新型インフルエンザ : パニックを煽る者

リスク管理

うわずった声で「PCR」「疫学的調査」とかうろおぼえの言葉をふりまわし(聞いていると「よく知らないんだな」と納得しちゃいますが)、話の中で部分的にメモレベルで入っていることを加えながらなが〜い一文をだらだらしゃべって。
フェーズ4以降訓練ではプレス発表訓練も入っていましたが、こういうのやっちゃだめですよ、というサンプルで示した記者会見そのものです。(今後の研修会で教材として使えますので録画をお勧めします!!)

http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/037f4d76ea32a240d053be948b77509a


残念ながら見てなかったけど,そういうことなら同意.「疑い」段階で大臣自らパニックを煽ってどーするよ.


自分もやったことはあるけど,たとえ本当に危険な時でも回りの人を安心させるために,わざと落ち着いてみせるのは基本でしょ.医者や有名人ならなおさら.*1

陰謀論(その1)

http://rate.livedoor.biz/archives/50800667.html

私個人は最初に、「これは豚起源ではなく、細菌兵器によるものじゃないの?」という印象を抱いた。そして、その後も、その第一印象が払拭されることはなく、個人的確信に変わりつつある。

AIDSの時にも似たようなことを言ってた奴はいるが,インフルエンザはAIDSとほぼ同じ理由で生物兵器としては全く不適切なのだ.

  • 変異が起こりやすく,予防薬/特効薬が作れない.よって自軍にも被害が出る恐れが高い.
  • 潜伏期間が適切でない:AIDSは長すぎ,インフルエンザは短すぎる.

これでは「敵軍に与える被害を最大化し,自軍に与える被害を最小化する」という,兵器が持つべき最も基本的な性質さえも満たせない.

私が生物兵器を作るなら,真っ先に天然痘あたりを考えるかな.まあそれ以前に生物兵器は制御し難いので,通常兵器かせいぜい化学兵器を使うことをまず検討するけど.*2

陰謀論(その2)

http://blog.goo.ne.jp/hienkouhou/e/f43ffb16b551177d40ba128b645753f1

本来は、豚にだけ感染するはずのインフルエンザウイルスが、変異して豚から人へ、さらには人から人へ感染するようになったのでは、という疑いが出てきたとか。鳥インフルエンザ」と同じ手口と見える。つまり遺伝子操作して新たなウイルスを作ったのではないか。

いや,もともとインフルエンザは人,鳥,豚の間で感染してるし,突然変異も起こってるから.

その突然変異を起こしている豚や鳥起源のインフルエンザのうち,ごく一部が人間にも感染するようになり,さらに希に凶悪な毒性を有することがあるかもしれないだけ.それがどの程度の確率で起こるかは神のみぞ知る.


実際には豚インフルエンザも全然たいしたことない可能性もあるけれど,だからと言って何も対策をしなくて広まってしまい,その後になって実際の死亡率が予想以上に高いと判明した場合は手遅れになる恐れがある.だから念のために最悪の事態を想定し,感染が広まる前に封じ込めようと躍起にならざるをえないのだ.

*1:所詮はお芝居なんだが,重症患者に対しての決まり文句は「傷は浅いぞ,しっかりしろ」だよね? 「いや〜深い傷ですね.この傷だと治療しても助かる見込みはほとんどないですよ.でも駄目で元々だし一応治療してみます.」なんていう医者は普通はいないぞ。

*2:そもそも殺傷力さえも本来は不要だけどね.対人地雷と同じで,敵兵士の戦闘力を奪って足手まといにする方が,殺して死体にするより戦術的には有効だ.激しい下痢や腹痛,吐き気などを起こすことができれば,その治療に要する人手だけでも敵軍に大きなダメージを与えることになる.単にくしゃみが止まらなくなるだけでも,戦闘力は相当おちるだろう.