「なぜGMは転落したのか―アメリカ年金制度の罠 」
http://slashdot.jp/~chibafx/journal/477532 経由
- 作者: ロジャーローウェンスタイン,Roger Lowenstein,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/02/01
- メディア: 単行本
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「なぜ日本は転落したのか − ベースアップの罠」と言い換えてもいいかもしれない.
GMに関する記述は本書全体の3分の1程度で、残りは米国の公務員年金に関する記述である。
全般的には、企業年金の給付を巡っての、労働組合の際限なき要求と経営陣の妥協が招いた顛末を綴った内容。年金給付の引上げは、原資を直ちに必要とする賃上げとは違い、原資の積立てを将来に先送りしたまま約束だけは容易にできてしまう。そのため、労働組合および経営陣双方の体面保持と点数稼ぎのために企業年金給付が「労使交渉の具」として利用されて来た経緯を本書は詳細に綴っている。
.....それって,まるで年功序列賃金だよね.
年功序列賃金とそれを元にした退職金の引き上げは,原資を直ちに必要とする賃上げとは違い、原資の積立てを将来に先送りしたまま約束だけは容易にできてしまう。そのため、労働組合および経営陣双方の体面保持と点数稼ぎのために年功序列賃金(ベースアップ)が「労使交渉の具」として利用されて来た.
そして今では経営者と労働組合は,『正社員』の雇用と給与を守るためであれば,どんなことでもする組織になってしまった.
知人の会社が、派遣社員300人カットして、親会社から中高年正社員を受け入れるらしい。人件費は大幅に上がってしまうため、新卒採用も凍結するそうだ。本社の決定だが、もちろん労組も全面的に支持している。というより労使で一緒に決めたことだ。
なにはともあれ、これで赤字ラインの中高年正社員さまの生活は守られたわけだ。「労働者の生活を守れ」と叫ぶ人たちのいう労働者とは正社員のことなので、基本的に学生や派遣さんは含まれていない。
http://blog.goo.ne.jp/jyoshige/e/b9c615aa4d4091deaf4e68648da891a4
ついでに.
トヨタがGMを越える日 ―なぜアメリカ自動車産業は没落したのか THE END OF DETOROIT
- 作者: ミシュリン・メイナード,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/09/16
- メディア: 単行本
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ビッグブルース―コンピュータ覇権をめぐるIBMvsマイクロソフト (アスキーブックス)
- 作者: ポール・キャロル,近藤純夫
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 1995/11
- メディア: 単行本
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