「奴ら,プログラムを魔法と勘違いしてるわ」


プログラミングは技術だよ.魔法じゃない.プログラムが魔法に見えてるようじゃ半人前以下だと思う.*1 *2 *3

執筆や、勉強会・セミナーの講演の依頼も来て「人の役に立っている」「自分が貢献している」という感覚を覚えられるようになってくるでしょう。

報酬の額を聞いても,果たしてそんな気分でいられるかな.予備校の講師ほどの報酬が貰えるわけじゃないんだよ.金がすべてじゃないけれど,報酬金額はその人間に対する評価のバロメーターだ.金を出し渋るということは,日本の技術者に対する評価なんて,しょせんはその程度の物だってことなんだよ.

就職難と言われた2004年でも、特に苦労せずに本田技術研究所の入ることができました(あまり落ちる気がしなくて、エントリーシートは1枚しか書きませんでした)。

2004年ってそんなに就職難だったかな?1991年からの10年以上続く採用抑制で若者が少なくなりすぎて,その反動でちょっとだけ採用を増やしたのがその辺だったはず.そしてその「ちょっとだけ好景気」はリーマンショックで終わりを告げ,第二次就職氷河期が始まった.

「ちょっとだけ好景気」という幸運に恵まれたのを,自分の実力だと勘違いしてはいないだろうか.

もし学生の方がいたら・・・

IT業界はとても楽しい所です。もちろん、すべての会社が楽しいとは限りませんし、同じ会社でも、上司との相性という属人的なランダム要素はあります。

プログラミングは本来とても面白い知的活動です.これは本当です.でもIT業界はとなると?

必ずしもすべての会社がブラックだとは限らないし,比較的マシな企業もあるでしょう.そのましな企業でさえもブラックな部署やブラック上司は付きもので,そして部署や上司を選択する権利は与えられないのが日本企業です.*4さらに仮に優良部署で優良上司に恵まれたとしても,30を過ぎた頃にはプログラマを強制引退するよう迫られる...

プログラミングを愛していればこそ,プログラミングは趣味にとどめておいた方が良かったと後悔している人は少なくないと思います.

http://b.hatena.ne.jp/entry/blog.shibu.jp/article/43614202.html

  • id:diveintounlimit news ホント会社によるだろうけど、私は少なくとも、他の選択肢を持っているならそっちへ行けと言うだろう。
  • id:jtw 才能がなければ魔法は使いこなせないという現実をきっちり書いたほうがいい。/がんばった結果使いこなせなかった人は人月地獄で生死を彷徨う羽目になる。
  • id:du0415 魔法が失敗して暴走する昨今。
  • id:gifumaster PGとかになると30才で魔法使いに!(違
  • id:wacking 30歳童貞の話かと思ったら違った、というブコメがほぼ皆無なことに驚いた

*1:「プログラムはまるで魔法だ」なんて言って許されるのは小学生までだよねー.

*2:たとえばカーブやシュートのような変化球のことを「魔法」と呼んでるピッチャーの卵なんているのかな.それを投げられない人にとっては魔法かもしれないが,投げられる人にとっては技術の一つだと思う.

*3:どうせ営業トークだと思うけどさ.プログラマだったら,まず言わない台詞だから.

*4:一時期は上司が部下を評価するだけでなく,部下も上司を評価する「360度評価」ってのはバズワードだったんだけどね.でも日本企業では根付かなかった.やはりゆとり管理職からの猛烈な反発があったことは想像に難くない.