レモネード売りから始まる起業家教育

「少女のレモネードスタンドから学ぶ9つのマーケティング術」
http://www.webcreatorbox.com/webinfo/lemonade-stand-marketing/

ブコメを見てるとタイトルが大げさとかの意見があるけど,実はレモネード売りはアメリカの子供達のメジャーなアルバイトだそうな.そして子供達はそのなかで稚拙ながらも経営学を実戦的に学ぶものだと聞いていれば,このタイトルにも納得できる.

子ども向け「商売の心得10ヵ条」に学ぶ

http://blogs.itmedia.co.jp/koji/2007/07/10_3d4c.html
http://www.inc.com/multimedia/slideshows/content/10tips.html

  1. 助けてもらおう ― ひとりでなんでもしようとするな!
  2. 交渉しよう ― 街いちばんの建築家にスタンドの設計を交渉してみよう
  3. 目立とう ― 他のスタンドよりも目立たせよう
  4. 資金を集めよう ― 店を始める資金を両親に頼んでみよう
  5. よい場所を見つけよう ― 歩行者の多い場所に店を構えよう
  6. 品質はケチらずに ― 最高の材料を買おう。それがお客さんに分かるようにしよう!
  7. 高く売ろう ― 良いレモネードに見合った値段をちゃんと付けよう
  8. いろいろ売ろう ― クッキーの他にも揃えてみよう
  9. 失敗から学ぼう ― 全てのレモネードチャンピオンが通った道だ
  10. 知っている人を活用しよう ― 写真家にスタンドの写真を撮ってもらおう。先生に宣伝文をチェックしてもらおう


これは,この話にも通じるものがあると思う.

 まず、経験が長かったということ。競合に勝っていける店舗、稼げる店舗を作るにはどうしたらいいのか、すでに知っていた。ここには売場作りも、人の運用も、あらゆることが含まれる。つまり「その立地の最大のポテンシャル」を引き出せる自信があった、ということだ。

 次に立地の選定眼があったということ。都合7店舗くらい、うち店長をやって面倒みた店舗だけでも3店舗。んで、中規模のスーパーを競合にブッ建てられた経験1、同社競合2回、ライバル競合数知れず、異種競合にいたってはよくわかんね、という経験を経てきた。本部がいう「車の通過台数」とか「通行人数」「商圏人口」なんかがあてにならないことは「最初からわかっていた」。ポイントは、人の生活動線がどうなっているか、その立地が地域の人にとってランドマークになりうるかということで、外部の人間にはわからない「地元民だけの動線」というのが確かに存在する。現に俺はいまの店をやるまでに2店舗ほど断っている。いまの店より予測売上はいずれも高かったが、俺の目にはクソ立地に見えた。だから断った。

http://d.hatena.ne.jp/nakamurabashi/20091227/1261924397

レモネード売りを始めるだけなら誰にでもできる.それだけに売上を伸ばそうとすると競合他社との(実に微笑ましい)熾烈な競争に打ち勝つ必要があるのだろう.

レモネード・アントレプレナーシップ

http://d.hatena.ne.jp/michikaifu/20080415/1208289694

片付けを手伝いながら、経緯を聞いた。お友達とお父さんがたまたま通りかかって買ってくれた話、近所の人が何人か買ってくれた話。まだ6歳の弟が「レモネード、買ってください」と言えば、そりゃ近所の人は断れないよね。特に、「売上げは寄付します」という殺し文句がついて、それで断ったら正しいアメリカ人とは言えないよね。(笑)近所の人にしても、子供がレモネードを売るというのは「日常のほほえましい風景」。「近所のおばあちゃんが、1ドルもくれた。」「今日は暑かったから、パーフェクトだったんだよ。」兄弟は興奮して話していた。

CEOである兄は、売上げのうち1ドルだけを寄付することにし、あとは山分け、ということに決定。「え、なんだそりゃ!」と思ったけれど、彼らのお小遣い稼ぎというインセンティブもないといけないだろうし、まぁこれも、任せることにした。

アメリカの子供が最初に試みる伝統的アントレプレナーシップ、「レモネード売り」。これもまた、のどかなアメリカの風景。

こうやって、「営業トークは信用してはならない」という貴重な教訓を,身を以て実践できるわけですね.

起業家を育てることはできるか?

http://jp.techcrunch.com/archives/20100227can-entrepreneurs-be-made/
と同時にこういう話も

シリコンバレーの投資家たちは、出資すべきタイプの人間の概念を常に頭の中に描いている。若くて生意気で頑固で傲慢。そんな成功する起業家は、起業家精神に溢れる家庭に育ち、小学生でレモネードを売ることろから起業家の旅に出発したと彼らは信じている。

成功要因や遭遇した障壁に関して、学生時代特に起業関心のあった(そしてレモネードの店を出したであろう)グループと、関心のなかったグループとの間に有意な差はなかった。ただし、きわめて関心の高かった起業家の方が起こした会社の数が多く、かつそれを早く実現している。

「レモネードを作ろう」

ぐぐってると,こんな本があることも発見.

レモネードを作ろう

レモネードを作ろう

「レモネード作り」の経験がある人だと,この本が起業に関係のある話だと分かるんだろうな.