob.com/cn/columns/takashi/article/590