プログラミングを学ぶための最大の壁は,今も昔も努力と才能
- 「プログラムを学ぶための障壁は、今やまったくない」 http://anond.hatelabo.jp/20130725111658
今日の釣り堀.良くありがちな陳腐な議論.
「昔にくらべて金銭的な敷居が低くなった」というだけの話.学習すべき内容の量は増え,難易度はむしろ上がってる.*1
野球はバットとグローブがあれば練習できるけど,じゃあプロ野球に入団して,トップ選手になるのはそのうちの何%なんだと.親にサッカーボールを買って貰ったサッカー少年のうち,Jリーグに入って大活躍するのはそのうち何人なんだと.ピアノ教室に通ってた子供のうち,ピアニストとして生計を立ててる人はそのうちの何%なんだと.小説を書くのは紙と鉛筆,或いは旧式で安物のPCにエディタでも入れれば十分だけど,それでラノベ作家や小説家としてデビューして、生き残れるのはどれだけいるのかと.
プログラミングを「学ぶための障壁が低くなった」としても,プログラミングを「学ぶのが簡単になった」わけでは決してない.必要なのは本人の努力と才能だ.
そしてパソコンを手に入れたとしても、情報を調べる手段というのが確立されていない。
今でこそ、ブラウザを開いてGoogleで検索すれば、どんな情報だって手に入る。
ぐぐって手に入る知識なんてごく一部だよ.
しかもその大半は英語で記述されている.
英語英語。
ソフトウェアに関しては、ググって得られる情報は日本語が1なら英語は100といっても過言ではない。
障壁がなくなったのは日本人だけじゃないんだから、英語を避ける典型的日本人は圧倒的に不利だよね。
http://anond.hatelabo.jp/20130726003942
開発環境なんて、よりどりみどり。メモ帳ソフトがあれば、もう勉強を始めることができる。
Windows上で動くアプリだって、VisualStudioが無料で手に入る。
なんでそこでメモ帳にVisualStudio?
こいつ自分では勉強してないだろ.
http://b.hatena.ne.jp/entry/anond.hatelabo.jp/20130725111658
昔ちょっと書いたな.
これを例えばITにあてはめると,大昔は高性能なコンピューターを手に入れるためにはペンタゴンでもスポンサーにつけて,国家プロジェクトを起こすしかなかった.もっと時代が進むと大学研究室でも利用できるようになった.それが今では10万円程度で,個人でも容易に手に入れられるようになった.ソースコードに関しても,LinuxやgccやJavaやその他諸々のOSSプロダクトを,ネット上からソースコード込みで無料ダウンロードできる.専門書についても最新の洋書だってamazonで買えるご時世だ.
さあ,これで勉強に必要な材料はそろった.あとは才能のある人がコンピューターの勉強に没頭しさえすれば,プロ一歩手前まで行くのは簡単だ.
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20070923/p1
高速道路と言っても情報を入手するまでで,それを理解し,利用するには相応の才能と努力が必要になる.
その上で,プログラミングの世界では,かなりの率で全く才能のない人がいるというのを忘れちゃいかん.
激しく同意.
- id:zyzy 自分もWin3.1〜95世代だけど、この世代は本当にコンパイラを手に入れるまでがハードル高かった。bccが神に見えた。これより前の世代はPCを手に入れるのが大変だけど、プログラミングはすぐ始められた様で羨ましかった。
- id:kmaebashi 逆に大昔の8bitパソコンの時代まで戻ると、開発環境のBASICがスイッチオンで起動するし、今よりさらに入門しやすかったのかもね。がんばればゲームセンターのゲームでも自作できたわけだし。
ベーシックの時代は動かすまでは簡単でも,ベーシックは方言がたくさんあって,細かい仕様は添付マニュアルくらいしか資料が無い.もちろんサンプルコードも滅多にない.分からないことについて,参考情報を見つけるのがすごく難しかった.
- id:oukisyougun 懐古厨乙(笑)。昔はHTMLが書けるだけで金が稼げた。
懐古注云々は的外れだと思うが,後者は一理あるか.
Web黎明期限定の話だが,その当時なら「ホームページ作ります」で,手書きのHTML4を書いてPerl CGIちょこっと書くだけで仕事になった.
今は同じく「ホームページ作ります」でも,HTML4/HTML5, CSS3, JavaScript, JQueryを駆使できないと,仕事にありつけないかも.
「80年代パソコン少年がプログラミング教育に思うこと 」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20130724/493744/
ついでにメモ.
ではなぜ80年代にそのような小中学生、いわゆるパソコン少年がたくさんいたのだろうか?その理由の一端は、おそらく次のような文章に集約できるだろう。
「僕もプログラミングができるようになって自分でゲームを作りたい。ヒットゲームを作って、中村光一のようなスターゲームプログラマになって、お金をたくさん儲けたい」。
この動機だ。ここで重要なのは、プログラミングの目的が売れるゲームの作成であること、中村光一氏(現スパイク・チュンソフト会長)という目標にすべきスターがいたこと、そしてプログラミングができれば経済的に成功できる可能性が高まりそうだという予感である。つまり、「イチローやダルビッシュ有選手に憧れてプロ野球選手を目指す小学生」と同じ構図が、今から思うと信じられないことだが、80年代のプログラミング界隈にはあった。良く言えば夢、悪く言えば妄想が小中学生を突き動かしていたのだ。子供は純真だからこそ、自分の能力も顧みず、スターになりたいと本気で思うのである。
激しく同意.
http://b.hatena.ne.jp/entry/itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20130724/493744/
- id:zu2 マイナー機種を買ってしまったので、プログラミングができないとゲームで遊べなかったんだよなあ... / http://wiliki.zukeran.org/index.cgi?BMUG
べ,ベーシックマスターだと?w*2
- id:cu39 家にそこそこ余裕がなければ入手できなかったし、せっかく買ってもらったマシンなのに情報がなくて(and/or そこまで頭が回らなくて)ほぼ何もできなかった苦い思い出ばかりが。
前半はピンキリ.
後半は今より厳しかったなあ.ネットなんてものはないし,「パソコン通信」はお金かかり過ぎるし.町の図書館に行ってもプログラミング専門書なんて置いてないし,あっても古すぎて参考にならんし.
*1:昔に比べて難易度が下がったのは英語.それも圧倒的に.
インターネットの普及,電子辞書の進歩,CD付き英語参考書,外国ドラマのDVD,そしてKindle.しかし楽になった後でも,英語の習得が一筋縄ではいかないことには変わりない.
*2:今密林でぐぐるとこんなのばかりが出てくるなあ...