続・IT業界のネガティブイメージ(その3)

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20080529/p1 の続き.*1

IPA

http://d.hatena.ne.jp/masayang/20080531/1212260235

Rubyは日本人matzが生み出したけど、それを支持してRailsとして育て、Agile開発と結びつけて、さらには「Big Rewrite」などということに挑戦している人の多くは日本以外の人達なんだよ。彼らにとってはIPAなど無関係。情報処理試験も受けたことはないはず。でも、彼らはどんどん技術を進化させているし、実プロジェクトでも活用を進めている。

こういう「日々進化していく」領域に役所が(IPAは役所ではないことになっているけど、みんな役所だと思ってるよね?)介入すると、結局は進化の芽を摘み取ることになる。

500年後の世界では、一般人はあまりにも知能が退化してしまったので、畑にゲータレードを撒いている。当然、作物は育たない。しかも、その状況を不思議だともなんとも思わない。そして、「天才青年」が「水を撒かなければだめだ」といっても、大衆はその真意を理解できない。もちろん、実際に水を撒いた所で「すぐに」農作物が育つわけもない。あわれな青年は捕らえられ裁判にかけられて...(続きはDVDで)

石器時代みたいなSIタコ部屋に「天才プログラマ」が就職してきても、Idiocracyと似たような状況を生むだけではなかろうか。石器時代的な開発手法とトンデモ知識がまかり通る中で天才プログラマが何を言っても周囲は理解できるはずもない。石器時代人は彼らの知識レベルで行動するから、変に天才の真似をしてもうまくいくはずがない。結局何らかの失敗が生じ、天才君がその災難を生んだ原因として扱われる。そんなとこじゃないかね。

そうそう.
私なんて『平凡なプログラマ』でしかないのに,30年前の技術のままトンデモ理論に染まった人の中ではまるで『天才プログラマ』.とても悲しいことにね.
初歩的な話をしてるだけなのに,何故か彼らの理解を超えてしまい,下手すると悪人扱いされてしまいます.マトモに勉強した人は,多かれ少なかれ同じ絶望を感じているんじゃなかろうか.

現実は厳しい。俺は新卒で某 SIer に入ったが、そこで味わった現実は、凡才の俺ですら天才つーか異常者扱い。VB6 でクラスを作れば意味不明な機能は使うなと言われ、コピペを量産しまくってるコードに文句言っても「動けばいい、黙って手を動かせ」と言われ、ポインタと構造体を知らない先輩の書いた詳細設計書とやらは当然意味不明でツッコミ入れても良くわかってない様子、Java? web アプリなんて使い物になるかと言われ、お前は黙って言われたとおり働いていればいいんだ、俺たちはそれで上手くいったんだからこれからもそれで上手くいく、と言い放つ部長。

http://d.hatena.ne.jp/kagamihoge/20080602/1212412174

新しい技術に挑戦したいのであれば、以下のようなシステム開発企業は就職先としては避けておく方が無難かも。10年間泥のように働く覚悟があるのなら、話は別だけどね(笑

  • 認定SI業者 みたいな看板を掲げて喜んでいる
  • 情報処理試験合格者数の数を自慢している
  • ISO9000等の品質認定を自慢している

ついで

  • そして、その対策として挙げられていたのが「ベテランプログラマ、特にSmallTalkをよく知っている人を探せ。そして、その人と若手とでペアプロさせるのだ。」というお話。
  • 歳とってもプログラマとして活躍させてもらえる土壌がある国だからこういうアイデアがでてくるのか?
http://d.hatena.ne.jp/masayang/20080601/1212339370

日本だと無理でしょうねえ.熟練プログラマなんて絶滅寸前の天然記念物ですから.

「IPAX2008での経営者と学生の討論会:感想」

http://d.hatena.ne.jp/kwatch/20080601/1212320968

学生にコミュニケーション能力や日本語の文章能力がないという批判が経営者側からなされていたけど、それらを経営者は持っているつもりなのが滑稽だった。例えば『経営って楽しいですか? どういうところが面白くて経営者になったんですか?』という学生の質問に、『だったら一生エンジニアしてなさい』と経営者が答えてたんだけど、それって答えになってないよね?

そう.経営者にコミュニケーション能力があれば,「最も重要な技術は行間を読むことだ」が単なる冗談ですんだだろう.

  • 「企業が学生に求めること」と「大学が重点的に教えていること」のアンケートがあって、両者に大きな開きがあるというのは、確かに問題だと思った。ただ、これは学生の出身大学と出身学部を両方で一致させないとあんまり意味ないように思う
  • 『本当に専門家といえる学生が少ない』と経営者(たしかCSK有賀氏)が発言してたけど、本当に経営者といえる人間だって少ないよ? 経営者たる器にない経営者のほうがずっと多いことは無視ですか?
  • 経営者の意見とは違って、自分は「最近の学生は優秀やなー」と思った。討論会の舞台上でいちいちメモとってるんだぜ? 発言だって、経営者より論理的でわかりやすかった。こんな優秀な学生を、企業は潰してしまうんだろうなと思うと、なんだかやりきれない。

経営者の会社に入社して3年目ぐらいの若手を呼ぶべきだと思った。経営者が言っている「きれいごと」に対して、それか本当かどうかを語ってもらうため。

そうしても本音は聞けないでしょう.本当のことを言ったが最後,回りから様々な嫌がらせを受けて,最悪ではクビが飛ぶから.だから身元が特定できる場所では,絶対に本音は喋らないこと.これは若い人への忠告.
むしろ3年で辞めた人を見つけて聞いてみると,本音が聞けて面白いかもね.特にその人が辞めた後に苦労している時,「こんなに苦労するくらいなら,あの会社にいた方が良かった/辞めて後悔している」と言うか,「苦労はしてるけどあの会社にだけは戻りたくない/辞めたことは後悔していない」というか.*2

「重鎮達ごとに発言を分けて考察してみた」

http://d.hatena.ne.jp/matsuza/20080529/1212068217

泥のように仕事を出来る人なら誰でも働けるところだから、どんどん入ってきて欲しい」というメッセージが学生達に伝わったと思います。

「泥のように仕事をし,数年で使い潰されてもいいよ」という人ですね.

  • 一方で、コンピュータサイエンスを学んだ人はどこでどうやって働いたら良いんだろうか、という議論がすっぽり残されてしまっています。天才は天才なので良いポジションを得られると思うんですが、専門知識を身につけてはいるけど天才ではない人はどう働けばいいのか?
  • SIerの立場はわかりましたし、これからもその立場が変わらないだろうこともわかっています。でも、4年とか6年とか9年とかコンピュータサイエンスを勉強した結果就職する先がそんな業界だったら、勉強する気おこんないですよね

ほとんどは管理職という技術者の墓場に入るんじゃなかろうか.私には壮絶な人材の浪費としか思えないけどね.
しかもここでいう「天才」とは,おそらくは技術者の世界でいう「平凡」で,「凡人」とは「素人」でしかないのが悲しい現実.

僕が僕であるために必要なこと」

http://www.milkstand.net/fsgarage/archives/001260.html

大きな企業ってのは、儲かってる企業だよね。
儲かってる企業ってのは、「儲ける仕組み」ができてる企業だよね。

儲ける仕組みができてるってことは、ある程度は、仕事が定型化してるってことだ。定型という言葉が乱暴なら「安定して利益を出すためのフレームワーク」ができてる企業、でも良い。

ダウト.

大きいから儲かるとは限らない.巨額の赤字を出すことだってある.定型化は規模とも効率ともさほど関係ない.特にIT系では(過度の)定型化は非効率と同義.

あとはほとんど読む価値無し.

何故、企業の採用が35歳にラインがあるのか?

一番大きな理由は日本の人事制度.年功序列に横並びの給与体系,成果を見る能力のない上司など.

「会社は泥になっても拾ってくれない」

http://d.hatena.ne.jp/rook5963/20080529#p1

実際@ITの記事でパネラで出てきている人たちってやっぱり泥のように働いて、徐々に役職と対価もらってきたと思うんですよ。でもそれは年功序列が成立している前提なのですね。全ての企業がそうだとは言わないけど、年功序列の帳尻合わせでむやみに管理者・役職者ばかりが揃ってて実働員が足りてない場所って多いんですよ。
ひどいところだと主任以上の課長とかはずらずらいるのに、平社員が一人しかいなくて、その一人が使い潰されるように働いてることもあったりするんです。

T業界は仕事の効率を上げると怒られるところだから...

http://d.hatena.ne.jp/findup/20080528

  • 正直なところ、SIerは偉そうにモノを語る視覚はあんまりないんじゃないかと思う。見積もりで吹っかけて人を大量に投入して工数をかけて開発するほうが儲かる商売なんだから。
    だから優秀な人材なんて必要ない。
  • チームワークという言葉で誤魔化しているけど、要はスキルの高い人にさっさとシステムを作られてしまうと、その分のお金を客から取りはぐれるから困る、というのが本音。無駄な機能でも盛り込んで作ってしまえばお金になる、

でもやっぱり問題の根底にあるのは人月の考えなのかなとも思う。
仕事の効率が高いほうが煙たがられるという状態は異常です。優秀なエンジニアを必要としていない、というのも。

*1:いつまで続くんだ?

*2:私はもちろん後者.