「東日本大震災:幼稚園児ら9人犠牲 情報途絶で遅れた避難」

http://mainichi.jp/select/today/news/20110504k0000e040005000c.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110504-00000006-maip-soci

宮城県山元町の海岸線から約1.5キロ。私立ふじ幼稚園はあの日、園児51人が乗った送迎バス2台が津波に流され、園児8人と教員1人が亡くなった。地震後の停電でテレビが消えて津波警報は伝わらず、園にある防災無線も機能しなかった。エアポケットのように情報が途絶した幼稚園に、津波は容赦なく襲いかかった。鈴木信子園長は遺族にこう謝罪した。「津波に対しての意識が甘かった。これがすべてと思います」【遠藤浩二、澤木政輝】

情報途絶が原因のような記事を書いてるけど,設備の不備と意識の差だと思う. *1 *2

ちょっとだけ追記:情報途絶は既に危険信号であり,最悪の事態を想定しなければならなかった.「情報途絶したから,根拠はないけど楽観主義で危険はないと断定して行動しました」じゃ訳が分からないよ.

小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1312

防災教育の総仕上げとして子どもや親に教えたことは、 端的に言うと「ハザードマップを信じるな」ということだ。ハザードマップには、最新の科学の知見を反映させた津波到達地点や、安全な場所が記されているが、これはあくまでシナリオにすぎない。最後は、自分で状況を判断し、行動することの大切さを伝えたかった。そうは言っても、子どもたちには不安が残る。だから、どんな津波が来ても助かる方法があると伝えた。それが逃げることだ。

 もう一つは、自分の命に責任を持つことだ。三陸地方には、「津波てんでんこ」という昔話が伝えられている。地震があったら、家族のことさえ気にせず、てんでばらばらに、自分の命を守るために1人ですぐ避難し、一家全滅・共倒れを防げという教訓である。私はそこから一歩踏み込み、子どもに対しては「これだけ訓練・準備をしたので、自分は絶対に逃げると親に伝えなさい」と話した。親に対しては子どもの心配をするなと言っても無理なので、むしろ、「子どもを信頼して、まずは逃げてほしい」と伝えた。

どれだけハードを整備しても、その想定を超える災害は起きうる。最後に頼れるのは、一人ひとりが持つ社会対応力であり、それは教育によって高めることができる。私は、今回の震災で命を落とした少女たちの声に耳を傾け、防災教育の広がりに微力を尽くしていきたいと、あらためて思いを強くしている。

防災教育を毎年受けた小中学生は、いつか成人となり、家庭を持ち、結果的に社会全体の底上げにつながる。子どもを通じて、親や地域社会に教育の成果が広がることも期待できる。

 早速、私は市内のとある小学校を訪ね、管理職クラスの先生に防災教育の実施を提案したが、反応は冷ややかだった。英語授業や総合学習への対応に忙殺されて余裕がない、というのが理由だった。また、津波とは関係のない内陸部出身の先生が多かったこともあり、危機感が薄かった。

 そこで当時の釜石市教育長に直接相談した。教育長は地元の出身であり、昭和三陸津波の被害を実際に経験していたことから、防災教育の必要性を理解してくれた。そして、学校の先生への教育が必要だという結論に至り、平日の午後、全校を休校扱いにして、空いた時間帯に教諭向けの防災講演会を実施する機会を与えてくれた。

*1:こういうことを踏まえると,幼稚園や小学校には,乾電池で動くラジオを複数用意しておくべきなのかもしれない.

*2:自動車にはラジオくらいついてるけど,送迎バスにはついてなかったの??