世界で勝ち抜く人材になるための「縦横思考」

http://gaishishukatsu.com/archives/7811
意見自体は興味深い.口先だけじゃないことを祈る.

出口 日本の生命保険会社には正直将来がないと思っています。人口がどんどん減っていくのはもはや止めようがない動きですしね。人口が減っていくとどう困るかというと、具体的に二点あります。

一つは、顧客がどんどん減っていって利益が少なくなってしまうという点です。これは当然ですね。
もう一つは、生保レディーといわれる女性の営業職がいなくなってしまうという点です。営業というのは非常にきつい仕事で、実際にはほとんどの人が数ヶ月で辞めてしまいます。それでも今までは専業主婦層が厚かったので適宜補充が出来たのですが、これからはそれが出来なくなっていきます。

また少し前までは生命保険会社は日本の大手企業の大株主であるという立場を活かして入館証をどっさりともらい、生保レディーが会社の中に入って保険営業をかけることができましたが、アメリカ同時多発テロ事件以降そう簡単に企業に入ることができなくなり、結局一般家庭を回る営業がメインになってしまいました。でも、アパートにも簡単には入れない。要するに職場が消えたのです。

「短期間で辞めても若者がいるから補充できた.これからはそれができなくなる」という所はIT業界も五十歩百歩.

そもそも製造業を生業とする会社は、「最新鋭の機械設備」と「安い人件費」を組み合わせれば、どんどん儲けることが出来ます。例えばトヨタは最新鋭の機械設備を東南アジアや中国など人件費が安いところに持っていって、労務問題をクリアさえすれば、あとは国内と同様のやり方で生産して、確実に儲けが出ます。

では、非製造業はどうすればいいかというと「人」一点に絞られます。私たちのような非製造業は、世界レベルで見たトップ層を採用し、彼らにのびのびと働いて存分に力を奮ってもらうことでしか伸びていけないのです。ライフネットは来年から定期採用を始めますが、30歳以下の人を「新卒」と定義して採用を行いました。学歴なんて関係ないし、面接もない。論文を二本、字数無制限で書いてもらって、それをもとに審査しました。それで採用しています。

この部分はIT業界にも通じる部分だな.SIビジネスは正反対の方向をむいていたから,今のようなブラックになったけど.

「面接もない」はちょっとやりすぎの気もするけど,それは経営者の自己責任.手段を結果の言い訳に使わないならいいんでないの.

日本企業、特に非製造業が伸びない理由は主に二つです。

一つは、若者や女性、外国人を活用しないという点。生命保険会社は47社ありますが、常勤の女性取締役がいる会社はライフネット生命だけです。他の日本の大企業も似たようなものでしょう。

もう一つの理由は、トップ人材のレベルの低さです。グローバル企業の標準はドクターか最低でもマスターです。しかし現在の大学生のレベルは低い。ほとんどの学生は学部までしか行かず、しかも青田買いですから、ほとんど勉強しないですよね。だから、ちゃんと話すコンテンツがない。さらに英語も話すことができないから、コミュニケーションもできない。コンテンツもコミュニケーションもない人が、企業のエスカレーターを上がっていくわけですから、外国のグローバル企業に勝てるはずがない。

経団連にそろそろ頑張ってほしいですね。私が会長だったら、「卒業証明書」「成績証明書」「TOEFL100点以上」の三点セットを持ってこないと経団連傘下の企業は、一切選考しないと決めますね。そうなれば学生も必死に勉強するでしょう。勉強もしないで適当な面接だけ受けさせて仕事をさせる、そんなことを繰り返しているから現在の日本の凋落があると思っています。ただ明るくて頑張る学生を青田買いしてそれで回った高度成長時代はとっくに終わっているのに、それがわかっていない日本の経営層は本当に問題ですね。