分かってない - ホワイトカラーエグゼンプション

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20070914/1189736042

私は自営業をやっているからボーナスも残業代も出ない。同じ仕事を半日で作ろうが一週間寝ないで頑張って作ろうが貰える金額は一緒だ。

  • 同じ時間でどれだけ良いものを作ろうが,悪い物を作ろうが金額は一緒だ.

これが人月単価の本質的問題なんだな.*1 *2

  • 金額据え置きで以前の倍の個数の製品を作ることを要求された.
  • 個数は同じだが金額を以前の半分に減らされた.仕方なくバイトを減らして自分一人で切り盛りするようになった.
  • 海外との電話会議で毎日深夜残業.しかも朝は定時出社だから,連日会社に泊まりこむことになった.

これで「残業手当さえ払わない」「仕事の進め方は個人の自由だ」「過労死しても自己責任」なんて暴言を吐くから,非難が集中するんですよ.

細かい反論は言い古されてるし,面倒なだけなんで省略.


内側から見た富士通「成果主義」の崩壊 (ペーパーバックス)

内側から見た富士通「成果主義」の崩壊 (ペーパーバックス)

http://www.daijob.com/columns/takashi/article/1151

「何がなんでも、こりゃおかしいだろ ! 」という考えに立つのが、ホワイトカラー・エグゼンプション賛成派です。 A さんも B さんも、同じことしかしていない ( 同じアウトプットしか出していない ) のに、より作業の遅い B さんの方が多くの給料をもらえるというのは納得いきません。

では、反対派というのは B さんのような人たちなのでしょうか。それは少し違います。ホワイトカラー・エグゼンプション反対派の大半は、基準が曖昧なまま全てのホワイトカラーに制度が適用されてしまうと、結局は会社に言われるままに、無償で残業をしてしまうことを危惧しているのです。では、現状の制度案では、どんな社員に適用されることになるのでしょうか。

http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20070913

  • 自営の場合は、極端な話、自分で仕事のペースを調整して、休みたいときは休むということができるけど、サラリーマンの場合は、基本的に、会社が要求する成果を自分で決めることができない。
  • 会社が要求する成果を自分で決めることができない。
  • 自営の場合、一人で二人分の働きしたら自分に直接恩恵が入ってくるけど、サラリーマンの場合はそれがない。
  • 価値生産性の評価を市場に委ねる自営業者と価値生産性の評価が人事任せのサラリーマンとは結構違うんだよな。
  • 労働者の基本的な権利が絵に描いた餅状態で、この制度適用したらとんでもねえことになるわけで。そういうのは労働者の基本的な権利が確立されてからの話だと思うんですよね。

http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20070908/p2

もし、残業手当がサラリーマンを守っているというのなら、それは同じ市場にいる自営業者だって、過当競争から守っているのである。

つまり、突然大量の人間がただ働きし始めたら、生産過剰のダンピング競争になってしまう危険性がある、ということだ。もちろん、自営業者のみで完結している市場だとか、その仕事に代替が効かない(「○○センセイの作品なら幾らでも出す」的)なら、賃下げ競争に巻き込まれないが、まあ普通は何かしら影響があるだろう。

これは興味深い意見だな.

*1:そして最後には,悪貨が良貨を駆逐するのだ.

*2:ホワイトカラー・エグゼンプションを導入する気なら,その前に官公庁は人月単価による発注を全廃してもらいたいな.かかった時間ではなく仕事の成果に対して対価を支払うというのなら,可能なはずだよね