「すべてはリビーの死から始まった」

http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/blog/kurofunet/snagamatsu/200912/513543.html
メモ

リビーは救急外来で診察を受けた後、経過観察目的で一晩入院し、しばらくの間、点滴を受けることになりました。その後、強い悪寒(ふるえ)を示したので、メペリジン(Meperidine)という、現在でもアメリカで使われている鎮痛薬が注射されました。その2時間後、彼女の体温は41.2℃まで上がり、心肺停止状態に陥って翌朝には帰らぬ人となりました。

現在では、彼女の飲んでいたフェネルジン(Phenelzine)という抗うつ薬とメペリジンの相互作用のために起きたセロトニン症候群によるものであろうという意見が多数を占めています

事実が明らかになっていく中で、当然のごとく疑問になったことがあります。レジデントの過労や睡眠不足がリビー事件の引き金になったのではないかというのです。1984年当時はレジデントが休憩なしに連続36時間勤務することが可能でした。リビーを診察した時点で、そのレジデントらの勤務時間が18時間を超えていたことが分かると、「病院で疲れ切ったレジデントが働いているのは危険である」と、新聞、雑誌、テレビなど主要なメディアが指摘するようになりました。

当該のレジデントらを殺人罪で起訴することができるか検討するように命じました。ところが、大陪審の導いた結論は以下のようなものでした。
 『起訴事実は否定しようがない。だが、他のLevel1(最高次)の医療施設でも、レジデントが十分に監督されることなく医療行為を行なっている可能性があるのは、憂慮すべき事態である。緊急時に、重篤な患者が、卒後研修中の医師によって治療されること自体は許容されるだろう。しかし、年長の医師と相談されることなく、治療が開始されている。その結果、最も重篤な患者が、最も経験のない医師によって治療されている。(中略)さらに、インターンやレジデントが長時間労働にさらされることによって、医療の質に悪い影響を及ぼしている。この慣習は、病院の予算にとっては好ましいかもしれないが、その代償として医療の質が犠牲となっている。患者に適切なケアを提供し、かつ卒後研修中の医師が学習するためにも、医師は常に、頭の中が明瞭にさえていないといけない。よって大陪審は、インターンやレジデントが連続して働くことを規制する法案を作ることを提案する』(ニューヨーク州高位裁判所、1986)
判決としては、レジデントおよび指導医の過失(negligence)を認定し、75万ドル(後に35万ドルに減額)の賠償責任を負わせますが、懲罰処分は下しませんでした。また、病院自体の監督責任も認めませんでした。

日本じゃ「レジデントの単独犯」で決着がつきそう.

ましてやIT業界じゃね.