猫も毒ガエルも食べるアライグマ
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090427-OYT1T00061.htm
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090427-00000061-yom-sci
アライグマの名前の由来でもある「物を洗う」という行動は,動物園のような人工的な環境でのみ見られる行動で,自然界では見られないとされていた.*1 *2
皮膚から毒を分泌し、天敵がほとんどいないとされるアカハライモリやニホンヒキガエルを餌にしていたことがわかった。
詳しく調べた結果、6匹とも通常の餌はそのまま食べるが、においで餌に毒があると判断した場合、両前脚で、最長10分余りも地面に、こするなどしてから食べていた。刺激を与えて体内に蓄えた毒をすべて出させ、こすり落としてから口にしているとみられる。
持田研究員は「毒を絞り出して餌にする動物は他に聞いたことがない。何でも工夫して餌にする摂食行動が、故郷と環境が異なる場所にもうまく順応できる理由の一つなのかもしれない」としている。
しかし今回の研究で,毒を地面にこすりつけるなどして毒抜きするという例が報告されたわけだ.ひょっとしたら「美味しくない動物」について,食べられないので例の洗うような行動*3をしていたのかも.そうやって遊んでいるうちに美味しくない動物がいつの間にか美味しくなっていたので,その時の経験が広く定着したというようなことかもしれない.
しかしアライグマ研究としては画期的なんだろうけど,これを「洗う」と言って良いのかは,ちょっと疑問だな.
*1:ちなみに凶暴な肉食動物. http://www.chikawatanabe.com/blog/2006/06/post_12.html
*2:最初に知ったのはブルーバックスじゃないかと思うけど,書名は失念.コレだったかな? 動物たちの社会を読む―比較生態学からみたヒトと動物 (ブルーバックス)
*3:平たく言うと「獲物をいたぶって遊んでいる」だけなんだけどね.