「いかにして私は社会人になり、そして脱落したか」完結編
http://d.hatena.ne.jp/tell-a-lie/20090502/p1
先輩はテープレコーダーを用意し、前から話していた通り会社から借りている工数分は返済してからじゃないと退職できないと言った。新人が担保する工数は自分自身の給料、交通費、研修を担当した先輩達の研修分工数を人数で割った分と様々で、最終的に僕が会社に返さなくてはいけない金額は保証金という名目でかなりの額になっていた。弁護士にも認められているし、入社時に会社への損害が発生した場合は賠償金を支払うということで誓約書も書いているから、これは理解しているよね、と先輩は言った。
さ,さすがにネタだと思いたいんだが,「ウソだ.こんな会社あるわけ無い」とは言い切れないんだよなあ....*1 *2
恐らくこれを読む人は払う必要なし、どこどこへ駆け込め、と言うだろう。僕が今誰かに相談されたら同じことを言うだろうし、相談先の連絡先まで調べて伝えるだろう。しかし泣き言ではないが僕には無理だった。僕の周りにはこういったことを相談できる人間はいなかったし、今ほどネットが普及しているわけでもなかった。何より僕は正常な判断ができる状態ではなかった。この日も僕は処方された薬を予定より多く飲んでいて、度々トイレに駆け込んでは便器に胃液をぶちまけていた。僕はただ楽になりたい一心で書類にサインしたのだった。
やっぱしインターネットの存在はでかいと思う今日この頃.
つらい時にはこれを見返して、あの会社のことを思い出す。次の会社でも色々あり、そこが潰れてから入った今の会社でも色々あった。また鬱病と診断される羽目になり、薬を飲んだり自傷してみたりした。その間に何人かの女の子と寝る幸運に恵まれ(女を抱いたことのないチンカス野郎と馬鹿にされた僕が!)、いつの間にか結婚して、平凡な毎日を過ごし、たまにバカな日記を書いている。あそこでの経験が僕に何をもたらしたのだろうか、と彼の命日が近付くこの季節に考えるが、答えは出ない。あの事で決して強くなったわけでも大人になったわけでもない。ひどい目に会ったことは間違いないと思う。けれど結局は生きていて、たまに幸せだと思ったりする。だからいざとなれば逃げればいい、死ななければ何とかなる、というのが唯一学んだことかもしれない。僕がこうやって書いている様に、何があっても全てはいつの間にか過ぎ去り、ただの感傷になってしまうものなのだ。
http://d.hatena.ne.jp/tell-a-lie/20090502/p2
ちなみに退職後に母校の就職課にいって全て話した時に担当の人が「各学校にブラックリストとして連絡しておく」と言ったけれど、本当かどうかは知りません。いちいち企業名を照らし合わせて学生に伝えるなんてことをするとも思えないし、私だってリクナビで見付けたのだから大学が関与して斡旋したわけでもないので。
考えてみれば,就職氷河期な中でも人材を大量採用しているブラック企業って,転職サイトのお得意様ですよね.リクナビなんかが彼らにとって都合の悪いことをするわけないんですよ.*3
これを読んで「これうちのことかおらー!」とかバカな事を言ってくる企業担当者が居れば面白いのに残念ながらいませんでした。
そんなことすれば,この話が事実だと自ら暴露するみたいなもんですからね.だからこそ,たとえネット上でどれほど話題になろうとも,彼らは知らぬ存ぜぬを貫くと思います.
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/tell-a-lie/20090502/p1
- id:lakehill こういうのを読むと「石の上にも3年」が通じるのはまとな会社だけだなあ。ブラック企業はさっさとやめないと身も心もボロボロになる