いつから「仕事が早い人」のテクニックが分析できるようになったんだよ

http://president.jp.reuters.com/article/2009/05/09/87F11F8C-3AC5-11DE-9955-E5BF3E99CD51.php
http://president.jp/articles/-/679
すげー胡散臭い記事.

なにか書こうかと思ってたけど,こっちでだいたいまとまっていたのでパス.
http://slashdot.jp/~okky/journal/475256

このPNSのテストを見るとわかるのが「定型の仕事だと安心する」「変化が怖い」人がハイスコアを出しやすいようになっていること。そういう人の仕事は、例外的な現象が発生しないと早いが、例外的な現象が発生すると救いがたいほどのミスを連発し撃沈する。

これは『例外処理』を全くやっていない、という事だ。作業ステップの要所要所で確認するべき内容を確認しなければ、そりゃ一見「仕事が終わるまでの時間」は短い。また、そうそう例外的状況っていうのは起こらないから、十中八九のケースでこういう人の仕事は無事終了する。

ちなみに「くまのぷーさん」タイプと書かれている人間は勤勉性が低い、とあるが、それは勤勉性の定義と、測定方法の間に乖離がありすぎるという事でしかない。くまのぷーさんタイプの 90% はただののろまだ。しかし最後の 10% は『本当に仕事が速い』人であり、その速度を維持するために意図的にテンポを落としている。

急ぐ必要の無い部分、丁寧にチェックする方がよい部分ではスピードを上げない。結果として手戻りを減らし、絶対速度を上げる能力のある人間こそ本当の意味で勤勉であると測定されるべきなのだから。

デバッグのことを考慮せずにコードを書けばそりゃー早い.

だけどそういう人のコードというのは,デバッグ段階に入るととてつもなく手間がかかる.*1そしてデバッグまで含めたトータルのコストでは,結局は高く付くものだ.


そもそもここでいうPNSとは,あくまで心理学「実験」で使われる指標の話だよね.「初歩的な課題をこなすこととPNSとの相関関係が見られた」という予備的な実験結果があるだけで,「仕事が早い人はPNSが高い」とか,「怒りっぽいのはPNSが高いせいだ」なんてことは誰も言ってはいないのよ.


あと普通に考えれば仕事が早い人は,仕事の成果に厳しいのも当然だと思う.仮に平均的には8時間かかる仕事を8時間かかる平均的なAさんと,倍の時間かかるBさんと,2時間でできる優秀なCさんとがいて,同様に8時間でその仕事が終わった時のことを考えてみればいい.

  • Aさん:8時間で終わった.まあ,いつも通りか.
  • Bさん:たったの8時間で終わった.今日はノンビリ酒でも飲むかな.
  • Cさん:8時間もかかってしまった.無駄になった6時間分をカバーするのに今晩は徹夜覚悟だ.

一番ストレスが溜まるのは,一番仕事をこなすCさんになるのは当然だと思うよ.*2

*1:素人には「予想外」に.専門家にとっては「予想通り」に.

*2:無能な上司にイラつく時がこのパターン.普通にやれば2時間ですむことを8時間かけて糞コード作って,それで平然としてるんじゃねえよと.