できない上司

http://kokoro.squares.net/psyqa1498.html

私は「人の心の奥底の感情の動きに対して、正しいとか間違っているとかを他人がジャッジすることはできない。でもそれをそのまま仕事の場面に持ち込む行為は社会人としては不適当だと思う」と返答しました。
けれども、Aさんの関心はとにかく「自分の感情の動きが正しいか間違っているか」の一点に絞られている様子でした。その問いを発するとき、Aさんの表情は顔の左右がアンバランスにゆがみ、目がすわっている感じで、こういう言い方は不適当かもしれませんが、個室内で一対一で話しているのが恐くなりました。

恐いという個人的感情を仕事の場面に持ち込むのは,社会人として不適当ではないのだろうか?*1

前の上司Bさんも私も、Aさんが以前勤めていた会社の上司も、曖昧な指示を出すことが多く、Aさんはどう動いてよいかわからないとのことでした。
たとえば「一応事前にE社に伝えて仁義切っといたほうがいいよ」(コンペの参入業者を増やすとき、普段から無理を聞いてもらっている古参業者E社に事前通知するように、との指示)、「関係者全員、早急に集まって話を擦りあわせておいてね」(ある問題が発生したとき、関係者全員集まって状況確認と対応協議するように、との指示)、といった私からの指示がまったく理解できなかったそうです。

いや、それは分からなくて当然.「仁義を切る」なんて単語はどこかのマンガか映画のヤクザ以外では見ないと思うよ.「話のすりあわせ」にしてもそう.かなり曖昧で既に何度も議論を交わした相手なら,言われずとも「話のすりあわせ」は既に完了している.今更同じ話を蒸し返すのを疑問に思っても不思議は無かろう.

内容だけではなく、それが自分に対する「指示」だという事実がわからなかったそうでまったく実行しておらず、結果的にはそれがさらにトラブルを拡大させたようです。

「一応〜しておいた方がいいよ」は「指示」とは言わんわな.自分でおかしいとは思わないのが不思議だ.


こういうできない上司の指示とも言えない指示の曖昧な意図を理解することなんて,人間には絶対に無理だと思いますね.*2

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  • ぶくまを集める理由が不可解

まったく.

  • プログラマーまたはデバッガーに向いているのはむしろ上司ではないかと。

たちの悪い冗談だ.こんな人が作る「仕様書」のせいで,一体どれだけのデスマーチが起こって,どれだけの人間が犠牲になってると思ってるんだ.

そういうところの管理職は当然一流でダンコガイクラスがきっとごろごろいて日々切磋琢磨してるのだろう。

………ダンコガイって優秀か?全然そうは見えないけど.

http://d.hatena.ne.jp/toruot/20081206

いや、ひどく「差別的」じゃないですか、これは。あんたコンピュータの何がわかってんだよ、と思いますがそれはさておくとしても。質問を読む限り、Aさんが自分の判断のもと行動していることはそれなりにあります。トラブルに結び付くことが多いようですが。相手を激昂させるのも食事中に書類を見せるのも、Aさんが能動的にやったことです。

自分で考えて行動することはコンピュータにはできませんから、「コンピュータのような人」というのは、単純に間違っています。

Aさんが独自に判断して行動すると、質問者の方にとって都合が悪い結果が出るから、「出来ない」ことになるんです。だから「出来る」ようにするためには、Aさん独自の判断が入り込まないように「明確に指示」する必要がある。

Aさんが「コンピュータのような人」なのではありません。Aさんと質問者の方の常識が一致しないのです。

うむ全くその通り.私の違和感を的確に表現してくれている.プログラマーなら多かれ少なかれ「コンピューターのような人」という表現には同じような違和感を持ったことだろう.

そして結構重要な点として,「常識が一致していない」という部分.日本人同士でさえも常識が一致しないのに,国際化社会で相手が自分と同じ常識を共有してくれることはまずない.お互いに常識が異なることを前提としたコミュニケーションのできない人間に,外国人との対話は不可能でしょう.

この上司はいわば「井の中の蛙」ということなんですよ.

これのどこがコンピュータだと言うのでしょうか。ものすごい感情的なのですが。

まあ確かに感情的すぎる部分は彼の欠点だとは思うけれど,得てして上昇志向の強い野心的な人というのはこういうもので.試合前日のプロ野球選手なんてピリピリするし,勝利を得るためになら常に全力投球.プロならば職場が戦場なんですから.

それに加えて,こういうできない上司を持てばストレスだって貯まるし,イラつくのは人間としては無理からぬ所だと思います.

「食事中に書類を見せる」ってのは、「書類をみてもらう」という行為を遂行することだけが念頭にあって、質問者が食事中であることを考慮しなかったということで、まさにこいつに該当する。

んなことはない.「常に」とは言わないけど,こっちの業界なら食事しながら作業を続けるなんてザラだよ.米国でもマネージャークラスともなるとランチを取りながら社外ミーティングなんてのもあると聞く.*3

「食事をしている時は書類を読めないという常識」は絶対的なものじゃないってこと.

http://d.hatena.ne.jp/strongaxe/20081205

なぜなら、彼と似たような人間類型を、私たちはすでに共通理解として持っているからだ。ヤクザやチンピラのようなアウトローや、暴走族や右翼がそうであるような社会からのはぐれ者であれば、このような振る舞いをするだろうことが想像「可能」だからだ。

完全に同意するわけではないけれど,非常に興味深い意見だ.


言い変えれば,性格の違いや障害によるものではなく,社会的な価値観や常識の違いでしかないということです.

そして私はこういうタイプの人間は,「上昇志向の強い野心的な人」でもあると思う.れが行きすぎることもあるけれど,情熱を忘れた人間よりはよほど好感がもてる.


もう一つ気になるのは,ココで上げられている性格の類型が「血液型性格診断」と同レベルの曖昧な物であることです.「A型の人は几帳面で〜」と言われると,多くのA型の人間は「自分に当てはまる」と答えてしまうもの.今の段階でのアスペルガー症候群は血液型性格診断と同じ危険性を抱えていると思う.つまり「A型の人は几帳面だから,こういう仕事はむかない」というわけだ.「アスペルガー(の可能性があるかも知れない)人にはこういう仕事は出来ない」なんて神話を鵜呑みにするのは,血液型で自分の将来を決める人だけにしてほしい.

*1:逆に「目が据わっている」というのは,自分の感情を押し殺して仕事に専念している人間の表情かもしれない.

*2:とはいえ「IT業界で最も重要な技術は行間を読むことだ」なんて笑えない冗談もあったりなかったり.そんな馬鹿な上司を持つと部下はさぞやストレスの貯まることでしょう.

*3:今は不況だからないかもしれんが.