SF初心者は自動評論家の夢を見るか

http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20080518/1211038930
SF語るのに必要なのは数じゃない.

おかげで今では、「何かを語る時にそのジャンルを全て読み尽くす」などというのは、全くのナンセンスだと思ってる。

「現実的でない」というのには同意.

SF小説を語るのに、古今東西全てのSF小説を読むなどというのは、この上なくバカげたことだ。

うんにゃ.古今東西の「様々な」SF小説を読まないと,何一つ語ることはできないよ.

シャーロック・ホームズが記憶について考察したように、有限な人間の脳にとって、必要のない情報は頭をぼかしてしまうのだ。だから、入ってしまった余計な情報は、わざわざ捨てなければならなかった。

「緋色の研究」だったかな.

上記の話は確かにあって,だからこそホームズは「地球が太陽の周りを回っている」というような,「常識ではあっても推理に必要のない知識」は極力忘れるよう努力している.しかし一方では「推理に必要な知識」は非常に細かく,幅広く知っている.各種毒物の種類や症状に致死量,古今東西の多種多様な犯罪の記録や手口などなどについては,非常に詳しい.

ホームズは推理に必要な膨大な知識 ーそれこそ小説1千冊分に匹敵するほどのー を覚える必要があり,関係のない知識を忘れるのはそのための手段でしかない.

シャーロックホームズを例に挙げるなら,ホームズを読んでから語るべきではないだろうか.

SF好きが集まる会合、例えばSF大会だとかSF好きの集まるコミュニティのような場所に行って「夏への扉」だけを読んだだけなのに「私、SFって面白いなと思いました」とか言う参加者がいたら華麗にスルーされるか「SF語って良いのは一千冊読んでからだよねキャハハハハ」という趣旨のことを告げられるかのどっちかでしょう。ええ、私も笑われましたとも。

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20080525/1211688587

ま,そんなもんでしょ.

たまたま手に取った1冊を読んだだけで全てを理解した気になるのは愚かしい行為だ.それが文学であろうと,科学技術であろうと.

たしかに1千冊というのは半端ではないが,それでも少しでもSFが好きでそれにのめり込めば,100冊を突破するのは時間の問題です.1冊しか読んでないのはSFが好きでも何でもない証拠.

言い換えれば,SFを語るのに最も必要な物は,SFへの「愛」なのだと.

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20080518/1211038930

昔レムが書評を読んだだけでディックにダメだしして、後で訂正した事を思い出したよ。

スタニワフ=レムとフィリップKディック?

SFを全く知らずに、重要なSF小説1冊を選ぶことは難しい。たぶん、他人の評価を鵜呑みにするしかない。

その評価が時々悲惨だったりするのだが.

それこそ映画版の「アイ,ロボット」と「アンドリューNDR114」だけを見て,さもアシモフやSFを理解したかのように騙ってる奴がいたら反吐が出る

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20070705/p2
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20070705/p1
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20050424/p2