「スルガ銀-IBM裁判で両社が上告 」

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20131226/527345/
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NCD/20131220/526372/
メモ.

その上で高裁は、日本IBMがこの段階で「本件システムの抜本的な変更、または、中止を含めた説明、提言および具体的リスクを告知しているとは認めがたい」ことが、PM義務違反に当たるとしたのだ。これが、従来の判決では見られなかったPM義務の新たな要素、「抜本的見直し説明義務」および「中止提言義務」(以下、中止提言義務等)である。ユーザー企業に適切にリスクを説明する義務の一環と言えるだろう(図2)。

一つは、ユーザー企業にも十分なリスク分析能力がある場合、中止提言義務等をITベンダーだけに負わせるのは不当、というものだ。

 日本IBMによれば、スルガ銀行は優秀なIT部門を持ち、プロジェクト遂行に関わるリスクを分析する能力を備えていたとする。プロジェクトが危機的局面にあるという認識は両社で共有していたというわけだ。

 もう一つの問題は、中止提言義務等がITベンダーに課される条件が曖昧である点だ。

 日本IBMは、最終合意書が締結された段階でプロジェクトは危機的局面にはあったが、抜本的な見直しや中止の提言が必要な段階ではなかったと主張する。要件定義で明らかになった開発スコープの拡大は、日本IBMの費用負担で賄える範囲だったとする。