「9割の日本人に必要のない○○を、なぜ日本人は必死に学ぶのか?」
http://businesssupple.com/businessbook/1694.html
今日の釣り堀.
○○には英語だけでなく古文や漢文,世界史や日本史,数学や物理,化学,生物学,読書すらも入るだろうに.学問や教養とはそういうもの.
- 「英語業界のカモになるな!」
- 「英語ができても、バカはばか。」
- 「頭の悪い人ほど英語を勉強する」
一つめはだけは賛成.英語を勉強するのに,英会話学校に高い金を払う必要はない.単語や文法を覚えたり多読他聴のような,もっと地道にコツコツ努力することの方が重要.
二つめは比較対象がおかしい.たとえば転職の際に比較されるのは「英語のできるバカな他の応募者」と「英語ができない(他のスキルのある)自分」ではない.「自分と同等のスキルがあって,かつ英語ができる他の応募者」と「英語ができない自分」ならばどちらが採用されるかは言うまでもあるまい.
三つ目は明らかに違うね.負け犬の遠吠え.最先端技術だったり国際的なビジネスに関与してたりすればするほど,英語の必要性が高い.無しでは早晩やっていけなくなる.
「コミュニケーションの手段でしかない英語を、緊急の用途もなく多くの時間とコストをかけて(日本で)身につけても時間のムダ(そもそも身に付かない)」
技術習得,情報収集の手段でもあるよ.
この点、日本では、「英語を身につけなければ国が存続しない」、「学問ができない」というわけではありません。
日本がいつまで英語なしで先端技術を習得できると思ってるんだ.
しかもよりによってIT業界の経営者の主張を引用しておきながらそれを言うか.
それに同僚にインド人がいたりオフショアに出したりしたら,確実に必要になるわけだし.*1
日本は、明治時代の開国する前から外国語と付き合い、時の学者たちが、外国語で書かれた学術書を日本語に翻訳していたからこそ、高度な学問を「日本語で」学ぶことができると言うのです。
過去形でいうなよ.今も翻訳されてるが,最新技術になればなるほど翻訳は追いついていない.
特にITの様に変化が早い分野ではそれが致命傷になる.
英語を必死に勉強しているのは「必要のない9割の人」
英語が必要で,それを使っている上位1割の人は,既にそのスキルを身につけているのだから,それ以上必死に勉強する必要性が少ないのは当たり前じゃん.その人達は過去に必死で勉強したんだよ.
できるようになった後もそれなりには勉強してるだろうが,それは日常業務の一部になってると思う.たとえば海外と電話会議やったり,必要なE-mailを読み書きしたり,最新の技術書を英語で読んだり.
本気で身につけたいと思っているのであれば、海外に行って日常的に英語に触れる環境でないと身に付かないのにも関わらず
これはダウト.基礎の部分は海外に行っても関係ない.NHKメソッドでもかなりのレベルまでは行ける.基礎をマスターした後に,さらに磨きをかけるのなら有りだけど.*2
最近だとフィリピンあたりで安価に短期留学できたりもするみたいだけど,日本は新卒入社で空白期間を嫌うので,そういう期間を確保するのが難しいという問題はある.
・「20代、30代は仕事で覚えなければならないことが山ほどあるのに、英語の勉強に時間を取られたら、肝心の仕事に集中できない」
だからこそ学生時代にやっておくのがお勧め.
著者は若い頃に勉強をサボったツケが出ているだけ.今までやってなかったものが,必要になったからと言って一夜漬けで勉強を始めてももはや手遅れ.一朝一夕にどうなるものでもない.*3
- 日本人技術者が洋書を読まなければならない時代: http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20111231/p2
- 「プログラマにTOEICは要らない」されど英語は超重要: http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20120901/p1
http://b.hatena.ne.jp/entry/businesssupple.com/businessbook/1694.html
- id:sakuragaoka99 1割に入りたいからだろう、それは。有名大学出身者でも英語が堪能か否かでけっこう所得格差あるよなーと思うよマジで。
- id:strawberryhunter まともに働く気がある者なら、英語ができない事での機会損失の大きさは無視できないレベル。外資の社長は通訳を使えばいい。そこらへんのホワイトカラーほど英語ができなければならない。
- id:zorio 同じ会社にいたんじゃ英語ができるようになっても便利に使われるだけなのかもしれないが、転職する時の選択肢は広がるような気がする。
- id:fujixe 残り1割に入るため。またその残り1割にとっては、9割に英語ができないままでいてもらった方が、自分の希少価値を保てるので都合が良い
- id:yubnyu それを言ったら高等教育だって9割くらいの人には必要ないんじゃないかと思う。それでも残り1割のレベルを上げるには裾野を広くして全体のレベルをあげるしかないんじゃないかなぁ。
- id:kujoo 必要のある世界に行く為じゃないの
「なんで大学行くの?高等教育なんて必要なのは上位1割くらいだろ?お前のようなバカは底辺を這いずり回ってるのがお似合いだ.」と言われて,「じゃあ俺はバカだから一生ワープアのままでいます」なんて答える奴がどれだけいるのかと.
上位1割になりたい上位3割の人は1割目指して凌ぎをけずるだろうし,同様に上位3割に入りたい5割の人はそれなりに勉強するだろうし.全く勉強しないのは最底辺だけだと思われる.
- id:utd_sn3781 必要がないんじゃなく必要な状況を社会ぐるみで必死で避けてるだけ。見てみろよこの閉鎖性を。
これもかなり同意.
「このライブラリを使わない理由は?」って聞いたら「英語ドキュメントしかないから」とかマジにあったりする.そういう意味での,間接的な経済的損失は莫大なものがある.
- id:hidex7777 英語できなきゃ学問できないだろ!w/あと、英語が堪能な日本人のほとんどは留学など無駄な投資をせずにNHKラジオ講座で身に着けていて、英語圏の人からは「NHK?それはどんなメソッドなんだ?」と不思議がられます。
- id:matsulib 学生でも「海外の論文」は読めたほうが良いし、英語は必要になったときに一朝一夕でできるようになるものでもないだろうに。
- id:wangshot1155 95%の日本人に必要のない数学や、99.9%の日本人に必要のない古文・漢文よりはマシだからじゃないの。
- id:laislanopira ただ英語の文章が読めたりしたほうが、日本語の本だけではわからないことが書いてあったりするやん?あとはけっこう外国人と英語で話すこと多し
- id:uzusayuu 米で現地企業で仕事してるが、日本人は英語ができないんじゃなくて、読み書きと、聞く喋る、の学習バランスが悪すぎるんだと思う。もう少し喋れれば日本人が世界で転職するのだって難しくないはず
タカシの外資系物語
# 619 Wonderful Start to 2013 with ENGLISH !(その2) http://www.daijob.com/columns/takashi/article/2957
では、英語がからっきしできないスタッフが、その後、どんなキャリアを辿るか? について、少し考えてみましょう。私自身の経験則を踏まえると、以下のキャリアに分類できるように思います(全体を100%とした場合の割合も記載)。
(1) TOEIC750点レベルを軽く超え、英語のエキスパート(900点up)になるとともに、企業の中枢(≒役員レベル)として生き残る人・・・・・1-2%
(2) TOEIC750点レベルまで到達し、英語はそこそこのレベルのまま、企業の中枢(≒役員レベル)として生き残る人・・・・・5%
(3) TOEIC750点レベルまで到達し、英語はそこそこのレベルのまま、スタッフとしてなんとか生き残る人・・・・・40%
(4) 英語はからっきしダメだが、特定の卓越したスキルを有し、なんとか生き残る人・・・・・5%
(5) 英語もダメ、卓越したスキルもなく、早晩会社を去る人・・・・・50%私のアドバイスは、「何とか (3) で踏みとどまって、(2) を狙え」 ということ。当たり前のようですが、相当数の人が、この当たり前のことがわかっていない。なぜか?
また、上記の5分類に、「TOEIC750点レベルを軽く超え、英語のエキスパート(900点up)になるものの、実際の仕事はからっきしダメなままで生き残る人」 という分類がないことに気付かれたでしょうか? そう、そういう人は いない のです。繰り返しますが、英語の勉強は仕事ではない。仕事をする前提として、会社が設定した前提にすぎないのです。そして、前提がクリアできたら、いつまでもその前提に拘泥するのではなく、本職である仕事に集中しなければ、社内での成功は望めません。重要なので繰り返します。“英語バカ” “TOEICオタク” になってはいけません。やるべきは “仕事” です。
それともう1つ。(4)を目指そうとする人が、結構な割合で存在します。「オレは英語はダメだけど、技術力や商品知識でそれをカバーしてみせる!」 という人。うーーん、正直、私はこの戦略はオススメしません。その理由は、このタイプの成功確率が低いからです。特に外資系では、上記の通り、全体の5%にすぎません。
そもそも、このタイプの人が有するスキルというのは、極端に尖っていなければなりません。業界に名が知れたハッカーとか、弁護士/弁理士、会計士/税理士の資格があるとか、そんな世界です。「ちょっと簿記の勉強してまんねん・・・」「情報処理の資格を取りたくて・・・」程度では、話にならないのです。
それに比べれば、TOEIC750点の方がはるかに楽だというわけです。
「 国家公務員試験「TOEFL」導入を検討 15年度めど、英語力向上狙い 」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF14011_U3A310C1EE8000/
http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000001991.html
ついでにメモ.
政府は国家公務員採用試験に民間の英語能力テスト「TOEFL」を導入する検討に入った。キャリアと呼ばれる総合職の志望者が対象で、2015年度の試験をめどに採用する。英語で意思疎通ができる公務員を増やす狙い。政府が英語力向上に向けた姿勢を率先して示すことで、民間企業の取り組みを促すことにもつながりそうだ。
15日の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)で、民間議員が国家公務員試験へのTOEFL採用を提案し、人事院の原恒雄総裁が民間試験の導入を表明する。国際的に評価されているTOEFLを軸に検討しており、今後、具体的な点数配分や実施方法を詰める。
現在の国家公務員試験は筆記試験の一部で英文読解がある。ただ外国政府の担当者と直接やり取りする機会が増えていることから、英語の聞き取り能力も問う民間試験の受験を義務付けることにした。TOEFLやTOEICは受験者の英語力を点数で評価し、海外の大学や日本の企業が学生を採用するときの参考にすることが多い。
逆にこっちは,なんかズレてる.
- なんでTOEFL?(新卒の)採用試験ならTOEIC600〜700点くらいで十分だと思う.*4
- なんで採用試験だけ?昇級試験とかにも入れるべき.さらに全管理職(とは言わないかもしれんが)には毎年の受験を義務づけ,一定以上の得点を取れない人間を降格する制度を取り入れるべきだよね.
それにしても,提案した「民間議員」とやらを匿名にする理由ってあるの?
政府は、国家公務員の総合職いわゆるキャリアの採用試験にTOEFLなど、海外にも通用する英語試験を導入することを本格的に検討する方針を固めました。
政府の成長戦略を議論している産業競争力会議では、委員の楽天・三木谷社長らが英語力の向上のため、国家公務員の採用試験にTOEFLを採り入れることなどを提言していました。こうした意見を踏まえ、再来年実施の採用試験をめどに、国家公務員のキャリア試験に限定してTOEFLやTOEICなど海外でも広く使われる試験を採り入れることを検討することになりました。15日の産業競争力会議で政府側が提言する見通しです。また、成長戦略の策定に向けて人材育成や雇用拡大の具体策が焦点となり、職種や勤務地などを限定した「準正社員」という待遇を新たに設けることも検討します。さらに、雇用の維持を目的とした雇用調整助成金を減らし、訓練や職業紹介などへの助成を手厚くするなどの案も提言される見通しです。
うーん,これは賛成できないなあ.
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*1:しかもインド英語は日本人には難易度が高い.
*2:まさにこの部分が「英語業界にカモになるな!」の部分.基礎もやるまえに英会話学校に通ったり,海外留学しても伸びないよ.
*3:これは英語だけでなく,プログラミングでも経済学でもなんだって同じだよなあ.学生時代に勉強サボってる文系学生にはピンと来ない話なんだろうか?