秋葉原無差別殺傷事件メモ

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20080609/p1 の続き

http://heiwawomamorou.seesaa.net/article/100136898.html

社会が悪い、世間が悪い、と言って、凶行を弁護するつもりはないが、この容疑者が抱えていた、「将来への不安」というものを、もっと見つめるべきだと思う。 それは、今、不正規雇用で、ワーキングプアと呼ばれている、若い世代(「ロスト・ジェネレーション」と呼ばれる)に共通のものであろう。 不安定な雇用、低い賃金。当初30万円以上と発表していた会社側はその後徐々に明細を明かし、実際の手取りは20万円を切っていたという事実をこっそりと発表している。それでは、生きていくことはできても、結婚や、将来家庭や家を持つという、バブル以前では普通のサラリーマンの普通の夢であったことを実現することが不可能な状態に置かれている。
私と彼の違いと言えば、私は正社員であり、制度の範囲内で身分と収入(減額はされていたが)が保証されていたことである。つまり、この容疑者は、自分の人生に絶望していたのであろう。日々生きていくことはかろうじてできる。しかし将来に何の保証も展望も持てない。そういった追い詰められた感情が、ゆがんだ形で発露したのが今回の事件ではないかと思う。
「絶望は死にいたる病」ともいう。将来に希望を持てない人間を世代単位で生み出している今の日本では、この容疑者一人を異常者として騒ぎたてて事件が終わるとは思えない。

自動車好きで,トヨタの自動車部品を作っていながら,マイカーを持つというささやかな夢さえ実現できず,夢半ばで解雇される.そりゃあ人生が虚しいし,悔しいだろうと.

「据物撃ちなら誰でもできる」

http://blog.goo.ne.jp/kurokuragawa/e/f45fafaf78b3a4a773592a9707071aa2

  • あの事件のとき、警官が6人で寄ってたかって犯人めがけて8発も撃ち、たった2発しか当たらなかったが、6人の警官はピストルの名人というし、射距離は10m足らずとのことである。
  • 「人間を撃つ際の命中率の目安は、マン・ターゲットにどの位当たったからどうのということで判断してはいけない。相手は生きており、常に動いている。しかも反撃してくる。常によい光線状態で照準し、的は動かず、反撃もせず、自分に最も都合の良い瞬間に引き金を引くことのできる標的射撃というのは実戦ではまるで通用しないのだよ」
  • 犯人が動き回っているときには発砲できず、路地に追い込んでしまえば発砲する必要がない。

銃を使わなかった理由はそんなもんでしょ.むしろ付近の一般市民が協力しなかった理由が解せない.左右を固めて逃亡を阻止し,隙を見て警官を援護するくらいは誰にでもできただろうに.

http://d.hatena.ne.jp/kanose/20080614/pistol

http://d.hatena.ne.jp/KoshianX/20080611/1213197701

今の貧困者は根本的に暇で暇で、とりあえず携帯電話で遊ぶくらいしか無いというのがうかがえる。

そういえばそうだ。俺も貧乏こじらせてた頃、バイトと学校以外どこにも行けなかった覚えがある。そのうち体おかしくなってきてバイトも学校も行けなくなったけども。そうなると友達連中の気軽なお誘いにものれないんだよね。ノリ悪い奴とか思われちゃう。金無いんだってば。無い無い言っても何万かくらいあるんだろ、とか言われるんだけどそんなあるわけない。所持金1000円で残り10日どうやって暮らすか頭悩ませるような暮らしだったのに。*1しょうがないので家でひたすら寝てたっけな。体動かすとおなかがすくから。金の貧しさは人間関係の貧しさももたらすのよね。

そうやって暇になってしまうと、人間ロクなことを考えない。あいつら今頃楽しくカラオケしてんだろな。俺なんでこんなとこいるんかな。バイト探さないと。ああ、履歴書に張る写真撮るお金ねえじゃん。なんで写真必要なんだよ。やべえ、面接行く交通費がねえ。どうしよう……。何やってんだろ俺ホントに。

正直言うと毎日死にたくてたまらなかった。

http://blogpal.seesaa.net/article/100346463.html

  • 貧困は犯罪を生み出すか?答えはイエス
  • だって、金がない人が増えるんだから。「金に困って盗みを働きました」って人が増えるのは当然。だから、失業率が上がれば、窃盗などは増える。
  • 貧困なのが問題じゃない。貧困な状態をものすごい恥だと思ったり、自分に価値がないと思わせてしまう社会規範のほうが問題だって事。

「貧困」と「絶望」の相関関係に関しては、今の日本ではちょっと特殊だと思う。

今の日本では確かに貧困も問題なんだけど、それ以上に問題なのは将来に全く希望が持てないこと。今が貧乏でも才能があって努力し続ければ、チャンスを掴むことができるという「アメリカンドリーム」があれば、人はその希望を支えにして生きることができる。でも日本にはそういう夢や希望が全くない.再チャレンジも許さない.生まれた年度だけで評価が決まる奇妙な階級社会だ.

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

これは特に偽装請負なんかの非正規雇用で顕著だけれど、実は正社員にだってある。現場の若者は年々減り続け、少数の若者で多数の老人を支える企業の高齢化が異様なまでに進んでいる。この傾向は今後も改善の見込みは全くない。そして自分が彼らほどの年齢になったとしても、彼らほどには給与は上がらない。医療崩壊や年金崩壊だって進む。自分の世代は退職金だってもらえるか怪しい。

内側から見た富士通「成果主義」の崩壊 (ペーパーバックス)

内側から見た富士通「成果主義」の崩壊 (ペーパーバックス)

冷静になって将来を見据えれば見据えるほど、何一つ未来に希望が見えないんだね。それが絶望。

「貧困が絶望の原因」というわけではなく、あくまで絶望を形成する一因でしかない。現在の貧困と将来に渡る貧困と日本の没落と、それでもまだ現状を理解できない老害ども、その他もろもろを全部ひっくるめて、『絶望』が生まれるんだろう.

  • ネットを中心として、今回の事件の原因を「派遣制度」に求めている人達がいる。

派遣制度(というより偽装請負)制度そのものは悪じゃないけど,現実には派遣の立場は極めて弱い.実際にはスペシャリストほど派遣に任せられる可能性が高いのに,器用貧乏で何もできないゼネラリストの方が偉そうにしてるのが間違い.

後半の「無意味な規制に反対」ってのは賛成。

偽装請負にはメスを入れるべきだし、派遣などの非正規雇用に対しては待遇改善すべきだと思う。

1)派遣労働者が受け取る賃金は必ず正規以上と法定 vs 正規の半分以下
2)派遣労働が2年超だと直接雇用義務 vs 期限撤廃して無期限派遣
3)派遣のピンハネ率は10%未満と法定 vs ピンハネ率は自由、平均40%以上
4)企業が支払う総額はガラス張り vs けっして派遣労働者に教えないブラックボックス
5)派遣労働者の巨大全国組合がある vs 何も無い
6)派遣労働は事業拡大時などにのみ使うと法定 vs 正社員をクビにしてどんどん派遣に置き換えてよい

http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51311546.html

http://d.hatena.ne.jp/RORA/20080612/1213205159

その上でなら、非正規雇用を続けるのはアリでしょう。

  • こちらのページに自殺率の国際比較があるんだけど、日本の自殺率ってのは、国際比較すると、とても高い。
  • それから、日本よりも明らかに経済状態が悪く、経済的には非常に困っている国々のほうが、ずっと自殺率が低かったりする。

絶望と過重労働,貧困や年功序列の問題さえも「自己責任」に押し付けるマスゴミの風潮.そもそも「過労死」や「過労自殺」なんて単語,海外じゃ理解できないんじゃないだろうか.

人件費が安いし、マスコミだってうるさくない所もある。むしろ、雇用を創出してくれるってことで、喜んでトヨタをむかい入れてくれる国さえあるかもしれない。

そしておそらく様々な摩擦を引き起こすだろう.*1

低コストで優秀な人材を酷使できる経営者の楽園など,世界のどこにも無いということに経営者が気付くのは,一体いつのことだろうか.

http://d.hatena.ne.jp/KoshianX/20080612/1213282622

ということで、このあり余った時間をどう過ごすかという問題になる。普通の人はもう何もやることが無い。勉強するったって何をどう勉強したらいいかわからないし、今の生活をどう抜け出したらいいのかもわからない。情報が無い。情報がある場所に辿り着けない。

本気で金がない状況だったりしたらもっとひどい。友達に会いに行くといっても交通費や食事代を考えたらとてもいけない。他の人はファミレスで1000円程度気にしないで払うかもしれないが、その1000円が出ない。そうした状況に追い込まれると、もうひたすらひきこもるしかない。

とりあえず定額で払えてるネットならいくら使っても同じなので、ひたすらそれに没頭したりする*2。ネットが無いとひたすらテレビを見てるくらいだろうか。とにかく暇。暇で暇でしょうがない。

ほんの10年ほど前だと,ネット定額さえも夢だったんだけどね.

それで,彼の場合はおそらく携帯電話だけだったんだろう.偽装請負会社の寮では光ケーブルはもちろん,個人で使用できる電話回線さえあったかどうか怪しいとのこと.地理的にも近くのネットカフェにいくのにバイクや自動車がいるような僻地らしい.孤独感もひとしお.

秋葉原通り魔事件について、全国紙五紙社説のまとめ。」

http://d.hatena.ne.jp/syujisumeragi/20080612/1213259214

規制

http://mousouteki.blog53.fc2.com/blog-entry-6462.html
http://guideline.livedoor.biz/archives/51085423.html
ピーターパンやアニメは規制されても,トヨタのレンタカーや偽装請負は規制されない謎.

父「マクドナルドはテレビのスポンサーになるからな。ピザ屋もそうだ。でも、中華料理店はならない。」
それで、悪いイメージを一身に背負っている、かわいそうなチャイニーズの紙箱なのであった。

http://d.hatena.ne.jp/michikaifu/20080209/1202613993

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20080612/161848/

  • 三層(雇用・社会保険・公的扶助)のセーフティネットに支えられて生活が安定しているとき、あるいは自らの生活は不安定でも家族のセーフティネットに支えられているとき、その人たちには“溜め”がある。逆に、それらから排除されていけば、“溜め”は失われ、最後の砦である自信や自尊心をも失うに至る。“溜め”を失う過程は、さまざまな可能性から排除され、選択肢を失っていく過程でもある
  • というのが現状だ。つまり、「自助努力が足りない」のではなく、「自助努力にしがみつきすぎ」たために、落ちるところまで落ちていってしまう人が後を絶たないというのである。また、貧困問題を「自己責任論」で放置することは、普通に暮らしている人々、ひいては社会全体の首を絞めることにもつながると警鐘を鳴らす。

警察

http://blog.livedoor.jp/geek/archives/50672971.html
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/50674132.html
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080613/crm0806132318046-n1.htm


ここまで来ると警察も犯罪組織と変わらんな。*2

  • 見ていた人の話では『警察官の職務質問で「荷物を見せろ」と言われ、「なぜ見せなければならないのか」と言ったところ急に荷物に手を入れて調べ始めた。出てきたものは刃渡り5センチほどの十徳ナイフとペンチくらい。犯罪にはならないはずだけど警察官10人以上で2時間くらい取り囲んでいた』とのこと。
  • 2時間以上警察官に職務質問として取り囲まれていた男性はマスコミのインタビューに対して『職務質問されるときに進路妨害された。知り合いに弁護士がいたので連絡を取ろうとしたけど繋がらなかった。
http://www.akibaos.com/?p=3600

当事者となった労働者は、無銭飲食などではなく、つっけんどんな客扱いに不満を言っただけのことだった。
で、連れて行かれた西成署の3階の個室で、4人の刑事に代わる代わる顔を殴られ、紐で首を締められ、足蹴りされ、挙句の果てに両足持たれて逆さ釣りにされた。
気が遠くなると、スプレーをかけられたと言う。
生活保護を打ち切ると脅かされて、その店に近づかないという始末書まで書かされている。

http://d.hatena.ne.jp/spiders_nest/20080614
  • 迷彩柄カバンを持った若い男性が職務質問を受け
  • 職質を受けた若い男性いわく『警官の横柄なものいいがイヤだった』・『マルチツールのナイフは、自分が計ると軸から先端まで5.1センチだけど、警官が最初にナイフの長さを測ったあと、メジャーをひっくり返して計ったら6.8センチって言われた』とかだった。もっともナイフそのものは刃を潰していて、マスコミの前で「切れない実演」もしていた。
  • プロ市民が警官を釣った訳じゃないよね?
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/50676870.html

十中八九,わざとじゃなかろうか.しかし,それで釣られたとしたら警官が大馬鹿者だってことだ.無実の市民を威圧したという事実を作ってしまったし,彼らの目的が治安維持ではなく点数稼ぎの刀狩りだと言うことも明らかになったのだから.

それに「プロ市民」なんてものはない.それは単なる普通の市民で,せいぜいロビイストだ.それらは民主主義の根幹を成すものであり,民主主義の敵は警察の刀狩りの方だ.

秋葉原通り魔殺傷事件(その9)「加藤の乱就職氷河期世代の叛乱

http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/06/9_3d6c.html

  • 何が悲しいって、今まで派遣の待遇改善を訴えてデモとかしてきた奴らはいくらかいたのに、それはどこも完全に無視。加藤が凶行に及んだら、いきなり行政も、マスコミも派遣を受け入れている会社も騒ぎだした。ペンより剣(この場合はナイフだが)のほうが強かったんだなと実感したこと。
  • 暴力ではなにも解決しないというのは平和な国の幻想にすぎなかったな。対話でどうにもならない状態に多数の人間が置かれたらテロの効果が絶大になることを証明した事件。

彼が起こさなければ,いつか他の誰かが起こしただろう.

だから悲しい.こうなる前に話し合いで解決することができなかったから.

社会システムによる歯止めがきかないとなったら、テロをおこすっよなぁ。

これで思い出すのがロサンゼルス暴動.*3 白人警察官による黒人容疑者への暴行事件で,あきらかな物的証拠があったにも関わらず無罪判決が出た.だから最後の手段として黒人労働者が大規模な暴動を起こした.

LA暴動ではあれだけの物的証拠があるにも関わらず,まさか警官が無罪になるなどとは夢にも思っていなかっただけに,暴動をおこした人達に私は心から同情した.仮に秋葉原通り魔殺傷事件で誰一人市民に犠牲者が出なかったとしても,私はとても悲しい思いをしただろう.容疑者本人も時代の犠牲者なのだから.


日本にも人種差別はあるが,良くも悪くも移民の数が少なく,日本人種の脅威とはならないため大きな問題とは認識されていない.今問題になっているのは年功序列や「自己責任」という名の世代間差別.社会システムが一部の権力者のために国民に犠牲を強いるシステムとなってしまったら,国民は最後の手段に出る他ない.それをテロリズムと呼ぶかレジスタンスと呼ぶかは,後の歴史が決めることだ.

移民1000万人受け入れを 自民議連提言

http://blog.goo.ne.jp/migrant_ak/e/0e2b463280f79ad1a364df714112888f
偽装移民問題移民庁問題ですね.

提言で人種・民族差別を禁止する法律の制定も視野に入れています。

当然だが,質のの悪い冗談にしか聞こえない.

日本人の派遣労働と同レベルの環境に置かれて「人種差別はしてません」と言ったところで,何の意味がある?そんな非人道的な状態に置かれて,いつまでも彼らが黙っているとは思えない.人道的見地から大規模な暴動を起こすかもしれんぞ.マジで.


そういえば,住宅を借りる時などに必要になる,保証人制度は残すつもりなのかな.保証人が用意しにくい移民に対し,「日本人と同様に保証人を用意しろ.これは差別ではない.」というのは酷だと思う.ネイティブの日本人でも親兄弟に保証人になってもらえない人場合は,問題は結構深刻だ.そう言えば加藤容疑者も親との仲が悪く,兄弟もいなかったようなので保証人の確保は極めて困難だったのではないだろうか。

1995年時の文献ですので大分ふるくなっているかもしれませんが、出生率が低下してきているなか(今年を除いて)さらに必要な受入数が増えているのかもしれません。

経済が停滞しているのも忘れずに.出生率が低下しているのはそれだけ経済的に追いつめられている裏返しでもある.

提言は、50年後の日本の人口が9000万人を下回るとの推計を挙げ「危機を救う治療法は

(緩やかな)人口減少そのものは大変結構なことと存じます.人口が多すぎることが日本の問題の一つだから.

「住み込み型派遣労働の規制を!」

http://www.labornetjp.org/news/2008/1213423530941staff01

一、住み込み型(アパート付き)派遣労働を、法と行政で規制することを求めます。

二、社員寮に居住する労働者を「雇い止め」または解雇する時は、使用者は労働者が次の住居を見つけるまで居住を保障するようにして下さい。

三、住居を失った労働者が、尊厳とプライバシーを脅かされないで生活を再建できるセーフティーネットを確立して下さい。

そこで、住み込み型(アパート付き)派遣労働の求人が著しく増加していることを憂慮していました。なぜなら、これらの仕事のほとんどが有期雇用で、労働者は雇用契約期間が終わると、「仕事」と「住居」という最も基本的な人権を同時に失う危険に、その都度直面するからです。

そして、住居を失った労働者の支援に取り組んでみると、行政のセーフティーネットを利用しようと思っても、生活の再建が著しく困難であることも痛感させられてきました。

昔,少しだけ書いたことがあるけど,社宅というのは転職活動にとっては落とし穴になる。新居の確保は前職を辞める前というのが基本だ.

さらに言えば,社宅や住宅ローン,敷金/礼金や保証人というのは実は雇用流動性が低い時代の産物なんだよね.本気で雇用流動性を高めるのであれば,これらの問題も解決する必要があった.住宅問題は昔のままで,雇用流動性/不安定性だけが増してしまえば,社会不安が増大するのは避けられない.

もし本気で雇用流動性の高い社会を作るつもりなら*4,そういった住宅事情にもメスを入れ化ければならないだろうね.解雇規制を撤廃するのはさらにさらに後の話.

秋葉原の無差別大量殺傷事件についての7つの雑感」

http://d.hatena.ne.jp/T-norf/20080613/akiba2

日本中探せば何万人っていうオーダーでフツーにいそうなヤツなんだよな。そしてこんな他人を巻き込んだ悲劇じゃなくて、ニートや引き込もりになるやつが大半で、でも自殺者もいっぱいいるんだろうなぁ...。

彼の場合は親との仲が悪かったらしい.普通だったら本当に行き場が無くなれば親元へ帰ってニートになる.*5

彼の場合は帰る場所がなかった.
どこへも行く場所は無かった.
だから解雇されただけで,完全に追いつめられてしまったのではないか.

いくら世界平均からは突出していようが、派遣社員の給料で一生終わると思ってしまったら、結婚が非常に困難な現実があり、自動的に惨めになるし、格差を自覚してしまうのだ。だから、非正規雇用問題はメンタルではなくて社会的に解決しなければいけない問題だと思う。

今回の事件で、「恋愛」を問題視した意見をあまり聞かないけど、町村官房長官、ぜひ「恋愛が犯行に駆り立てた理由であったのなら、できるだけ恋愛していくという問題意識で考えないといけない」ということも検討してみて欲しい。

そういう意味でも,彼は意外なほどに普通の人間だったように思える.そう,私よりもよほど善人であった.


好きな人と結婚し,子供を産み,幸せな家庭を持つ.週末にはピカピカに磨き上げた愛車でドライブにでかける.

そういうささやかな幸せを夢見て,しかしそのちっぽけな幸せが実際には一生手が届かない高嶺の花だという現実を突きつけられた時の絶望感はいかほどのものだろうか.

7.私の手は血で汚れている

これは,正にその通り.

*1:近未来の予想ではなく,既に起こっていたか.http://d.hatena.ne.jp/osahune/20080613/1213348015

*2:http://www.liberal-shirakawa.net/idea/policestate.html

*3:だったかな? http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B9%E6%9A%B4%E5%8B%95
「暴動鎮圧のために州兵は元より、4,000人を超える連邦軍(陸軍、および海兵隊)部隊までが投入され、さらには司法省が、公民権法違反(人種差別行為)容疑でのFBIによる再捜査をアナウンスするなどの努力によって6日間に渡った暴動はようやく収束を見た。しかし、暴動による被害は死者50〜60人、負傷者約2,000 人を出し、放火件数は3,600件、崩壊した建物は1,100件にも達した。被害総額は8億ドルとも10億ドルともいわれる。

*4:http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20080603/p1

*5:それが良いとも思わないけど.