起こるべくして起こった事件
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070601/126210/
2007年問題ネタ.
先にコメント欄より.
- 2007年に大量に退職されると想定されている年代の方々が、昨今問題になっている、特にRouterネットワーク系の大規模システムについて熟知されているとは思えません。所謂汎用機を主体としたものならいざ知らず、むしろ40歳台を中心とした(もしくはもっと若い年代)層の人たちのほうが良くわかっているのでは?意外に、2007年前後に退職される方々に頭を抑えられていた層が今後活躍したりして。
- ベテラン情報システム要員がIPやオープンシステムといった次々現れる技術にまったく対応できてないこと、彼らが業務フローに従順すぎて複雑なシステムにしてしまったことが、このようなトラブル発生の要因なのでは?
これが結論かな.
相次いで起こった情報システムの大規模トラブルは、IT(情報技術)の複雑性と人力の限界が抱える問題の根深さを浮き彫りにした。
それは常識*1.人力ベース,或いは人月ベースで出来ることは何もない.
一部の交換だけで、なぜシステム全体が止まってしまうのか。根本的な原因は、システムの複雑化が進みすぎた点にある。
違います.
もし複雑化していたとしても,システムの複雑化は致命的な設計ミスの一つ.そういう設計ミスを放置し,或いは設計ミスを指摘できる技術者を評価せず,修整すべきという意見を握り潰してきた結果,起こるべくして起こった事件でしかないと思われる.
では、システムをより注意深く、ベテランが中心になり修理・交換すればいいのか。
この業界においては「経験年数が長い」ことが「技術を熟知したベテラン」であることを意味しない.むしろ時代遅れの知識を振りかざし,若手の足を引っ張る老害の方が多いのではないか?そういう老人が引退するのが遅すぎることの方が問題だ.
まず、採用するハードウエアやソフトウエアごとに開発したメーカーが異なることが多く、全体の設計などを見渡せる技術者が事実上存在しない。
仮に「採用するハードウエアやソフトウエアごとに開発したメーカーが同じ」だったとしても,「全体の設計などを見渡せる技術者が存在する」ことは意味しない.作ってる人や部門が別で,何年も何十年もかけて成長してきたシステムを全て把握することなどまず不可能.これはソフトウエアの本質的な複雑性よりほとんど不可避だ.
なにより,そのように全体を見通せるベテラン技術者を評価する制度や習慣が,日本企業には存在しない.
- また繰り返しますが優れたプログラマはリスクであり、評価されません。
- プログラム等、誰でもできる低レベルな仕事だという定義が前提です。
*1:専門家が持つ感想は「だから言ったじゃないか」「起こるべくして起こった」だろう.