この業界ではよくあること

うつ病っぽい人への対応の仕方が分からない」

http://anond.hatelabo.jp/20080823023553
http://anond.hatelabo.jp/20080823115723

まずは不満を聞いてみた。

そういう所では信頼していない人には本当のことは言わず,当たり障りのないことで誤魔化すでしょ.まずは信頼関係を築かないといけないけど,客先常駐させてる時点でおそらく無理な話では.

最初は一人じゃなくて、先輩と一緒に常駐してた。
でも、その先輩の言うことを全然聞かなくて文句ばかり言って、最終的には「その人とは仕事できない」とまで言い出したんだ。
まあ人と人なんで合わないこともあるよ。これは仕方ない。

それって,単純にその先輩が馬鹿なだけかもよ.この業界にはよくいるから*1.というか,普通に中小(ブラック)IT企業の客先常駐やってる人間で優秀な人材なんて,本当に一握りだと思う.中小IT企業でまともな先輩に恵まれるなんて幸運は,宝くじで1千万円あたたるより難しいかも.

そういう時は馬鹿な先輩は全く平気なんだが,マトモな人は心が折れそうになる.だって先輩自身は自分がいかに愚かで無駄なことをしているかという自覚がないけど,後輩の方はそんな先輩の巻き添えを食って自分の人生を浪費させられるから.死ぬなら自分一人で死んでくれと思いたくなる.

http://d.hatena.ne.jp/katzchang/20080823/p1

想像してみなよ。
一人寂しく客先で座っててさ、そこの人に聞かれるんだぜ。「○○君、これって出来そう?どれ位かかるかな?」って。カジュアルに。全然判らないのに。そんな状態で、どう答えろって?
「いやー、僕はよくわかりません(笑)」って爽やかに対応出来る奴って、それだけで才能だと思うよ。付け焼き刃の知識仕入れて何とか答えていくしかない、そう考えても全然不思議じゃない。だって、相談する人は近くにいないし、そもそも誰に相談すればいいのかわからない、相談しても相手にしてくれない。相談する相手が悪いのかそれとも自分の聞き方が悪いのかわからない、それすら誰に相談すればいいのかわからない。
こうやって、自己評価の深みにハマった新型うつ病患者が誕生していくわけだ。そりゃ、不安定にもなるよ。仕事行きたくなくなるよ。遅刻してでも仕事行くって、意外と大変なんだよ。

私の経験から言って,鬱になるストレスにも二種類ある.

典型的な鬱病の場合は長時間ハードワークの燃え尽き型.地は元気な人なんだけど,それが燃え尽きるまで1日24時間,1年365日酷使される.最初は元気だった人も半年〜一年もすると身も心もボロボロになって,最後は生ける屍になる.

もう一つは,賽の河原の石積み型.古くは「鞄持ち」や「コピー取り」のように労働自体は簡単で負担も少ないのだが,とにかくやり甲斐がない.同じことの繰り返し.やってる内容も同じだし,きょうやったことが明日になるとクリアされて一からやり直し*2.努力しても成果を出しても何も評価されないし,将来への希望もない.心が壊れそうになるほど精神的には虚しいけど肉体的な負担はそれほどでもないから,仕事が終われば飲みに行ったりしてストレス発散する.むしろ発散しないとやり切れない.それでも昔は「三年我慢すれば〜」みたいな儚い希望があったけど,今だと「三年泥のように働いたら捨てられる」というのも珍しくないから,必死で耐えているだけでは泥沼から這い出すのは永久に不可能になる.


新型鬱って,意外と後者のタイプじゃないかな.

http://d.hatena.ne.jp/ryunpaq/20080823/1219485605

社宅であっても通勤時間が1時間半を超えるし、給料は安いし、ボーナスはないし、その後のキャリアパスが見えてこないし、地元には帰りたいし(彼にとってはここが重要だったようだが/笑)、会社はどうなるか分からないし(上司はこの会社の正社員ではないから潰れても気にしないだろうが…とよく言っていた),etc...といったような状況だった。

そして年が明けてから、遅刻や欠勤が目立ってきた。

http://d.hatena.ne.jp/umikaji/20080823/1219506490

社員の9割が客先常駐の状態、って事?

信じられないかもしれないけど,そういうことです.

偽装請負とか人転がしとか,そっち方面に近いでしょう.そして,こういう会社形態はIT業界ではそんなに珍しくない.*3

ということは、仕事のバリエーションは結構あると推測するわけですが。

選べるとは言うものの,「A社の我が侭担当のご用聞きと,B社の炎上プロジェクトの火消しと,C社の24時間勤務と,その中から好きなのを選べ」ってな状況かもしれないわけで.どれを選んでも地獄行き.そもそも美味しい仕事なんて,滅多に零細IT企業に転がってきたりするわけない.

技術がなくても全く構わないような内容で、ほとんどやる事はない、というような、空しくなっちゃうような事なのでしょうか。

建て前と本音は違うよ.建て前は「誰でも出来る簡単な仕事」と言いながら,実際はかなり高度なプログラミングをやらされていて,しかもA君の上司はそれをまったく分かってないってことも十分有りうる.

「納得できないなら、会社を辞めろ。」と。

そして誰もいなくなった

それが今のIT業界.

http://anond.hatelabo.jp/20080824020306

なんでこんな部署が成立するんだって不思議だったけど、この業界では普通なことなのか?

ディレクションに行った奴らに関してはまともな知識すらない状態なのに
そんなやつらを月数十万で雇ってくれるところがあるんだから世の中わからん。
そしてそんな風に投げ出される奴の気持ちを理解してくれ。
何にもできないのに何故か期待されてる状況って本当にきついぜ。

*1:たとえば,こういうダメ本を囓って,それに染まっただけの自称ベテランとか. http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20080401/p1

*2:特にITだとね.「車輪の再発明」って言葉もあるけど,来る日も来る日も,朝から晩まで車輪の再発明ばかりやらされてたら,そりゃあ気持ちも落ち込むって.

*3:だからブラックだって言われるんだけどさ.